【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

65 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)

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ハーマンインターナショナルといえば、JBLやAKGといった、国内でもよく知られるブランドを持つオーディオメーカー。今回、同社の試聴室で最新のJBLスピーカーを聞くという、なかなかない機会を得ることができたので、その結果をレポートしてみたいと思います。実際に聞いてみた音の特徴、印象といったものについて、一般的な範囲で進めていきたいと思います。

試聴室に並べられていたのは、「ON STATION MICRO II」「SAS100」「4319」「Project EVEREST DD66000」の4製品です。ON STATION MICRO IIは、iPod/iPhone用のドックスピーカーで、SAS100は、スタイリッシュなミニコンポ、4319は、今年の3月に発売された、43xx系モニタースピーカーの最新モデル、そしてEVERESTは、JBLが60周年記念モデルとして、2006年にリリースした、同社のフラッグシップモデルです。前編の今回は、カジュアルなシステムON STATION MICRO IIとSAS100に付いてお送りいたします。

軽快なサウンドで、聞く人をリラックスさせるON STATION MICRO II

最初に試聴したのが、4月に発売されたばかりの新製品、ON STATION MICRO IIです。新たにiPhone 3Gに対応し、グリルのカラーをシルバーからブラックにしたというのが、従来モデルからのおもな変更点です(ほぼ同じ仕様で、ウォークマン用のモデル「ON STATION MICRO III WM」も販売されています)。25mm径のネオジウムユニットOdysseyを、総合出力4Wのデジタルアンプで駆動するワンボディタイプのiPod用アクティブスピーカーで、4製品の中では(JBLブランドの中でも)、ローエンドのモデルということになります。

こういった、コンパクトなシステムの話になると「サイズからは想像もできないような、しっかりとした低域」といったような常套句がよく使われますが、筆者が聞いた限りでは、小さいシステムで、小さいシステムとしての方向と目的で作られたサウンドという感じです。中域の軽快さとJBL製品すべてに共通する明るいキャラクターの組み合わせが、そういった印象を生み出しているのでしょうか、非常に聞きやすいサウンドです。普通の音量で聞いている場合、重低音という感じでは決してありませんが、無理にブーストさせている感じではなく好印象です。もちろん、ある程度ボリュームを上げれば、低域の量感も感じられます。比較的大きな音で慣らしているときの方が、よりJBLっぽい、ライブ感の強いサウンドになるといった感じはします。また、大音量で鳴らしている場合でも、ソースとして使用しているiPhoneが、ただ、上に乗せられているだけにもかかわらず、音楽の邪魔になるような余計な振動は感じられませんでした。

キャビネットの筐体が、ドーナッツ型とでもいうのでしょうか。この形状と、斜め上方に向けられたユニットの配置により、リスニングエリアは広めです。リスニングポイントを変えてみても、それで音のバランスが崩れるということはありませんでした。システムの存在を気にかけることなく、日常的に部屋に置いておいて、BGM的に音楽をかけるという、そういったスタイルの中で、より魅力を発揮するシステムという印象でした。

JBLのスピーカーとしてはローエンドモデルとなるON STATION MICRO II。ローエンドでも、JBLのキャラクターは感じられる

この形状とユニットの配置により、リスニングポイントを選ばない

スタイルのよさだけで語るには惜しい正統派のシステムSAS100

続いて試聴したのがSAS100です。アンプ、コントロールユニット、スピーカーで構成されるミニコンポスタイルのシステムです。スピーカーは、2ウェイ構成で、同社としては珍しく、ウーファーに125mmの平面ユニットが採用されています。ツイーターは25mmのドーム型ユニットで、ウェーブガイドと呼ばれるショートホーンに取りつけられています。ウェーブガイドは、高域の指向性を改善するとともに、ウーファーとツイーターの振動板の位置を揃えることで、低域と高域のの音のつながりを良くするという目的があるとのことです。アンプは出力130Wのデジタルアンプ。コントロールユニットには、CDプレーヤーとFMチューナー、iPod用のDockを接続するためのコネクタを装備。イルミネーションが施された半透明なアンプのボリュームや、タッチパネル式のオペレーションを採用した、モノトーンなシンプルなデザインも大きな特徴となっています。

ON STATION MICRO IIでは、ソースにiPhoneに保存されている128kbpsのAACファイルを使用したのですが、SAS100はせっかくCDが装備されているので、CDで聞いてみました。SAS100を聞いてみた印象ですが、ON STATION MICRO IIに比べて、軽快感は減少しています。しかし、ソースの違いもあるのでしょうが、音量を抑えめにしている状態でも、例えばベースやドラムの音は、より前に出てくる、躍動感を感じるといった印象を受けました。

ミニコンポスタイルと、そのデザインから、インテリア的な側面が語られることが多いSAS100ですが、実際に聞いた感じでは、BGM用のシステムというよりも、もう少し真剣に音楽を聴くシステムといった感じです。以下、次回に続きます

スタイリッシュなシステム「SAS100」

平面ユニットを採用する、同社の製品としては異色の存在

Dockコネクタは、本体に装備されているのではなく、ケーブルで接続する別体式

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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