先日、シャープのLED AQUOSの「LC-32SC1」を視聴する機会に恵まれました。AQUOS Sシリーズはは、LEDバックライトを搭載しながらも、ハイグレードモデルではなくスタンダードクラスの製品。そのなかでも最小モデルが、今回お視聴したLC-32SC1です。

32V型というサイズは、現在では、パーソナル向け、あるいは2台目以降のテレビ向けという要素も持つクラスといわれています。メーカーによっては、明らかに、32V型をパーソナル向けモデルとして販売しているケースもあります(ただし、シャープでは、純粋にパーソナル向きのモデルは26V型以下としているようです)。

20V型の20C2000と32V型のLC-32SC1を同じ場所で撮影してみた

筆者が現在使用しているテレビは、東芝のREGZA 20C2000。2007年モデルの20V型液晶テレビです。この20C2000と、LC-32SC1を同じ場所においてみたのが上の写真です。かなり、大きさに差があるという印象を受けます。ところが、20V型と37V形とでは、その幅の差は27cm程度しかありません。筆者は、幅120cmの棚に、20V型のテレビとBDレコーダー、そしてネットワークメディアプレーヤーを並べて使用しているのですが、ネットワークメディアプレーヤーを、BDレコーダーの上に重ねてしまえば(まぁ、軽いので問題ないでしょう)、この幅でも置くことは可能です。

普通に地上デジタル放送を視聴している際に表示されたLC-32SC1の消費電力。だいたい27W~28Wあたりを上下していた

テレビのサイズが大きくなれば、消費電力も気になるところです。サイズが20V型から37V型になると、画面の面積は約2.4倍に増えます。同じ明るさにするために必要な電力も当然増えることになります。しかし、LC-32SC1は、バックライトにLEDを採用しているうえに、UV2A液晶パネルを採用しています。UV2Aパネルは、従来のパネルに比べて、開口率が高いため、より少ない光量で、同じ画面の明るさを得ることが可能です。定格の消費電力を比べてみると、20C2000は97W、それに対して、画面サイズの大きいLC-32SC1は、約60Wとなっています。で、実際に地上デジタル放送を受信している際の消費電力を測ってみたところ、20C2000の消費電力は87Wと、定格に近い値だったのに対して、LC-32SC1の消費電力は、27Wという、定格消費電力の半分以下という値となってしまいました。これについて、シャープ聞いてみたところ「定格の消費電力は、MAXの状態での消費電力なので、映している内容によっよっては、そういった半分以下の値が出るケースもある」とのことでした。いずれにせよ、少し前の20V型の液晶テレビに比べても、1/3程度の消費電力で動作していることになります。

サイドに開口部が設けられた内蔵スピーカー。ステレオの臨場感は、なかなかのもの

付属のリモコンは、必要十分な機能のみが表面に配置されているタイプ。表面にあるボタンは大きめ

設置場所と、消費電力という問題をクリアすれば、あとはパーソナル向けとしては大きな画面による、迫力を楽しめばよいだけということになります。映像の迫力は、20V型に比べると圧倒的です(今回は製品化前のモデルのため、映像の質についてのチェックは行っていませんが、コントラスト感の高い映像が印象的です)。またサイズが大きくなったことにより、左右のスピーカーの距離が広がり、その分、音に関しても臨場感が向上しています。

ただ、困ったことに、テレビのサイズというのには慣れが生じます。つまり、大きなテレビは、最初は大きく感じるのですが、すぐにそのサイズに慣れてしまって、それが当たり前だと感じるようになってしまいます。今回借用したのは、実質的に3日間だけだったのですが、それでも当初の大きいという印象はすぐに薄れてしまい、2日目ぐらいには、そこにあるのが当たり前のようになっていました。せっかく今まで20V型で満足していたのに何ということでしょうか。

本文では触れていないが、背面に2系統のHDMI入力を備えるほかに、右側面にも1系統のHDMI入力を装備する。ポータブル機器などの接続に使えそうだ