【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

90 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)

村田修  [2012/07/25]

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ソニーの「SRS-BTD70」は、Bluetooth 3.0に対応したワイヤレススピーカーだ。6月28日のニュース記事でも書いたように、7月20日に発売されたばかりの新製品だ。今回、製品をお借りしたので、レポートしたいと思う。

ソニーのBluetoothスピーカー「SRS-BTD70」

500mlペットボトル並みのコンパクトサイズとシンプルな操作体系

システムの構成は2.1chで、アンプはデジタル方式。実用最大出力は5Wだ。キャビネットは左右が非対称形状のワンボックスタイプ。左右のスピーカーの間にサブウーファーが配置されており、フロントパネル中心の下側に開口部が設けられている。Bluetoothのプロファイルは、A2DP、 AVRCP、コーデックはSBCに対応する。また、SCMS-T方式のコンテンツ保護に対応しており、ワンセグなどの音声を聴くことも可能だ。なお、SRS-BTD70のBluetoothのバージョンは3.0だが、それ以前のバージョンの機器ももちろん接続することができる。

フロントパネルの下部にサブウーファーの開口部が設けられている

操作部分は右側にまとめられている。操作パネルはシンプルで、配置されているボタンは、電源スイッチ、ボリュームのアップ/ダウン、入力切り替え/ペアリングのみだ。電源スイッチは機械式のスライドスイッチで、「OFF」の位置にしている場合、待機電力は発生しない。入力切り替え/ペアリングボタンは、短く押すとBluetoothとアナログライン入力との切り替えが行え、長く押すとBluetooth機器とのペアリングが行える。ボリュームは、Bluetoothで接続されている機器だけでなく、ライン入力で接続されている機器の音量もコントロールできる。

シンプルな操作パネルは、本体の右側に

本体背面には、3.5mmステレオミニジャックの外部入力端子、ACアダプター接続用のDC INが配置されている。また、SRS-BTD70は電池での動作も可能で、電池ボックスは背面に配置されている。使用する電池は単3形×3本。写真ではアルカリ電池が使用されているが、Ni-MH(ニッケル水素)充電池も利用可能だ。

背面には、DCジャックと外部入力端子を装備。電池ボックスも装備する

ACアダプターは小型だが、プラグの折り畳み機構などは備えていない

ACアダプターは、単3形電池と比較した上の写真でも分かるように、かなり小さい。ただし、コードの巻き取り機構や、プラグの折り畳み機構などは搭載されていない。

本体のサイズはW206×D77×H63mmで、500mlのペットボトルと比較したのが次の写真だ。SRS-BTD70のほうがわずかに大きいが、だいたい同じサイズだと思って間違いない。なお、写真ではSRS-BTD70を縦に置いているが、これは比較のためで、SRS-BTD70は縦置きでの使用には対応していない。製品にはキャリングポーチが付属する。キャリングポーチには、500mlのペットボトルを入れることも可能だ。「だから何だ」と言われても困るが……。

500mlのペットボトルとのサイズ比較

付属のキャリングポーチにSRS-BTD70を収納したところ

2.1chながら低域の迫力よりも中高域の伸びと全体のバランスを重視したサウンド

SRS-BTD70は、フルレンジユニットとサブウーファーを組み合わせた2.1chのシステムだ。こういったスタイルから、同じサイズのスピーカーに比べて、低域を強調したサウンドを予想する人もいるかもしれない。

しかし実際に聴いてみると、良い意味で予想を裏切るサウンドだった。もちろん、低域が出ないというわけではないが、重低音ばかりを主張するようなサウンドでは決してない。使用しているアンプの特性もあるのだろうが、低域から高域まで伸びる再生レンジの広さが特徴的だ。

また2.1chではあるものの、サブウーファーが左右のユニット間に配置されていることで、音域による定位のズレが少ないことも、音楽を心地良く聴く上でプラスに働いている。とにかく、フルレンジユニットとサブウーファーとのバランスが絶妙で、まるで広帯域なフルレンジユニットを使った2chのシステムを聴いているかのような感じだ。

以下、測定結果のグラフを掲載したい。測定方法は単純で、Bluetooth経由でsin波を再生し、その出力を測定しているだけだ。1kHzで-12dBになるようにボリュームを設定し、他の周波数のレベルを測定している。

200Hz

440Hz

4kHz

8kHHz

10kHz

16kHz

20kHz

SRS-BTD70でホワイトノイズを再生したところ

「Creative D80」でホワイトノイズを再生したところ

4kHzでは高調波の影響からか間違ったピーク周波数が表示されているが、それ以外では、200Hz~16kHzまでピークの周波数が正しく表示されているのが印象的だ。さらに、20kHzのsin波を再生した際のグラフでも、ちゃんと20kHzの所に山が発生している。これは、今まで測定してきたBluetoothスピーカーにはなかったことだ。同じ条件でクリエイティブメディアの「Creative D80」で測定してみたところ、正しくピークが表示されたのは200Hz~4kHで、sin波の所に山が表示されていたのは、10kHzまでだった。

両者のホワイトノイズを再生したグラフを見てみると、低域に関してはそれほどの差はないのだが、D80では発生していた4kHzを超える辺りからの落ち込みがSRS-BTD70では見られず、高域までフラットに伸びていることが分かる。

SRS-BTD70は、サイズや価格的には、好きな場所に持ち運んで気軽に音楽を聴くのにピッタリのBluetoothスピーカーだといえるだろう。しかしそのサウンドは、いわゆる"お手軽な"製品というイメージではない。

確かに、総合出力5Wというパワーは、広いスペースでは音量不足を感じさせるかもしれない。しかしそのサウンドには、「それはさすがに大袈裟ではないか」を思われる方も多いかもしれないが、"ポータブルタイプだから"という割り切りは感じられない。

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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