【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

112 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)

112/116

前回前々回で、最新のノイズキャンセリングヘッドホン3製品について、周囲の騒音をどのくらい抑えられるのかを中心に比較してきた。シリーズ最後となる今回では、ノイズキャンセリング以外の点についての比較を行ってみたいと思う。

最新ノイズキャンセリングヘッドホンの携帯性

ノイズキャンセリングヘッドホンは、移動時のリスニング用として使用される場合が多い、そこで気になるのが携帯性だ。ボーズ「QuietComfort25 Acoustic Noise Cancelling headphones」、ソニー「MDR-ZX110NC」、クリエイティブメディア「Aurvana Gold」の3モデルは、どの程度コンパクトになるのだろうか。

まずはボーズのQuietComfort 25だ。QuietComfort 25はオーバーイヤータイプとしてはコンパクトなうえに、写真のようにクルッとまとまる。カバンにも収納しやすく、携帯性は非常に高いといえるだろう。

「QuietComfort 25」。オーバーイヤータイプのヘッドホンなのだが、ここまでコンパクトにまとめることができる

また、ハウジングの内部にLとRの文字が記されており、どちら向きに装着すればよいのか一目で分かる。もっとも、ケーブルが片出しタイプのQuietComfort 25では、その向きから左右が分かるので、ここまで親切でなくても十分だとはいえる。

ハウジング内にLとRの文字が記されており、装着方向がわかりやすい

次にソニーのMDR-ZX110NCだ。下の写真右がMDR-ZX110NCを折りたたんだところだ。フラットな形状になるため、カバンの中には収まりがよい。しかし、両出しタイプのケーブルが少々邪魔だ。製品には含まれていないが、別途ケーブルリールなどを用意したほうがよいかもしれない。

「MDR-ZX110NC」では、ハウジングが回転して折りたたまれることでフラットな形状になる

「クイック折りたたみ機構」を採用しており、この状態にたたむまでほぼワンアクション……なのだが、逆にちょっと力を加えるとたたまれてしまうので、片手で装着しようとしたときに「何故そこでたたまれる?」といったこともあった。

「クイック折りたたみ機構」は便利なのだが、ちょっと力を加えただけで、たたまれてしまい困る場合も

最後にAurvana Goldだ。Aurvana Goldは、ハウジングのスイーベル機能は備えており、フラットな形にはすることはできる。しかし、φ40mmドライバーを採用したオーバーイヤータイプのヘッドホンで、もともと大型のハウジングを備えたモデルだ。フラットになった状態でも、MDR-ZX110NCなどと比べるとかさばるのは否めず、携帯性という点ではやはり不利になる。ただし、Bluetoothヘッドホンなので、持ち運び時にケーブルが邪魔になることがないのは優れた点だといえるだろう。

他の2モデルに比べて大型の「Aurvana Gold」では、フラットになってもやはり携帯性では不利

ノイズキャンセルをオン・オフすると音の傾向が変わるか

ノイズキャンセリングシステムを搭載しているヘッドホンでは、システムのオン・オフを切り替えると音の傾向が大きく変わる場合がある。オフの場合、基本的にはパッシブタイプのヘッドホンとして動作するため、アンプや内蔵しているDSPによる処理が行われない。また、ノイズキャンセリングシステムを効果的に動作させるため、低域寄りのセッティングになっている製品が多い。

まずは、QuietComfort 25だ。ノイズキャンセリングシステムをオフにした状態では、低域の強さは感じられるが、密閉型ヘッドホンらしい力強いサウンドだ。ただし、広がり感はあまり大きくなく、ヌケのよさは感じられない。

ノイズキャンセリングシステムをオンにすると、明るくにぎやかなサウンドになる。音の広がりも強調されるようだ。ただし、DSPによるエフェクトがかなり強く、楽曲の種類によっては少々雑味が感じられる場合もある。とはいえ、それはわずかなものなので、ノイズキャンセリングシステムは常時オンにしておいて問題ないだろう。

MDR-ZX110NCの場合も、大まかな傾向はQuietComfort 25と同じだ。オフだと、ちょっとこもった感じの低域寄りのサウンドで、オンにすると元気でクリアなサウンドになる。高域の伸びや音の広がりもオンのときのほうが勝っている。MDR-ZX110NCも、常時ノイズキャンセリングシステムをオンにするのがオススメだ。

最後にAurvana Goldなのだが、このヘッドホンはBluetoothヘッドホンでもあり、ノイズキャンセリングシステムをオフにしてもパッシブ動作とはならない。プレーヤーとアナログ音声ケーブルで接続すればパッシブ動作をさせることもできるが、このヘッドホンの場合、ワイヤレスで使用するのがスタンダードな状態だといえるだろう。

Aurvana GoldはBluetoothで接続している場合、ノイズキャンセリングシステムをオンにしてもオフにしても、そのサウンドにはほとんど変化がない。音の広がりも感じられ、定位もはっきりとしている。ドライバーサイズやハウジングのサイズが大きいこともあり、自然なサウンドだ。

3本のノイズキャンセリングヘッドホンを使用してみて

今回使用したQuietComfort 25、MDR-ZX110NC、Aurvana Goldの3本は、それぞれ異なった特徴を持ったモデルだ。

ノイズキャンセリング能力に関してはQuietComfort 25が他を圧倒していた。しかし、それだけでは決められないのが、持ち歩くことを前提にしたヘッドホンだ。外に持ち出す機器は、どんなに頑丈なものでもいずれ壊れる。となると、携帯性と価格の安さという点でMDR-ZX110NCも悪くないチョイスだ。また、Bluetoothの利便性と大型ドライバーによるサウンドが特徴のAurvana Goldも、魅力的だといえるだろう。

112/116

インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

もっと見る

関連キーワード

人気記事

一覧

新着記事