多くのメーカーでは、32V型よりも小さいサイズのテレビは、パーソナル向け、あるいはセカンドテレビ向けという位置づけになっています。寝室やキッチンなどに設置する2台目以降のテレビということなのですが、新しくテレビを購入した場合、それまで使っていたテレビを、セカンドテレビとして使用するのも手です。

上に置かれているのは、アイ・オー・データ機器のネットワークメディアプレーヤー「AVLP2/G」で、その下がバッファローの「LT-H91」。一番下は、ソニーのBDレコーダー「BDZ-T75」。ネットワークメディアプレーヤーが2台というのもいいかげん無意味なのだが…

地上デジタル放送がスタートしたのが2003年12月1日、当時はまだ薄型テレビの普及もそれほど進んでいませんでしたが、JEITAの発表によると、今年4月末での地上デジタル放送に対応した受信機の累計出荷台数は5000万台を越えています。新しモノ好きの方々の中には、すでに購入してから5-6年経過したデジタル放送対応テレビが、メインテレビの役割を終えて、セカンドテレビとして使われているというケースも多いのではないでしょうか(もちろん、アナログ放送のみに対応するテレビにデジタルチューナーをつけてセカンドテレビとして使用しているというケースもあるでしょうが、最初からデジタルチューナーが内蔵されているテレビを使ってしまうと、額縁表示や、操作性の面でつらいものがあります)。

そういった、少し前のテレビと、現行の中小型の薄型テレビとでは、テレビを見るという点に関しての機能面での差はあまりありません。もちろん、現行モデルでは、番組表が見やすくなったり、倍速液晶を採用していたりというのはありますが、少し前のテレビが、セカンドテレビとしても使用に耐えないというような決定的な差ではありません。セカンドテレビとして使うのに、唯一問題になると筆者が思うのは、録画した番組の視聴です。これはテレビ側が悪いというわけではなく、保護機能の搭載によるものなのですが、それでも不便であることには変わりはありません。

その不便をある程度解消するのが、ネットワークメディアプレーヤーで、DLNAサーバー機能を搭載したレコーダーか録画機能付きテレビ、あるいはデジタルチューナーを搭載したPCが必要になります。

これらの条件を満たしているのならば、別の部屋に設置されているネットワークメディアプレーヤー機能を搭載したテレビ、またはPCで(PCの場合、HDCPに対応したディスプレイとビデオカード、DTCP-IPに対応したクライアントソフトが必要)、録画されている番組を再生することが可能です。

標準で、ネットワークメディアプレーヤー機能が搭載されているテレビは、現行モデルでは、ソニー「BRAVIA」、東芝「REGZA」のZX8000/ZH8000/Z8000に、パナソニック「VIERA」のZ/Vシリーズ、日立製作所の「Wooo UT800/770」シリーズなどといったところです。リビングなどに設置されるメインのテレビは、レコーダーもその近くに設置されるケースが多いはずです。それらに比べて、単独で設置されるケースが多いセカンドテレビ向けのモデルのほうが、ネットワークメディアプレーヤー機能のニーズは高いのではと思うのですが、どうなのでしょうか(REGZAとWoooは、DLNAのクライアントとなるよりも、サーバー側として使う使われるケースが多い性格の製品なので仕方がないかもしれませんが)。いずれにせよ、今回は、少し前のテレビを、という話ですので、内蔵のものではなく、外付けのネットワークメディアプレーヤーを利用することにします。

幸いなことに、レコーダー側は、DLNAサーバー機能を搭載するモデルが増えてきています。現行モデルでは、ソニーでは、すべてのBDレコーダーが搭載してますし、パナソニックの「DIGA」ならば、ダブルチューナーモデルの「BW950」「BW850」「BW750」が搭載しています。また、東芝「VARDIA」では、Eシリーズ以外にDLNAサーバー機能が搭載されています。

こういった状況なので、これらと、DTCP-IPに対応したネットワークメディアプレーヤーを組み合わせれば、リビングに設置したレコーダーに録画されている番組を、別の部屋からでも見ることができるわけです。DTCP-IPに対応したプレーヤーで、比較的入手が簡単なのは、アイ・オー・データ機器の「AVeL Link Player(AV-LS500VX)」と、バッファローのLT-H90/91シリーズでしょう。AV-LS500VXとLT-H91はアクトビラにも対応しているので、ここでもまた、少し前のテレビの機能拡張が可能です。どちらも、2万円弱程度で購入できる製品なので、新しくセカンドテレビを入手することを考えればリーズナブルです。

というわけで、ネットワークメディアプレーヤーがスタックされている環境というのもどうかと思うのですが、筆者はLT-H91を購入しました。次回、このLT-H91とDLNAサーバー機能を搭載したレコーダーのセットでの使い勝手についてレポートしてみたいと思います。