【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

75 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」

 

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クリエイティブメディアが発売したZiiOは、Android OSを採用したエンターテインメントタブレットです。使用しているOSとタブレットという形状から、情報端末的な製品と思われがちですが、端的に言ってしまえば、ZiiOは、メディアプレーヤーです。ZiiOの起動画面は、次の写真のようになっています。画面下の部分には、音楽再生のための「ZiiMusic」、動画再生のための「ZiiVideo」、写真表示のための「ZiiPhoto」、そしてブラウザのアイコンが並んでいます。要するに、これらが、Ziioのメインの用途ということになるのでしょう。

エンターテインメントタブレット「ZiiO」。音楽や動画再生をメインとしたホーム画面

そういったたぐいのことならば、スマートフォンでも十分という意見もあるでしょうが、ZiiOには、スマートフォンとは違った、プレーヤーとしての特徴をいくつかもっています。まず、そのひとつが、スマートフォンに比べて、画面サイズが大きいという点です。ZiiOには、7インチモデルと10インチモデルとがありますが、今回お借りしたのは7インチモデルです。こんな画面サイズのスマートフォンは、もし存在したとしても、非常に使いにくいものでしょう。もうひとつの特徴が、高音質/高画質という点です。これに関しては、筆者が使用しているEMOBILEのS31HTとの比較ということになりますが、かなりの違いを実感できます。

7インチモデルのZiiO。隣のEMOBILEのS31HTと比べると、画面のサイズの大きさがわかる

それはそれとして、まずはZiiOの外観から。表面には、タッチ式のディスプレイ、その下に、左から「検索」「ホーム」「メニュー」「戻る」のタッチ式のメニューボタンが並んでいます。このボタンは表示が薄く、また、バックライトなどもないため、かなりの頻度で押し間違えます(これは、筆者がS31HTユーザーだからかもしれません。ZiiOとS31HTとで同じ機能のボタンが配置されているのですが、並び順が異なります)。上面には、電源スイッチ、ヘッドホンジャック、miniHDMIコネクタ、USBポートが並びます。HDMIケーブルは市販のminiHDMI→HDMIケーブルを用意すればOKでしょう。USBポートは、スマートフォンなどでよく採用されているマイクロコネクタではなく、ミニBタイプです。左側面にはmicroSDカードスロットが、右側面にはボリュームコントローラー、下面にはACアダプタ用のコネクタとステレオスピーカーが配置されています。

ホームボタンやメニューボタンなどの表示はもう少し目立たせた方が

一般的なミニBタイプのUSBコネクタを装備する

動画ファイルや大量の音楽ファイルを入れるなら、microSDカードでストレージの容量を増やしたほうがよい

普通のデジタルオーディオプレーヤーと変わらない操作性

ZiiOをPCにUSBで接続すると、次のような画面が表示されます。ここで「マウント」を選ぶと、PCからのファイル操作が可能になります。なお、マウント中は、音楽、ビデオの再生は行えません。PCにマウントしたら、music、videoなどのフォルダにファイルをコピー、音楽やビデオの再生準備は、それだけです。WindowsMediaPlayerなどで取り込んだ楽曲の場合、ジャケットイメージも転送され、ZiiO上で利用できます。再生可能な音楽ファイルの形式は、MP3/AAC/WMA9/FLAC/OGG/MIDI/WAV/Audibleです。ZiiOの内蔵メモリーのサイズは8GB、または16GBなので(8GBモデルの場合、実際にユーザーが使用できるのは5GB程度)、大量の楽曲やビデオファイルなどを入れておきたい場合には、microSDカードによるストレージの拡張は必須でしょう。

ここで「マウント」を選ぶと、PC側から、ZiiOにアクセス可能になる。音楽やビデオの転送は、ファイルをコピーするだけでOK

ZiiMusicの最上部には、曲一覧/アーチスト一覧/アルバム一覧/最近追加したアイテムといったボタンが並びます。一番左のボタンはX-FiとBluetoothの設定です。圧縮時に失われた音楽成分を補間する「Crystalizer」、音の拡がり感を強調する「Expand」の2種類のエフェクトが利用でき、「詳細」を選ぶことで、それぞれの効果の強さも調節できます。ちなみに、これらの効果をすべてオフにした状態で聞いてみても、S31HTよりも高音質ではあります。筆者の印象では、ZEN X-Fi2>ZiiO>ZEN X-fi>S31HTといった順番です。こういった端末なので、今後のアップデートなどにより、さらなる音質向上も期待できるかもしれません。

標準の音楽再生アプリZiiMusic

X-FiやBluetoothの設定もZiiMusicから行える

サイズだけでなくコマ落ちしにくいビデオ再生

ビデオの転送の方法も、音楽ファイルと同じです。対応ファイルはH.264、MPEG-4、WMV9、MOV、AVI、MKV。MPEG-2には対応していないので、DVDをリッピングしたものなどは、対応しているファイル形式に再エンコードする必要があります。ZiiO 7"の画面解像度は800×480。(ZiiO 10"は1024×600)なので、解像度に関してはそのままでOKです。7インチという画面は、車載用テレビやポータブルDVDプレーヤーなどでは一般的なサイズで、家庭用のテレビに比べればさすがに小さいですが、それでも、個人で見る分には、許容範囲ではないかと思えるサイズです。スマートフォンや、ポータブルプレーヤーなどの2.5~3.5インチ程度の画面とは、かなりの開きがあることは間違いないところです。また、動画再生能力の高さも、大きなポイントです。ビットレートが700kbps程度のm4vファイルを再生した場合、ZiiOではまったくコマ落ちが感じられなかったのに対して、S31HTでは、動きの多い部分などで、かなりコマ落ちが見られました。S31HTに700kbpsは無いだろう、というのはもっともな話なのですが、ZiiOの動画再生能力の高さがうかがえます。

動画再生能力はS31HTに比較すると高い

webブラウジングも高速

webブラウジングの速度は許容範囲でしょう。筆者はAtom N270を積んだネットブックを使用しているのですが、それと比較してもZiiOの方が快適です(これはOSとブラウザの差もあると思うのですが)。また、画面の小さいスマートフォンとは異なり、表示画面を拡大する必要がほとんどないため、ストレス無く使用できます。もちろん、Androidの2.1まではFLASHに対応していないため、FLASHを使用したページを表示できないという問題があります(2.2を搭載しているS31HTでも、FLASH Liteなので、表示できないサイトはやはり表示できないのですが)。FLASHを使用したサイトというと、ニコニコ動画が有名ですが、これに関しては、Android用のニコニコ動画再生アプリを使用すれば、それなりに再生できます。ただし、その場合の速度が、S31HTだと、かなりかくかくというか、途切れるのですが、ZiiOではそのようなことが少なく、かなり快適です。同じネットワークにつながっているので、環境自体は同一。唯一異なるのは、再生している機器だけなので、これは機器による違いということなのでしょう。動画再生の能力だけでなく、無線LANでのファイル転送の速度にも違いがあるようで、そこが再生品質の違いに結びついているようです。

速度的にも快適なwebブラウジングが十分に可能

専用の動画再生アプリを使用すると、ニコニコ動画もそれなりに再生する。今回使用したのは「Nicoro α版

ZiiOのとりあえずのまとめ

ZiiOは、感覚としては、0スピンドルのポータブルDVDプレーヤーにネットワーク機能が搭載されているとといった使い勝手です(0スピンドルなDVDプレーヤーなどというものは存在しないのですが、感覚的にはこのような感じ)。また、ネットワークも含めて、処理速度もそれなりに高く、ソファーやベットでリラックスしながらwebブラウジングといった用途では、下手なノートPCよりも快適に使用できます(軽さと、コンパクトさ、ファンレスといった点も大きい)。ZiiOは、音楽、動画、そしてwebサイトなどといったコンテンツを再生するためのプレーヤーとしては、なかなかバランスの取れた製品だといえるでしょう。今回は、とりあえず、ZiiO本体のみを使用した印象ですが、ZiiO 7"は、apt-X対応のBluetoothを搭載しており、周辺機器との、高品位なオーディオ伝送も可能です。同社からは、apt-Xに対応したヘッドホンや外部スピーカーなどもリリースされているのですが、それらとの組み合わせについては、次回以降でお伝えしたいと思います。

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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