【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

102 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)

村田修  [2014/03/07]

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スマートフォンや音楽プレーヤーを購入したが、付属のイヤホンが貧弱で、買い換えたいという人は多いようだ。そこで本コラムでは今回から数回にわたり、標準付属品からの買い替え対象になりやすい価格帯のイヤホンをいくつかピックアップして、その使い勝手や音質などをチェックしていきたいと思う。

最初の1本は、オーディオテクニカのデュアル・シンフォニックドライバーインナーイヤーモニターヘッドホン「ATH-IM50」だ。デュアル・シンフォニックドライバーとは、ハウジング内に2つのダイナミックドライバーを配置し、それが同調して動作することで、ドライバーの歪みを抑える構造とのことだ。

実売5,000円台のショップもあり、プレーヤー付属品からの乗り換えにも最適

「ATH-IM50」

2014年3月現在、5,000円台後半で購入できるショップもあり、モニタースタイルのイヤホンとしては低価格だ。このぐらいの価格帯になると、音楽プレーヤーやスマートフォンに標準で付属してくるイヤホンからの乗り換え用としてもターゲットに入ってくるといえるだろう。

まずはそのスタイルを見てみよう。左がATH-IM50。右が比較用に用意したソニーのハイブリッドイヤホン「XBA-H1」だ。ハウジングのサイズはATH-IM50のほうが2回りほど大きい。ただし、XBA-H1はケーブルが下に出るタイプであるのに対して、ATH-IM50はケーブルを耳の後ろに回すタイプだ。そのため、ハウジングのサイズが大きくても、それによって外れやすくなるということはない。

ハイブリッドイヤホンの「XBA-H1」と比較しても「ATH-IM50」のハウジングは大きい

ハウジングは樹脂製で、質感は価格なりのものだ。特に高級感は感じられない。ロゴの部分は濃いグレー。ATH-IM50にはブラックとホワイトの2色があり、今回使用しているのはブラックだ。少なくともブラックに関しては、あまり目立つデザインではない。

ケーブルのハウジング側はワイヤー入りでフレキシブルに変形可能だ。決まった形に保持されているわけではないので、装着するたびに、耳の形に合わせて曲げてやる必要がある。その点は面倒ではあるのだが、より正確な位置に確実に固定することが可能だ。ただし、あまり力がかかるように固定すると、耳への負担が大きくなる。

ケーブルを曲げて耳に引っ掛けるスタイル。正確な位置に固定できる

ケーブルは着脱式で、長さは1.2m。太さは実測で幅4mm×厚さ2mmといったところで、このクラスのイヤホンに標準装備されているケーブルとしては極太だ。コネクタの形式は独自タイプで、2014年3月時点では他社製の交換用ケーブルは存在していない。オーディオテクニカからは、オプションとして「AT-HDC1/1.2」「AT-HDC1iS/1.2」「AT-HDC5/1.2」の3種類が用意されている(2014年2月14日発売)。

付属ケーブルの価格から考察するATH-IM50のコストパフォーマンス

AT-HDC1/1.2は、ATH-IM50に標準装備されているものと同じもの。AT-HDC1iS/1.2は、AT-HDC1/1.2と同じ素材のケーブルにスマートフォン用のマイクとリモコンを装備したものだ。なお、オーディオテクニカの製品では、型番の後ろに「i」が付くものはiPhone/iPod用で、iSが付くものはAndroid OSを採用したスマートフォン向けだ。AT-HDC5/1.2は、芯線に6NのOFCを採用した高解像度ケーブル。シース(※)にはチタンが配合されている。ATH-IM50ユーザーとしては、スマートフォン用のAT-HDC1iS/1.2は気になるところだ。

※ シース:ケーブルの一番外側にある被覆のこと。

付属のケーブルは、このクラスのイヤホン用としては極太。比較用に置いてある「XBA-H1」のケーブル(上)よりもかなり太い

価格はいずれもオープンだ。推定市場価格は、AT-HDC1/1.2が3,150円前後、AT-HDC1iS/1.2が3,700円前後、AT-HDC5/1.2が7,000円前後となっている(いずれも消費税5%時点での税込み価格)。5,000円台で購入できるヘッドホン用のオプションとしては高価だが、これらはいずれもATH-IM50専用ではなく、「ATH-IM70」や、BA(バランスド・アーマチュア)ドライバーを搭載した「ATH-IM01」「ATH-IM02」「ATH-IM03」「ATH-IM04」と共用だ。AT-HDC1/1.2も、それなりのクオリティを持ったケーブルということなのだろう。となると、ATH-IM50の本体部分はどれだけ低コストというか、高コストパフォーマンスなのかということになる。

ケーブルは着脱式で、コネクタは独自形状

イヤピースは、シリコンイヤピース(L/M/Sサイズ)と、コンプライフォームイヤピース(Mサイズ)が付属する。シリコンイヤピースは一般的にカナル型のイヤホンに付属してくるものとそれほど差はないのだが、コンプライフォームイヤピースは独特の付け心地だ。

左からコンプライフォームイヤピース、シリコンイヤピース(L/M/Sサイズ)の順

コンプライフォームイヤピースは、全体が一種の低反発素材でできている。装着時には全体を潰して小さくする。すると、耳の穴の中で、耳の穴の形状に膨らんで、高い密閉性を発揮する。音のエネルギーが逃げにくいため、低域再生を重視する人はこちらを使用したほうがよいだろう。

左が通常のサイズのコンプライフォームイヤピースで、右が潰した状態

次回に続く

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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