【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

44 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)

 

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クリエイティブメディアの高音質アダプター「Creative Xmod」。これは、このコラムで以前取り上げたCCコンバーターのように、圧縮音楽ファイルを高音質化して再生するためのアダプターで、PCのUSBポートに接続して使用するというものです。しかも、PC以外の機器でも使用できるように、ACアダプターでも動作するという仕様になっています(ACアダプターとXmodはUSBコネクタで接続される)。

使用する際にPCにドライバをインストールする必要はありません。そのため、このCreative Xmodでは、USBを音声信号の経路と電源コネクタとしてしか使用していないのではと予想できます(これがあとで問題になるとは……)。

さて、話は変わりますが、「現在」筆者の使用している携帯電話は、W-ZERO3 [es]です。ご存じの方はご存じでしょうが、Windows Mobileを搭載したスマートフォンで、つまり、Windows Media Playerも搭載されているので、これとCreative Xmodとを接続して使用できれば、「どこでも高音質」な携帯プレーヤーが実現するのではないか、と考えたわけです。そこで、クリエイティブメディアより、このXmodをお借りして実験してみることにしました。とはいっても、実は、Xmodを借りた方が先で、これを実験したいためにW-ZERO3 [es]を後から購入したのですが。
とにかく、W-ZERO3 [es]のことはほとんど調べずに(PocketPCの一種なら何とかなるだろうという、思い切り楽観的な予想に基づいて)、ウィルコムストア(同社ショッピングサイト)で購入してしまいました。

さて、W-ZERO3 [es]との接続を行う前に、Xmodがどのくらい効果があるのかを試してみたいと思います。

通常の状態で再生した場合の波形

Xmodを通してX-Fi CRYSTALIZERをオンにした場合の波形

ビットレート128kbpsのMP3ファイルを再生してみます。Xmodには、「X-Fi CRYSTALIZER」「X-Fi CMMS-3D」という2種類のエフェクトが装備されていて、X-Fi CRYSTALIZERは高音質化、X-Fi CMMS-3Dは3D化となっています。それぞれの機能はボディ両サイドのスライドスイッチでオン/オフが可能です。今回は高音質化の実験なので、X-Fi CRYSTALIZERのみを試してみます。画面のように、X-Fi CRYSTALIZERを通した方では16kHz以上の極端な落ち込みがありません。実際に聞いていても自然な感じがします。128kbpsですが、192bps、あるいはそれ以上のビットレートでエンコードされているように聞こえます。

ソースにもよるのでしょうがなかなか効果的です。以前試聴したCCコンバーターでも効果は感じられましたが、高音部分の補完はこちらの方が強めです。ただし、筆者が試聴したCCコンバーターはあくまでも日本ビクターのノートPC「InterLink MP-XP741」に搭載されているものです。これは既にディスコンになっているモデルですので、最新版のCCコンバーターでは違った結果が出るのかもしれません。

サイドにあるスライドスイッチで高音質化や3D化のオン/オフが可能。また、大型のボリュームが付いており、アクティブスピーカーなどと接続すると操作性も向上する

実験スタート

さて、それでは、XmodをW-ZERO3 [es]に接続してみたいと思います。が、ここにきて、繋ぎかたがわかりません。一応、メーカーの方にも伺ってみたのですが、「さすがにW-ZERO3 [es]は試してませんから」との返事です。

XmodはUSBオーディオですが、USBオーディオとして動作可能な環境は、Windows XP(SP2以上、x64EditionまたはMedia Center Edition)、あるいはApple Macintosh Mac OS X 10.4以上となっています。つまりWindows Mobileは対応外です(普通はそうでしょう)。ですので、W-ZERO3 [es]は、純粋に電源供給係りと、プレーヤーとして使用できればと思います。W-ZERO3 [es]とXmodの間は、Xmodの電源用のUSBホストケーブルと、音声信号用のオーディオケーブル(両端が3.5mmステレオミニプラグ)で接続することを想定していました。

USBホスト機能を使用するには、付属のケーブルではダメです。ウィルコムのサイトによると、専用のUSBホストケーブルとしてアイ・オー・データ機器製の「USB2-C1」が用意されているのですが、在庫がありませんでした。そういうことすら調べずに購入するというのはいかがなものかと思いますが、購入してしまったので仕方がありません。こういうとき頼りになるのはミヤビックスのショッピングサイトです。というわけで、USBホストケーブルと同じ機能のケーブル(バルク品)を注文しました(ついでにUSB+電源ケーブルも購入。これは大変便利)。

Vis-a-Visで購入したUSBホストケーブル。これで、W-ZWRO3[es]でUSB機器が使えるようになる

なかなか便利な、巻き取り式のUSB&電源ケーブル

ところが、これだけではありませんでした。W-ZERO3 [es]のヘッドフォンコネクタは、一般的なステレオミニジャックではなく、携帯電話用の平型コネクタだったのです。そんなことは常識だと思う人も多いかもしれませんが、電話機能は付いているけれどPocketPCなのだから(Windows Mobileなのですが)、まさかそんなことは無いだろうと、筆者は勝手に思っていたわけです。というわけで近所のショップに走り、平型のコネクタからステレオミニジャックへの変換コネクタを購入してきました(こういうのは、オーディオやPCの売り場ではなく、携帯電話コーナーにあるということを初めて知りました)。

平型コネクタからステレオミニジャックへの変換コネクタ

さて、接続が済んだ状態の、XmodとW-ZERO3 [es]です。なんといいますか、もし仮にこれで成功しても、あまり「どこでも高音質」を実現してないような状況になってしまっていますが、これまで来たら、そのようなことは気にしてはいられません。

このセットを持ち歩くのは、さすがに気が引けるが

W-ZERO3 [es]に接続したXmodのパイロットランプは、赤く点滅しています。Xmodは、普通に使用できている場合、パイロットランプは青く点灯します。つまり、この状態では正常に動作していないということになるのでしょう。一番考えられるのが、W-ZERO3 [es]の電源としての能力不足です。本来、キーボード程度に電源を供給することしか想定されていないW-ZERO3 [es]のUSBポートに、USBオーディオの電源供給という役目は、さすがに無理があったようです。

試しに、PCのUSBポートに接続してみます。ところがパイロットランプは青く点灯しているにもかかわらず、Xmodに接続されたヘッドフォンからは何も聞こえてきません。この状態でPCから音楽を再生すると正しくXmod経由で音楽が再生されます。クリエイティブメディアのサイトにあるXmodの接続例を見てみると、高音質アダプターとして使用している場合には、Xmodのラインイン端子にオーディオデバイスが接続されていますが、USBオーディオとして使用している場合には、何も接続されていません。確証はありませんが、現在、XmodはUSBオーディオとして動作していて、その場合、Xmod本体に装備されているラインイン端子は無効化されているのではないかという気がします(PC側のラインインを使用すれば問題ない訳なので)。

どうやら、XmodはUSBホスト機能を持った機器に接続されている場合、USBオーディオとして動作し、それ以外の場合、単体の高音質アダプターとして動作するようなのです(USBホスト機能を持ったネットワークメディアプレーヤーに接続した場合も同じような動作だった)。

つまり、USBホスト機能を持たないUSBポートを、電源として用意しなければならないことになります。ATX以降のPCなら、PCの電源がオフになっていても電源ユニットの電源スイッチをオフにしなければ、USBポートに電源が供給されます。PCとしては機能していないので、USBホスト機能もオフになっているはずです(OSを起動せずにDVD再生などを行えるようなPCだとどうなのか分かりませんが、残念ながら持っていないので検証できません)。この状態で、Xmodのラインインにオーディオデバイスを接続してみると、今度は問題なく音が出ました。しかし、デスクトップPCを常に持ち歩くというわけにはいきません。

正常に動作している場合、パイロットランプは青く点灯する

このような状態になっている場合、何らかの問題がある。今回の場合電源容量不足が考えられる

~さらに実験は続く~

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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