【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

38 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI

村田修  [2006/11/09]

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以前、このコラムが始まったばかりのころ、「オーディオのネットワークを考える」という記事で、ソニーのネットジューク「NAS-M7HD」を取り上げました。ご存じの方もいるかと思いますが、10月12日、同社は、ネットジュークの新モデル「NAS-D50HD」「NAS-M70HD」「NAS-M90HD」の3モデルを発表しました。今回、新機種の中から、NAS-M90HDをお借りすることができたので、何回かに渡り、従来機とどこがどのように変わったのかを中心に、実際に試用してチェックしてみたいと思います。

ネットジュークとはどういうものかをご存じないという方のために、従来機NAS-M7HDを簡単に説明しておくと、40GBのHDDを内蔵しており、ネットワークに繋がるコンポということになります。CDやMDなど、さまざまなソースからひたすらHDDに音楽ファイルを溜め込むことが可能です。また、ネットワークの接続によってできることは、

  1. 「エニーミュージック」への接続
  2. DLNAクライアントとして動作し、PC上、あるいはNAS上のライブラリから音楽再生を行う
  3. PC上の共有フォルダから、ネットジュークに音楽ファイルを取り込む
  4. PC、あるいはNASの共有されたフォルダにネットジュークのHDDの中身をバックアップ
  5. CDDBへの接続

といったところでした。

今回発表された3モデルでの大きな変化は、HDDの大容量化と、デジタルアンプ「S-Master」の搭載(NAS-D50HDを除く)、ユーザーインタフェースの改良、スピーカーの改良などです。

新ネットジュークを普通にセッティングする

ブラックで引き締まった感じのする、新ネットジューク「NAS-M90HD」

従来機でもそうでしたが、NAS-M90HDは、センターユニットとスピーカーのみというシンプルか構成です。そのため、普通にコンポとして使用するだけなら、スピーカーを接続するだけなので、セッティングは非常に簡単です。一般的なコンポだと、多数の入出力端子を備えているのですが、ネットジュークでは、それらはPC側やネットワーク機器に任せているので、それほど多くの端子は必要ないことになります。新モデルでは、背面にもUSBポートが装備されています(従来機では前面のみ)が、変更はその程度のようです。また、新モデルの特徴として、ウォークマンシリーズのDockのように使用できるというものがありますが、これには専用のオプションが必要で、本体のみでは実現できません。

NAS-M90HDの背面。背面にもUSBポートが装備された

スピーカーコネクターは、独自形式。ただし、スピーカー側はバラ線になっている

本体天井部分。中央の丸い部分にウォークマン接続用のオプションが付けられる。丸い部分を押すと外れる。天井部分全体が、外れる構造になっている

従来よりも操作ボタンは増えたが、操作性はアップ

NAS-M90HDでは、従来モデルに比べて、操作ボタンが大幅に増やされています。従来モデルでは、14個+ボリュームでしたが、NAS-M90HDでは、17個+方向キー+決定ボタン+ボリュームと大幅増です。一般に、ボタンの数が少ないほうが操作は簡単と思われがちですが、ボタンが少なくなると、メニューが階層化せざるを得なくなり、メニュー構造を覚えていないと操作しにくいという問題もあります(実際に、先代モデルのUIよりも使いやすい)。

一般的にはリモコンから操作することの方が多いのでしょうが、それでも、NAS-M90HDでは、「HDDからの再生/一時停止」「CDからの再生/一時停止」「MDからの再生/一時停止」「メモリースティックからの再生/一時停止」というダイレクトボタンが本体正面に設置され、操作性がアップしています。

リモコンを見比べてみると、先代に比べて、機能によるグループ分けがしっかり行われていることに気づきます。これは、リモコンに限ったことだけではなく、メニューや操作体系も、大幅に見直しが行われています。

キーの数は増えているが、それが使いやすさに繋がる部分も

従来モデルのリモコン

機能ごとにグループ化されており、直感的に使えるNAS-M90HDのリモコン

というわけで、CDからの録音を行ってみました。まず、録音したい音楽CDをセットします。すると、音楽CDのアルバムや曲目情報の検索がスタートします。Gracenote社のデータベースがHDDに収録されているため、ネットに接続していない状態でも検索が可能です。もちろん、新譜などは、ネットに接続する必要はありますが、それ以外なら、かなりマイナーなものまで含まれています。

CDをセットすると、自動的にCD情報の検索がスタートする

アルバム/曲目情報が表示される

ここで、リモコンの「HDD録音」、あるいは本体の「HDD REC」ボタンを押せば、録音がスタートします。ただ、人によっては録音時の設定を変えてみたいということもあるでしょう。例えば、デフォルトの状態では、NAS-M90HDでは、録音時にCDの音楽再生は行われません。これでは退屈ですし、実際にどんな曲が含まれているのかを、録音しながら聴いてみたいという場合も多いでしょう。

NAS-M90HDのUIでは、使用するファンクションごとに設定やオプションに表示される(つまり設定できる)項目が異なります。今回の場合、まず、ファンクションをCDに切り替えて、「オプションボタン」を押すことになります。CDのオプションの中身は写真のようになっています。

ファンクションをCDに切り替える。この操作はリモコンからでも、本体のファンクションボタンでも可能

CDのオプションの内容。オプションメニューは階層構造になっている

NAS-M90HDのオプションの中身は階層構造になっています。「再生モード」「録音」「録音先」「CD情報検索」の項目がありますが、ここでは「録音」を選択します。本体にも方向キーと決定ボタンが装備されているので、この操作を本体側から行うことができますが、やはり、リモコン側から行ったほうが楽です。

「CD録音設定」パネルが表示されます。ここでは「フォーマット」「ビットレート」「モニター音」の設定が可能です。フォーマットは「ATRAC3」「ATRAC3plus」「MP3」「PCM」の4種類から選択可能です。また、ビットレートの指定範囲は選択したフォーマットによって異なります。このパネルで、「モニター音」の部分を切り替えることで、CDの録音中にも、そのCDの音楽を聴くことができるようになります。

「設定」→「録音」で、「CD録音設定」パネルが表示される。ここでは、録音時のフォーマット、ビットレートの設定と、録音時のモニター音のオン/オフの設定が可能

フォーマットは「ATRAC3」「ATRAC3plus」「MP3」「PCM」の4種類

「ATRAC3」の場合、ビットレートは「66kbps」「105kbps」「132kbps」の3種類から選択できる

「モニター音」は「OFF」「再生」「イントロ再生」の3種類

これで、録音時に録音中の音楽の再生が可能になりました。さて、NAS-M90HDに搭載されているHDDは250GBと、従来モデルと比べて大幅に増やされています。筆者がお借りしたNAS-M90HDは、届いたときには既にいくつかの編集部を回ってきた後らしく、HDDにかなりレコーディングされた状態でした。しかし、それでもなおかつ、残り4000時間を越える録音時間が表示されていました。音楽をPCMで取り込むのでもない限り、これ以上のサイズは普通、必要ないでしょう。ネットワークに繋いで、そこから演奏させることもできるのがネットジュークのメリットの一つなので、容量はそれほど必要ないというのが筆者の意見です。

音楽CDから録音中。すでにかなり録音されていたが、それでも残り時間は4000時間以上と表示されている

実は、ここまでの操作は、マニュアルをまったく見ないで行っています。これは、筆者が従来機を使った経験があるからなのかもしれませんが、それでも、以前よりもスムーズに使えるUIになったと感じます。とくに、ファンクションといった、機器側の都合をあまり意識しないで、CDやHDDなどの音楽を聞くことができるようになったのは、かなりの進歩だと思います。次回に続く。

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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