【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

79 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術

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リアルサウンドラボ・ジャパンという企業名に馴染みのある一般の読者の方は、やはり少ないだろう。リアルサウンドラボは、CONEQという音響パワーイコライジング技術を開発した、ラトビアに本社を置く企業で、リアルサウンドラボ・ジャパンはその日本法人だ。

キリアルサウンドラボ・ジャパンブースでは、同社がハイエンドオーディオ向けに発売している音響パワーイコライザー「APEQ‐2pro DIO」のデモが行われている

家電チャンネルでは以前、「Inter BEE 2009」で、同社が出展したブースを取材している。CONEQの技術に関しては、当時の記事を読んでいただきたいが、要約すると、物理的なスピーカーがそれほど強力ではない環境でもモニタースピーカーなみの再生を実現する技術ということだ。また、CONEQのパラメーターはすべて、製品の出荷前に設定されており、ユーザーはそれらを意識することなく製品を使用することができる。

このところ、テレビの狭額化が進んでいる。狭額化は、デザイン面だけでなくテレビのフレームを目立たなくすることで、より映像に集中できるというメリットがある。だが、スピーカーのキャビネットに割ける容積が減ることで、音質的にはマイナスになるのだ。テレビメーカー各社ももちろん、限られた容積の中で最善を尽くしてはいるが、テレビのキャビネットに収まるサイズで高音質なスピーカーを実現しようとすると、その設計やチューニングには時間がかかる。そして、高価なユニットや複雑な機構の採用は、製造コストを押し上げることにもなりかねない。そこで、狭額タイプのテレビを中心に採用が増えてきているのが、このCONEQだ。CONEQでは、スピーカー前方の仮想的な半球上での測定結果をもとにイコライジングを行うのだが、同社によると、そのイコライザーのパラメーターを設定するのに必要な時間はわずか数時間で、スピーカー部分の設計を突き詰めるのに比べて、時間もコストも大幅に減少する。2009年に取材した際には、国内のコンシューマー向け機器でCONEQを採用しているのは、ケンウッドが発売したコンポ「K-521」という1製品のみだったが、現在はテレビだけでも、国内向けでは東芝の「REGZA」、日立の「Wooo」が採用しており、さらにパナソニックの海外向けモデルでも採用が進んでいる。

となると、気になるのが次の展開だ。「Inter BEE 2011」のリアルサウンドラボ・ジャパンブースで同社の担当者に話を聞くと、「テレビメーカーが製品にCONEQを採用することで、狭額デザインと高音質とを両立することができます。国内でも、テレビやホームオーディオ機器などを中心にCONEQの採用が進んできていますが、既に薄型テレビを購入しているユーザーも数多く存在します。今後はこれらのユーザーに向けて、バースピーカーなどの製品でもCONEQを展開していきたいと考えています」とのことだ。このところ製品の発表が相次いでいるバースピーカーだが、CONEQを採用することでよりデザインの自由度が上がり、また小型化も可能になる。さらに同社では、テレビ以上にスピーカーキャビネットの容積が限られる、タブレット端末やヘッドホンなどにもCONEQを拡げていきたいと考えているとのことだ。

CONEQに対応したヘッドホンというと不思議な感じがするが、パッシブ動作をするヘッドホンにCONEQ技術を採用するのではなく、プレイヤー側に組み込む形になるとのこと。ヘッドホン出力にCONEQ技術を導入することで、低価格なヘッドホンの再生能力を高めることが可能になるだけでなく、ハイグレードなヘッドホンでもよりフラットな特性での再生が可能になるようだ。テレビやバーシアターなどの場合、内蔵しているアンプとスピーカーとは1対1で対応している。そのため、CONEQのパラメーターもピンポイントで決めることが可能だ。それに対してプレイヤーのヘッドホン端子には、さまざまな特性のヘッドホンが接続される可能性がある。CONEQでは、ユーザーに測定やパラメーターの設定を行わせるようにはなっていないため、ヘッドホン出力にCONEQ技術を採用する場合、比較的広い範囲(接続するヘッドホンの特性)に対応できるパラメータ設定になる見込みだ。

プレイヤーだけでなく、ヘッドホンアンプなどにも採用例が出て来れば、さらに楽しそうだ。いずれにせよ、今後さらに増えるであろう、CONEQ採用製品は注目必須である。

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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