今回は、なるべく手軽にハイレゾ環境を体験してみる記事の2回目だ。前回の記事では「e-onkyo」でハイレゾ音源を体験してみるところまで行ってみた。44.1kHz/16bitの音とハイレゾの音の違いがなんとなくでも感じられただろうか。

実のところ筆者はあまりぴんとは来なかった。理由は、試聴用に提供されている楽曲になじみが薄いのと、やはり再生環境がリッチでない点だろう。

「e-onkyo」でダウンロード購入

e-onkyoサイト

まずは楽曲のほうから何とかしていこう。e-onkyoでサンプリングレートが192kHzの楽曲を検索してみると、2013年11月12日現在で404件のアルバムがヒットした。ジャンルごとにみると、「ROCK/POPS」が56件、「SOUL/R&B」が57件、「JAZZ」が90件、「CLASSICAL」が157件、「WORLD etc.」が45件となっている。まだまだ大量というわけではないようだ。

192kHz/24bitの楽曲はまだ多くはない

「ROCK/POPS」ジャンルをみてみると、少し古めのアルバムが多いようだ。自分の持っているアルバムもいくつかあるようなので、その中からThe Style Councilの「カフェ・ブリュ」を選んでみた。1984年に発売されたアルバムだ。

なるべくなじみのある楽曲ということでこれをチョイス

購入は、楽曲単位またはアルバム単位で行うことになる。また、購入時にはファイル形式を指定する必要がある。このアルバムの場合、WAV 192kHz/24bit、またはFLAC 192/24bitだ。アルバム1枚の価格が3,000円というのは、CD以上の音質を考えれば妥当なのかもしれないが、一般的な音楽配信サービスに比べると高価だ。

購入ボタン、カートボタンとクリックしていくと、支払いのページに進む。支払いの手続きが完了すると、ダウンロードページに進む。

このあたりは、通常のネット通販と変わらない

ダウンロードはアルバム単位では行えず、楽曲を1曲ずつダウンロードするようになっている。少々面倒だ。また、ダウンロード期限は購入してから1週間となっている。

ダウンロードは1曲ごとで、アルバム単位で落とすことはできないようだ

アルバムの録音時間は44分だが、192kHz/24bitのWAV形式の場合、全体でのファイルサイズは2.84GBとなっている。ここまでくると、普通の音楽ファイルの感覚でポータブルプレーヤーなどに入れるのはサイズが大きい。なお、ダウンロードしたファイルには、特に著作権保護などはかけられておらず、普通に移動やコピーが可能だ。

音楽CDからリッピングしたものと比べると、ファイルサイズは約6倍

ハイレゾ音源に十分に対応していない再生環境の場合

さて、ダウンロードしたファイルはリニアPCM形式なので、PCでそのまま再生することが可能だ。

しかし、筆者が使用しているPCのオンボードサウンド機能は96kHz/24bitまでの再生までにしかに対応していない。そこで192kHz/24bitのファイルを再生した場合、普通に再生されてしまうのだが、これはもちろん192kHz/24bitで再生されているわけではない。サウンド機能が対応しているレートまでダウンコンバートされて再生されていることになる。

このダウンコンバートによりどれだけ音質に変化があるのかは、192kHz/24bitで再生できる環境が揃っていないのでなんともいえない。今回、e-onkyoからダウンロードした192kHz/24bitのファイルと、音楽CDからリッピングした44.1kHz/16bitのファイルを聞き比べてみたのだが、この環境でははっきりいって違いはわからない。というわけで、次はリッチでない再生環境のほうを何とかしたいと思う。

次回に続く