【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

100 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)

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ハイレゾ音源をヘッドホンで楽しもうと思った場合、意外と手軽に環境を整えることができる。では、スピーカーでハイレゾ音楽を楽しむ場合はどうだろうか。

スピーカーでハイレゾ音源を聴く場合の環境

スピーカーでハイレゾ音源を楽しむのに必要なものを並べてみよう。まずは、ハイレゾ音源に対応したプレーヤー。続いてDAC、アンプ、スピーカーということになる。

プレーヤーはPCでもかまわないし、ネットワークメディアプレーヤーや、専用のプレーヤーを利用してもかまわない。ただし、プレーヤーによって出力の形態が異なるので注意が必要だ。PCを使用する場合、USBポートでUSB DACに接続するスタイルをとるのが一般的だ。専用のプレーヤーやネットワークメディアプレーヤーの場合、DACとは同軸、または光デジタルオーディオケーブルで接続する場合が多い。DAC側でこれらの入力端子を装備しているか、装備していても、その入力が自分が使用したいサンプリングレート・量子化ビット数に対応しているかをチェックする必要がある。

アンプは、DACのアナログ出力と接続する。ハイグレードモデルでは外部ノイズの影響を受けないバランス接続が採用されていることが多いが、普及機はアンバランス接続だ。

これらのうち、既に所持しているものがある場合、例えばアンプとスピーカーはあるという場合には、DACとプレーヤーさえあれば、スピーカーでのハイレゾ音源の再生環境は構築できることになる。

一から手軽に揃えたいのなら、DAC内蔵アンプというチョイスも

オーディオシステムをこれから揃えようという場合、DAC内蔵アンプは手軽なチョイスだ。ティアックの「NP-H750」や、東和電子の「NANO-UA1」、ソニーの「UDA-1」などのリーズナブルなモデルもリリースされている。いずれもハイレゾ音源に対応したUSB DACを搭載する小型のプリメインアンプだ。

そのなかから今回は、2013年10月に発売された「UDA-1」をお借りしたので、これを使用した手軽なシステムを試してみたい。

「UDA-1」

「UDA-1」の外観は、一般的なハーフサイズのプリメインアンプに近い。フロントパネルにはUSBポートとヘッドホンジャック、各種インジケーター、INPUT SERLECTORボタン、ボリューム、電源スイッチが配置されている。ヘッドホンジャックは6.3mmの標準ステレオジャックだ。INPUT SELECTORボタンは、押すたびに入力が1つずつ変わっていくタイプで、ダイレクトに入力を切り替えるにはリモコンを使用するしかない。インジケーターは、現在の入力を表示するものと、ハイレゾ信号が入力されているときに、その種類を示すものが配置されている。

ハイレゾ信号が入力されると、その種別のインジケーターが点灯する

背面パネルには各種接続端子が配置されている。シンプルなモデルなのだが、入力の種類は豊富で、これが高い汎用性を生んでいる。一番左の列はデジタル入力で、上からUSBポート、同軸デジタル、光デジタルの順に並んでいる。USBポートだけでなく、同軸・光のデジタル音声入力端子からも192kHz/24bitの再生が可能だ。また、USBで接続した場合、DSDの再生にも対応している(2.8MHz/5.6MHz)。なお、フロントパネルにもUSBポートが配置されているが、こちらはリニアPCMの48kHz/16bitまでしか対応していない。

「UDA-1」のリアパネル

その右側にあるのは、アナログの音声入出力端子だ。それぞれ1系統装備している。その右がスピーカー端子だ。スピーカー端子はネジ式のターミナルで、バナナプラグにも対応している。スピーカー端子の下には、イコライザーのオン・オフスイッチが配置されている。このイコライザーは、UDA-1の推奨スピーカー「SS-HA3」に特性を合わせるためのもので、それ以外のスピーカーを使用する場合はオフにしておく。

ソニー「UDA-1」を使用したシステム

今回、「UDA-1」をお借りしたところ、推奨スピーカーの「SS-HA3」も一緒に送られてきたので、まずはこの組み合わせを試してみよう。

「UDA-1」と推奨スピーカーの「SS-HA3」

「SS-HA3」はアルミキャビネットを採用したコンパクトな2Way・3スピーカーのブックシェルフ型。キャビネットの前面と上面に配置されているスーパーツイーターが外見上の大きな特徴となっている。

前面と上面にスーパーツイーターが配置されている

スピーカーの背面にはバスレフダクトと接続端子が配置されている。接続端子は大型のネジ式ターミナルだが、「UDA-1」のものとは異なりバナナプラグには対応していない。

「SS-HA3」のスピーカーターミナル

「UDA-1」と「SS-HA3」、PCを接続し、専用のドライバーをインストール。すると、ASIOドライバーが使用できるようになる。プレーヤーには、foobar2000を使用している。

専用ドライバーをインストールするとASIOを利用できるようになる

この状態で、192kHz/24bitのサウンドを聴いてみると、当然のことながら、ヘッドホンで聴いたときに比べて広がり感は強い。SS-HA3に装備されている2本のスーパーツイーターは特に指向性を広く取るように設計されたものだ。セパレーションも高く、コンパクトなスピーカーのため定位もしっかりとしている。ボーカルも非常にリアルに聞こえる。

では、この組み合わせ以外ではどうなのだろうか。手元にあったJBLの「4305H」を接続してみる。「SS-HA3」よりも中低域が前にでてくるようなサウンドで、さらに広がり感も「SS-HA3」のときよりも高く感じられる。コンプレッションドライバーとホーンの効果なのだろう。「SS-HA3」の場合、縦方向の広がりが強く感じられたのだが、「4305H」の場合は、横方向の広がりがより強く感じられる。どちらかというと、こちらのほうが自然な感じだ。

他のスピーカーと組み合わせも楽しい「UDA-1」

「UDA-1」はエントリークラスの製品だが、DAC部分とアンプ部分のいずれにも、決して手抜きはない。出力23W×2と、あまり大きなドライブ力を持っているわけではないのだが、手持ちのシステムで、スピーカーの効率が極端に低くない場合には、アンプを「UDA-1」に置き換えるだけでも十分に満足できるサウンドを実現できるだろう。また、「SS-HA3」との組み合わせは素直で高バランスなのだが、それ以外のスピーカーとの組み合わせもいろいろと楽しめそうだ。

DACとアンプをそれぞれ揃えるよりも、シンプルで使い勝手のよいシステム

PCにアドオンするだけで、ハイレゾオーディオ環境を構築できるのがDAC内蔵アンプの大きなメリットだ。スピーカーだけでなくヘッドホンでのリスニングも1台でこなせ、PC用以外の入力も充実するなど汎用性の高さもポイントだ。

単体のDACとアナログアンプを接続したシステムの場合、必然的に操作系が2つに分かれてしまう。それに対して、DAC内蔵アンプでは、ヘッドホンで聴くときもスピーカーで聴くときも、操作は同じで使い勝手が高い。また、設置スペースやケーブルの引き回しなどについてあまり考慮せずに済むのも利点だ。

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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