連載コラム『株トリビア』では、「わかっているようで、実はよく知らない!?」株式用語、経済用語について、経済キャスターの鈴木ともみ氏が解説します。


そもそも株って何でしょう?

株=株式(株券)とは株式会社が発行する証券のことを言います。そして、その証券を買った人が株主になります。証券を発行した株式会社は、株主からいただいたお金(資金)で様々な商売、事業を展開していきます。会社側からすれば、株式を売ってより多くの人から資金を集め、株主は会社の株式を買って資金を提供する立場です。

その株式を売買する場所が証券取引所となります。つまり株式を取り扱う市場(いちば)です。現在、日本全国に4カ所の証券取引所があり、このうち最も大きいのが東京証券取引所、通称東証と呼ばれる取引所です。

「TOPIX(東証株価指数)」の東証はこの東証からきています。

TOPIXは東証1部(東京証券取引所第一部)に上場する全銘柄(1800社超)を対象に算出されています。「株価×発行済み株式数」(1968年の4月1日を100として算出)で計算し、東証1部に上場する全銘柄の時価総額の合計を全銘柄で割って算出した指数となります。時価総額というのは、言わばその会社(銘柄)を全部まるごと買い取る際の価格と言えます。TOPIXは市場全体の動きを測る目安となる指数です。

一方、「日経平均株価」は、日本経済新聞社が東証1部に上場する全銘柄から任意に選んだ225銘柄を対象に算出した平均株価のことを言います。

ファナック、キヤノン、ファーストリテイリング(ユニクロ)など、日本を代表するような銘柄が選ばれています。海外景気や為替変動に左右されやすいハイテク関連や輸出(外需)関連銘柄が多く、日経平均株価はTOPIXと比べて、株価の高い銘柄(値がさ株)の影響を受けやすいという性質を持っています。

ですので、投資の対象として輸出(外需)銘柄が買われやすい時には、TOPIXよりも日経平均株価の上昇率の方が高くなり、内需の代表である銀行などが買われている時にはTOPIXの上昇率の方が高くなります。

日経平均株価、TOPIX共に、日本の株式市場の温度を測る温度計のような指標ですので、株式投資家として初心者の方は、まずこの二つの指標をしっかり追っていくことが大切です。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。