【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

109 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)

 

109/116

この記事では、スマートフォンや音楽プレーヤーに付属するイヤホンからの買い替え対象になりやすい価格帯の製品について、使い勝手や音質などをチェックしていいる。今回は、前回(第107回)に引き続き、オーディオテクニカの「ATH-CKX7」を取り上げていく。

「ATH-CKX7」

ATH-CKX7の音の傾向は?

ATH-CKX7を入手し2週間ほど使用してみたのだが、ATH-CKX7のサウンドの特徴を一言で表せといわれたら、筆者ならば"ズドンとくる低域"と表現する。どのようなカテゴリーの音楽を聴いていても、豊かな低域のボリューム感を楽しむことができるのだ。

ATH-CKX7と、同じオーディオテクニカの「ATH-IM50」のサウンドを比較してみると、その差は非常にはっきりとする。なお、ATH-IM50はモニタータイプのイヤホンで、中域の情報量の多さを感じられるモデルだ。

「ATH-CKX7」(左)と「ATH-IM50」(右)

同じ楽曲を聴いていても、ATH-IM50ではボーカルが前に出てくる感じなのに対して、ATH-CKX7ではベースがしっかりと聞こえてくる。まったく別のアレンジに聞こえるほど、2本の音色は異なっている。

続いてテストトーンで比較してみる。2系統のヘッドホン出力を持つヘッドホンアンプにこの2本を接続して。左チャンネルはATH-CKX7、右チャンネルはATH-IM50を装着。1kHzで同じレベルになるようにバランスを調節して、他の周波数を聞いてみた。

その結果、500Hz~2kHzでは同レベルだが、それ以外の周波数ではATH-CKX7側が強く聞こえた。圧倒的な低域のボリューム感に隠れがちだが、ATH-CKX7は高域の再生能力もなかなか高いようだ。

次に、ATH-CKX7とソニーの「XBA-H1」を同じ環境で比較してみた。すると、500Hz~2kHzはほぼ同レベルだが、それ以下の低域はATH-CKX7、そして4kHzでもATH-CKX7のほうが上回っていた。しかし、8kHz以上になると、XBA-H1のほうが上回る。このあたりは、BA(バランスド・アーマチュア)ドライバーとダイナミックドライバーのハイブリッドモデルであるXBA-H1の持ち味なのだろう。

「XBA-H1」(左)と「ATH-CKX7」(右)

Complyイヤーピースを使用してみると……

ATH-CKX7には、Complyイヤーピースが1組付属してくる。付属してくるのはスタンダードなTシリーズの「T400」だ。イヤピースを、標準のものからComplyに変えてみた。

「ATH-CKX7」にComplyイヤーピースを取り付けてみた(左側)

ATH-CKX7は、その構造からもともと遮音性が高いモデルなのだが、イヤーピースをComplyに換えることで、よりいっそう高い遮音性を得られる。屋外で、歩行中などに使用するとかなり危険なレベルだ。また、ノーマルのイヤーピースに比べて、より低域の力強さがアップする。しかし、高域は少し抑えめになるようだ。

なお、イヤーピースの交換について一つだけ触れておきたい。ATH-CKX7でのイヤーピースの交換は、一般的なイヤホンに比べて、かなり大変だ。ATH-CKX7のイヤーピースを挿す軸の部分は、ボールジョイント構造となっており可動式だ。そのため、力を加えにくく、なかなかイヤーピースを取り付けることができない。Complyイヤーピースはまだ良いのだが、そこから標準のイヤーピースに戻そうとすると、慣れるまではかなり手間取ることになる。

軸が動く「ボールジョイント構造」

イヤーピースを裏返して差し込み部分を露出させても、なかなか取り付けられない

低域を選ぶか? それとも可搬性を選ぶのか?

ATH-CKX7の低域は、個人差がある耳の穴の角度に正確に合わせることができるボールジョイント構造と、Cチップによる強力な密閉度によるところが大きいといえる。試しに筆者には小さいSサイズのイヤーチップに交換して装着してみたところ、まったく低域のパワーが感じられなくなった。

この2つの構造により、低域の量感が優れたイヤホンに仕上がっている。一方で前回も書いたように、低域を重視した構造のため、ATH-CKX7は大型のものとなっている。特に突起部が大きいため、持ち運びの際にはかなりかさばる。前回取り上げたソニーの「XBA-C10」と、ある意味対極にあるモデルだといえるだろう。

「AHT-CKX7」と「XBA-C10」

スマートフォン用やポータブルプレーヤー用として考えた際に、低域のボリュームを重視するのか、それとも可搬性を重視するのか、なかなか難しい問題だ。

さて、次回だが、このところ各メーカーからノイズキャンセリングヘッドホンの新モデルが相次いでリリースされている。気になるモデルをいくつかピックアップして、そのノイズキャンセリング能力や音質について、レポートしてみたいと思う。

109/116

インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

もっと見る

関連キーワード

人気記事

一覧

新着記事

「恵比寿鯨祭」にクジラのパクチーユッケも! 全国の捕鯨地域とコラボで開催
[05:30 9/29] 趣味
ホリ「偽物から本物になれて嬉しい」『タイムボカン24』取材会でモノマネ披露
[05:00 9/29] エンタメ
『やりすぎ都市伝説』LINE LIVE開催!関暁夫が“異次元空間”から生配信
[05:00 9/29] エンタメ
渡辺麻友、逆転勝利で主演獲得「悪役やちょっと変わった役にも挑戦したい!」
[05:00 9/29] エンタメ
[タイムボカン24]主要キャストが意気込み語る 作品の見どころは…
[05:00 9/29] ホビー