4月に発売されたウォークマンのフラッグシップモデル「X」シリーズ。デジタルノイズキャンセリングシステムやワンセグ、FMチューナー、Webブラウザなど、豊富な機能を備えています。今回は、「NW-X1060」を使ってみた印象などをレポートしたいと思います。まず、今回は操作性と付属機能の面からです。

ソニースタイル限定モデルのウォークマン NW-X1060/BI(アイスブラック)とVAIO Type C(ブラウンクロコダイル)

多機能さを意識させないUI

Xシリーズのメニュー画面
「FMラジオ」「ワンセグ」「YouTobe」「静止画表示」「音楽」「ビデオ再生」「ノイズキャンセリング設定」「ポッドキャスト」「webブラウザ」「各種設定」

上部には「再生/一時停止」など、基本操作のためのボタンが並ぶ

側面には、ノイズキャンセルのオン/オフボタンとボリュームコントロ-ラーを装備する

Xシリーズは、多機能なわりには、本体に操作のためのボタンはあまり装備されていません。ほとんどの操作は、タッチパネルで行うというスタイルになっています。また、「オプションメニュー」の存在により、メニューツリーの構造を意識しなくても、ほとんどの機能を使うことが可能となっています。オプションメニューは、画面右下のアイコンを選択すると、そのとき行っている操作にあったメニューが表示されるというもので、Windowsのショートカットメニューに近い感覚です(ただしXシリーズのオプションメニューのほうが、WIndowsのショートカットメニューよりも、カバーしている範囲が広いという印象を受けます)。例えば、イコライザや音質などの設定は、トップメニューから「各種設定」を選択して行うこともできますが、トップメニューに戻らなくても、オプションメニューを開いて、そこで設定の変更が可能です。音楽を聴きながら、実際に効果を確かめつつ、イコライザのパターンを選択するといったことが可能です。

ノイズキャンセルに関しては、このメニューには含まれていませんが、本体のサイド部分に、ノイズキャンセルをオン/オフするための物理的なスイッチは搭載されているので、こちらはいつでも切り替えが可能です。

また、本体の下の部分に配置されている「HOME」ボタンを押すと、その時どのような操作をしていても、トップメニューに戻ります。一般的なプレーヤーだと、戻るボタンが付いていて、そのボタンを押すと、メニューのツリーを1つ戻るという動作をすることが多いのですが、どこからでもトップメニューに戻れるというのは、多機能なプレーヤーの場合、非常に便利です(操作している最中に、今、メニューのどこにいるのか混乱してしまうようなプレーヤーもある)。また、このメニューが軽く、さくさく動作する点も大きな利点でしょう。

音楽再生時のオプションメニュー

いつでもトップメニューに戻れる「HOME」ボタン

「各種設定」から「音楽設定」を選んで、細かな設定を行うこともできるが、音質関係の設定などは、プレイ中にオプションメニューから操作したほうが、効果がわかりやすい

ファイルの転送は?

音楽を聴くためには、まず、PCから音楽ファイルを転送する必要があります。Xシリーズは、USBマスストレージクラスに対応したデバイスで、PCに接続すると、その中身は右下の画面のようになります。この中の「MUSIC」フォルダに、音楽ファイルを転送するのですが、音楽ファイルなどのデータだけならば、付属のSoncStageを利用しなくてもOKです(SonicStageでプレイリストを作成した場合、SonicStageを使用して転送を行う必要がある)。

Xシリーズのデフォルト状態の内容

普通にファイルまたはフォルダをコピーすればOK

「SAMPLE PHOTO」のフォルダには、サンプル画像が、同じく「VIDEO」のフォルダには、サンプルムービーが収録されています。収録されているムービーの形式は、普通のWMVなので、そのままWindows Media Playerなどでも再生することが可能です。また、PCなどで録画したWMV形式のファイルも、ピクセル数やビットレートにさえ気をつければ、(Simple Profile/480×270 最大1700kbps、Main Profile/320×240 最大5000kbps)、そのまま再生可能です(ワンセグの録画機能で採用されているAVC形式(H.264)も再生可能)。

一般的なWMV形式のビデオに対応しているため汎用性が高い

高感度なFMチューナー

高感度なFMチューナーを搭載

FMチューナーは、デジタルオーディオプレーヤーに搭載されているものとしては、相当に高感度です。筆者は鉄筋の建物に住んでいるのですが、かなり電波状況が悪い場所です。この場所だと、他のプレーヤーに搭載されているFMチューナーは、基本的に使い物になりません。窓際に行ってアンテナの役目を果たしているヘッドホンのコードを目いっぱい伸ばした状態で、なんとか1局ぐらいは受信可能といったレベルです。ところが、Xシリーズに搭載されているFMチューナーは、そういったことをしなくても、4局ほどが受信可能でした。通勤/通学などの際に、電車やバスなどの中でFMを聞きたいという人にとっては、この高感度はありがたいところではないでしょうか。また、ワンセグチューナーも同じ環境で全チャンネル問題なく受信できています。

Webブラウズはできるが

搭載されているブラウザはNetFront。携帯電話や一部のテレビなどにも搭載されているものです。無線LANも搭載しているので、環境さえ整っていれば、XシリーズだけでWebブラウズを行うことができます。ネットワークの設定自体は、普通にアクセスポイントを選択して、無戦LANのセキュリティの設定を行うだけなので、それほど難しいことはありません。ただし、この画面サイズで快適なブラウジングができるかというと、当然ですがこれはやや無理があります。Webブラウズは、あると便利な付属機能の一つ、といった位置づけでしょう。

今回紹介したもの以外に、Xシリーズは、YouTube、ポッドキャストといった機能も搭載しており、付属機能については、フル装備といったところでしょう。ほかのプレーヤーに搭載されていて、Xシリーズに搭載されていない機能というと、ボイスレコーディング、外部ストレージの利用、ネットワークメディアプレーヤー機能ぐらいではないでしょうか。同社では、DLNAサーバー機能を搭載したBDレコーダーや、NETJUKEといったコンポもあるので、この辺りが搭載されるとさらに便利になるのではという気がします。

次回は、デジタルノイズキャンセリングヘッドホンと音質についてお送りする予定です。