【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

45 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング

 

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サラウンドシステムのセッティングというと、難しいというよりも、めんどうくさいと考える人が多いのではないでしょうか。5.1chのシステムでは、6本のスピーカーを配線しなければなりませんし、さらに、接続するAV機器を移動させたりする必要もあったりするため、知識や経験よりも(それもある程度は必要かもしれませんが、マニュアルを読めば何とかなる程度)、結局のところ体力勝負になってきます。

ところが、もう少し簡単なサラウンドシステムもあります。ドルビーバーチャルスピーカーなどを採用した、バーチャルサラウンドのシステムです。これらはたいてい2chから多くても3.1ch程度のスピーカーで構成されているので、5.1chのシステムに比べるとセッティングは楽なはずです。また機器自体も入門向きの構成になっているはずなので、さほど知識がなくても設置後の調整などは行えるようになっているに違いありません。ただ、サラウンドシステムとしての臨場感はどうなのでしょうか。気になるところではあります。

ちょうど先日、松下電器産業の2.1chサラウンドシステム「SC-HT2000」のセッティングを行うという機会がありましたので(従兄弟の結婚祝いにプレゼントしたのですが、ついでに記事も書いてしまうという寸法です)、実際はどうだったのか、お伝えしたいと思います。

松下電器産業のSC-HT2000はどんなシステムなのか

SC-HT2000は、昨年の7月に発売された製品で、ドルビーバーチャルスピーカーを採用した2.1chのサラウンドシステムです。同社の独自規格であるVIERA Linkにも対応しています。VIERA Linkは、同社の製品を使用しているのでなければ意味はありませんが、VIERA Linkは、HDMIにより機器のコントロールを行う規格なので、これが搭載されている機器のHDMIのバージョンは最低でも1.2aということになります。

スピーカーはスリムなトールボーイタイプ。これは、5.1chモデルのSC-HT5000に使用されている「TP80」を2.1ch向けにリファインしたもの(と同社では話していました)。高さを1100mm~1350mmの範囲で調整可能です。また、サブウーファーは「SC-HT08」でも使用されていたもの、それとAVコントロールアンプの組み合わせです。あくまでも2.1chシステムなので、リアやセンターのスピーカーの追加といったことは不可能です。

設置して即試聴 - SC-HT2000は手軽で思ったよりも使える

箱はでかいです。とくにスピーカー箱の幅は1m以上あります。それ以外にサブウーファーの箱とAVコントロールアンプの箱の計3個のダンボールが届きました。

まずは、スピーカーの箱からです。スピーカーは組立式で、スピーカー本体部分とスタンドの台座、スタンドの支柱から構成されています。スピーカーの支柱部分をスピーカー本体に差し込んで、ネジ止めするという構造になっています(この取り付け方法はマニュアルを見るまで分からなかったことを白状します)。スピーカーケーブルは、支柱の中に固定されているようですが、支柱自体はネジ止めされた金属のパイプといった感じなので、バラせば、ケーブルも交換できるのではないでしょうか。ただ、スピーカーケーブルを通す部分の穴の直径が小さいため、そのままではあまり太いケーブルは通りそうにありません。どうしても交換したいというのなら、リーマーなどで穴を広げてやる必要があるでしょう。もちろんこのあたりは自己責任になりますが。

箱の大きさに多少げんなりする

これがスピーカーに使用する部品

さて、設置予定の場所では、60cmほどの高さのステンレス製のラックの上に、日本ビクター製の37型の液晶テレビ(おそらくEXEのLT-37LC85)が設置されています。また、ビデオレコーダーは、東芝のVARDIA RD-E300です。

この横に、SC-HT2000のスピーカーを設置してみました。テレビは37V型ですが、60cm程度の台の上に設置されているので、スピーカーの高さを一番上に調節して、だいたいちょうどよい高さになります。

台の上に置いた37V型の液晶テレビにも高さは合わせられる

現在、この2台はHDMIケーブルで接続されています。DVDや録画した放送を見る場合、レコーダー側からテレビ側へHDMI経由で信号が流れることになります。SC-HT2000には、HDMIの入出力端子が各1系統と、デジタルオーディオ入力端子が光×2/同軸×1系統装備されています。これを接続する場合、テレビのデジタルオーディオ出力端子とHT-SC2000のデジタルオーディオ入力端子を接続する必要があります。これで、デジタル放送のMPEG-2 AAC信号のデコードが可能になります。さらに、レコーダーのHDMI出力をSC-HT2000のHDMI入力端子に接続し、SC-HT2000のHDMI出力端子をテレビのHDMI入力端子に接続します。これで、TSモードで録画した放送や5.1ch記録されたDVD Videoなどのデコードが可能になります。

さて、SC-HT2000には、これらの接続に必要なケーブルは含まれていませんので、別に調達してくる必要があります。この場合、必要になるのはHDMIケーブルが2本と、光デジタルオーディオケーブルが1本です(HDMIケーブルは既に1本あったので、新たに調達したのは1本のみ)。このSC-HT2000というサラウンドシステムは、手軽に使うことができるというのがポイントの一つになっている製品です。ならば、これらのケーブル(テレビとレコーダーを接続するぐらい)は、最初からパッケージに含めておいてもよいのではないでしょうか。

調達してきたケーブルで、テレビとSC-HT2000、レコーダーを接続、さらにサブウーファーを接続、最後に電源ケーブルを接続、実際のところ設置作業はこれだけでした。

HDMIケーブルと光デジタルケーブルを各1本調達

テレビの背面にあるデジタル音声出力端子に光ケーブルを接続(青いケーブル)。その右にある黒いケーブルはHDMIケーブルで、現時点ではレコーダーのRD-E300に接続されている

RD-E300の背面にあるHDMI出力端子に刺さっているテレビと接続されているHDMIケーブルを抜き、別のHDMIケーブルを接続する

SC-HT2000の背面にあるHDMI出力端子は、テレビのHDMI入力端子とHDMIケーブルで接続。HDMI入力端子は、RD-E300のHDMI出力端子とHDMIケーブルで接続。デジタルオーディオ入力端子は、テレビのデジタル音声出力端子と光デジタルケーブルで接続する

普通、サラウンドシステムというと、このあと、調整作業を行います。基準となる信号を発信して、それをマイクで拾って各chの調整を行って、といった感じになるのですが(最近のモデルでは自動で行うケースが多い)、今回は一切、測定や調整らしいことは行っていませんし、マニュアルにも、そのようなことを行えとは書かれていません。以前、PC環境で各種バーチャルサラウンドを比較したことがありましたが、そういえば、その際にも調整というのはとくに行っていなかったような気がします。バーチャルサラウンドとはそういうものなのでしょう。

というわけで、早速試聴です。普通に地上デジタル放送の番組を再生してみると、拡がり感の強さを感じます。また、いかにCMがコストを掛けて作られているか実感できます。SC-HT2000は、通常はドルビーバーチャルスピーカーで使用することになりますが、その際には、ドルビーバーチャルスピーカーのパイロットランプが点灯します。また、それ以外に、ドラマやスポーツなど、いくつかのサラウンドモードを備えているので、ソースによって、切り替えて使用してもよいでしょう。続いて、アクションものの映画を試聴してみると(筆者は映画に関しては素人以下なので、何の映画なのかはよく分からない)、爆発音や、金属音が非常にリアルで、さらに、音がフロントからのみではないということが強く実感できました。ドルビーバーチャルスピーカーは、以前PCで試聴をした際には、残響に関しては、映画に近い感じはするが、立体感や音声などは、やはり違った表現になるという感じだったのですが、音の前後関係も認識できるし、初めからシアターシステムとして作られ製品だと、バーチャルサラウンドでもここまでの再現が可能なのかと、なかなか貴重な体験ができました。ちなみに筆者と違って、映画を良く見る従兄弟は「普通にテレビで再生するのと、まったくサウンドが違う。今までに買った映画のDVDを全部これで見直さなければ」と言っておりましたので、映画ファンにとっても、それなりに満足できるレベルなのでしょう。

なお、ここまで書いたとおり、接続の手間はデジタルオーディオプレーヤーやPCに2.1chの外部スピーカーを接続するのと大して変わりありません(もちろん、それらよりは大きいのですが)。薄型テレビで、とにかく手軽にホームシアターをという人にはなかなか良い選択肢となるでしょう。

これが完成形。場所も取らず、なかなかよい感じ

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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