【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

116 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」

 
  • >
  • >>

116/116

1925年に創業したBang & Olufsen(B&O)は、オーディオ機器の枠に収まらないデザインと、高いサウンドクォリティによって知られる、デンマークのハイエンドオーディオメーカーだ。オーディオに多少なりとも興味がある人ならば、耳したことがある名前だろう。そのB&Oが、より広い層をターゲットとするために2012年に立ち上げたカジュアルブランドが、B&O Playだ。

現在、B&O Playからは、ヘッドホンやイヤホン、そしてワイヤレスタイプのミュージックシステムなどがリリースされている。今回取り上げるのは、ワイヤレスミュージックシステムの「Beoplay A2」(以下A2)だ。

「Beoplay A2」

スピーカーを主張しないデザイン

A2では、"やはり"といっては何だが、典型的なオーディオ機器のスタイルは採用されていない。一見すると、小ぶりなクラッチバッグのようだ。ただし、これは筆者の目が「オーディオ機器はこういったスタイル」という固定概念にとらわれているせいかもしれない。

小ぶりのクラッチバッグのようなスタイル

A2のスタイルは「ポータブルのための新しいデザイン」。アルミニウム製のコア部分を樹脂のシェルで挟み込むような構造を採用している。これは、外部からの衝撃の影響を抑えるためのものだ。デザインはデンマークのデザイナーCecilie Manz(セシリエ・マンツ)氏が行っている。かなり個性的なデザインだが、それがデザインのためのデザインになっていないところがB&Oらしいところだろう。

シンプルな操作性と必要十分な機能

本体上面のスイッチ類は、電源とボリューム、Bluetoothボタンだけで、いたってシンプルだ。Bluetoothのバージョンは4.0で、aptXにも対応している。右側面には、外部入力のためのφ3.5mmステレオミニジャックとUSBポート、DCジャックが配置されている。

「A2」の操作ボタン

「A2」の接続端子

USBポートは外部機器への給電用だ。A2は大容量のリチウムイオン充電地を内蔵しており、他のポータブルデバイスへの充電も行える。なお、A2の充電時間は約3時間で、再生時間は最大24時間。

実際にスマートフォンからBluetoothで接続して音楽を再生し続けてみたところ、約12時間程度の再生でシャットダウンした。最後のほうはBluetooth接続が途切れ気味になっていたが、普通に10時間以上の連続再生は可能なようだ。

しっかりとした低域とやわらかな中高域を持つサウンド

A2のサウンドは、B&Oのエンジニアによってチューニングされている。新開発のDSPによって、豊かな低域を実現しているとのことで、実際に聞いてみても、低域の豊かさやドライブ感は感じられる。ただし、A2の低域表現は、サウンドに臨場感を与えているが、極端に刺激的というわけではない。

高域はクリアで伸びのよさは感じられるが、こちらも刺さるようなサウンドではない。全体的には、柔らかめの中高域にしっかりとした低域がプラスされているといった感じだ。現代風のサウンドをリラックスして聞けるようにするにはこういったチューニングになるのだろう。長時間、ある程度のボリュームで音楽をかけっぱなしにしていても、気に障るようなことがない。

A2は設置場所に関わらず360度どの方向からでも音楽を楽しめる「True360 オムニディレクショナルサウンド」を採用している。実際には真横に座ると中高域が減衰するといった指向性が感じられるが、おおむね全周で同じように音楽を楽しめる。また、コンパクトなワンボックススタイルでありながら、ニアフィールドでは音像が明確に定位する。

背面も前面とまったく同じデザイン。定位が左右逆になる以外、前と後ろで音は変わらない

B&Oとは違ったカジュアルさを持つA2

A2はカジュアルかつ上品にまとめられたポータブルスピーカーだといえるだろう。それはデザインだけでなく、サウンド面も同様だ。

2014年12月に行われた「ポタフェス2014」で、「B&O Playでは、B&Oではできないようなデザイン上の冒険ができる」という話を聞いた。B&O自体が下の写真のような製品をリリースしているので、ここは笑うか突っ込むべきポイントだと思ったのだが、どうやら違うらしい。

B&O本体も十分に冒険的なデザインだと思うのだが……

B&O Playでは、外部のデザイナーを積極的に登用し、B&Oのブランドイメージに縛られないデザインの製品を提供できるということらしい。そうした意味において冒険なのだろう。

B&O Playの製品は、B&Oともまた違ったテイストを持っている。なかでもA2は、日常的にカジュアルな使い方ができるスピーカーだといえるだろう。

ポタフェス2014に出展されていた「A2」。今回試用したグレーのほか、グリーン、ブラックのモデルがある

B&Oではなく、B&O Playだからこそできるデザイン

  • >
  • >>

116/116

インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

もっと見る

人気記事

一覧

新着記事

Cypress、同期整流制御を採用した車載LEDドライバを発表
[06:00 7/28] テクノロジー
木村祐一、オメデタ報告も松本人志が複雑な関係をチクリ「戦国武将みたい」
[06:00 7/28] エンタメ
松井秀喜"5打席連続敬遠"の裏側とは? 当事者の証言&読唇術で真相に迫る
[06:00 7/28] エンタメ
日本の製造業競争力、2016年時点で世界4位 - 2020年はどうなる?
[06:00 7/28] マネー
[福山雅治]主演映画主題歌でTOKYO NO.1 SOUL SETとタッグ 80年代ディスコをギターで
[04:00 7/28] エンタメ