先日、日立よりWoooの2010年モデル、そしてパナソニックより、液晶VIERAのD2シリーズが発表されるなど、このところ各社よりDLNAクライアント機能を搭載したテレビが相次いで発表されています。

従来までは、DLNAのクライアント機能は、比較的大型のモデルに搭載されているケースが多かったのですが(ほぼすべてのモデルにDLNAクライアントを搭載するソニーのBRAVIAシリーズを除けば)、Woooの2010年モデルやVIERAのD2シリーズでは、19V型や22V型といった、小型モデルにもDLNAのクライアント機能が搭載されています。これらの小型モデルは、サイズや価格的にも、寝室やキッチンなどで使用するといった、2台目以降のテレビの要素が強い製品です。リビングに置かれる大型テレビの場合、接続されるレコーダーも、普通はそばにあるわけで、こういった小型のテレビにこそ、DLNAクライアントの意義は大きいといえるでしょう(もちろん、大型テレビでも、PC内のファイルを再生するといった使い道はありますが)。また、同じく、シャープが発表したAQUOSブルーレイの「BD-HDW55/53」には、DLNAのサーバー機能が搭載されています。同社では、現時点ではDLNAに対応したレコーダーをリリースしていませんが、今後は積極的に取り組んでいくとのことですので、こちらの方も楽しみです。

さて、今回は、DLNAクライアントで、PC内のファイルを再生する場合について、少し触れておきたいと思います。レコーダーで録画した番組は、レコーダーのHDD、あるいは、そのレコーダーが外部HDDに対応してるのならば、その中にあるはずで、そのレコーダーがDLNAに対応しているのならば、再生には何の問題もありません。それ以外のコンテンツ、例えば、デジタルカメラで撮影した写真屋、CDから取り込んだ音楽ファイルなどは、普通は、PCで管理しているのではないでしょうか。

各メーカーのDLNA対応テレビは、もちろんDLNAなので、PCなどに保存されているファイルの再生を行うこともできますが、基本的に自社のレコーダーをサーバーとして使用するというのが前提になっているようです。もちろん、SDメモリーカードスロットやUSBポート経由で物理的に接続してしまうというケースもあるでしょうが、せっかくネットワークに接続しているので、そこから使いたいところです。

いくつか例を見てみましょう。パナソニックのVIERAに搭載されている「お部屋ジャンプリンク」では、取扱説明書によると、同社のレコーダー「DIGA」のHDDに保存されている映像などをネットワーク経由で再生できるとだけ書かれています。しかし、PC内のファイルの再生については触れられていません(多分できるのでしょうが、どういったファイルに対応しているのかは不明です)。続いてソニーのBRAVIAの場合、基本的にはレコーダーからの再生ということになっているのですが、VAIO Media plus、あるいはVAIO Media Integrated Serverなどといった、VAIOにバンドルされているアプリケーションを利用することで、PC内に保存されたファイルも利用可能、とされています。東芝のREGZA(Z9000シリーズなど)では、LANハードディスクやPC内の共有フォルダに録画する機能を搭載していて、また、そこから再生を行うことも可能ですが、PC側で用意したコンテンツの再生に関しては、触れられていません。筆者の知る限り、テレビとしては唯一、日立のWoooでは、ユーザー登録を行うと、同社のwebサイトからDLNAサーバーソフト「CyberLink MediaServer」を無償ダウンロードすることが可能です。

なかなか面倒そうですが、これらの機器も基本的にDLNAクライアントです。Windows Media Player 11以降に含まれるWindows Media Conect 2.0では、DLNAクライアントからも再生が可能になっているので、これらのテレビからでも、PC内のファイル再生が可能なはずです。はずというのは、各クライアントでは、再生可能なコンテンツにも違いがあるためです。各テレビの再生可能なファイルを見てみると、ソニールームリンクでは、動画に関しては、VAIOにバンドルされるサーバー側でMPEG-2 PS形式にコンバートすることで、かなり広い対応が可能です。音楽に関しては、リニアPCM、MP3、WMA、ATRAC、AACなど、さまざまな形式に対応可能(iTumesから購入した楽曲にも対応)。静止画はJPEGだけでなく、BMPやGIF、TIFF、PNGにも対応します。東芝のREGZAの場合、DLNAクライアントとして動作させた場合には、サーバー側に保存されているMPEG-2形式の動画(音声フォーマットはリニアPCMかMP2)、JPEG形式の静止画が再生可能です。日立のWoooをクライアントとして使用した場合には、動画が、MPEG-2 TS(MPEG-2またはH.264)、MPEG-2 PS、音楽がリニアPCM、MP3、静止画がJPEGです。

このように、普通にPCがあるだけで、それなりのコンテンツがネットワーク上から利用可能です(デジタル放送を録画したもののように、著作権保護されたコンテンツを再生する場合には、DTCP-IPに対応したDLNAサーバーソフトが必要になります。VAIOのアプリケーションや、CyberLinl MediaServerなどはこれに当たります)。

ただ、動画や静止画の再生の場合には、テレビの画面で見ればOKなので、問題ないのですが、気になるのが、音楽ファイルの再生です。テレビの内蔵スピーカーのサウンドは、先日紹介した「LC-32SC1」のようにある程度本体のサイズが大きくないと、どうしても貧弱になりがちです。ある程度のサイズのテレビならば、それなりのクォリティにはなるでしょう。しかし、テレビのラインアウトからの出力を、専用のオーディオシステムなどに持って行ければ、さらに好結果が期待できます。テレビの近くにアンプやスピーカーが設置されているというケースでは、これを利用したいところです(そうなると、テレビはただのネットワークメディアプレーヤーになってしまいます)。