【コラム】

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37 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く

 

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10月20に、オーディオテクニカからATH-CK6というヘッドフォンが発売されました。同社では、ATH-CK5というインナーイヤーヘッドフォンも発売しており、これはポータブルオーディオプレーヤー向けのヘッドフォンとしてはかなり定番となっているモデルです。ATH-CK6は、そのATH-CK5に比べて、かなり装備や素材などがグレードアップされており、かなりコストパフォーマンスの高いモデルです。

ATH-CK5と付属品。イヤーピースは3種類。延長用のケーブル、キャリングポーチが付属する。このキャリングポーチは、ヘッドフォンとフラッシュメモリータイプのポータブルオーディオプレーヤーを入れるのにちょうどよいサイズ

ATH-CK6と付属品。3種類のループサポートが付属するほか、イヤーピースのも2種類になった。黒が円形でグレーが楕円形。グレーの方が若干硬く感じられる。キャリングケースはATH-CK5と同じ

ATH-CK5のボディは樹脂製

メタル製となったATH-CK6のボディ。ATH-CK5よりも若干小さめ

ATH-CK5は、ポータブルオーディオプレーヤー用の定番ヘッドフォンではありますが、いくつかの点で、引っかかる部分もあります。まず、本体から出ているケーブルが0.5mの長さしかなく、普通にポータブルオーディオプレーヤーで使用する場合には、付属の延長ケーブルが必要になるという点。2つめが、普及価格帯のモデルなのでしかたがないのですが、やはり、若干眠さというか解像度の低さを感じるという点です。また、人によっては、ループサポートの部分の出っ張りが気になるという場合もあるようです。

ATH-CK6では、1.2mのケーブルを装備しており、延長ケーブルを使わずポータブルオーディオプレーヤーで使用することが可能です(ただし、ATH-CK5が片出しのケーブルだったのに対して、両出しのケーブルを採用したATH-CK6では装着するまでどちらが右でどちらが左なのか分かりにくいという問題がある)。また、多様なスタイルを楽しめるという点もATH-CK6の特徴の一つとなっています。ATH-CK5でも3種類のイヤーピースが付属しており、耳のサイズに合わせて付け替えることは可能でした。しかし、ATH-CK6では、それをさらに進めてイヤーピースの素材を2種類、そしてイヤーサポートを3種類付属させることで、18種類のスタイルを実現しています。

ボディの素材も、ATH-CK5の樹脂製のものから、メタル製のものに変更されています。ドライバーは10.7mm径となっており、ATH-CK5の11.5mmに比べて小口径化しています。これらが、実際のどのように音に影響してくるのか、実際に聞いてみました(ATH-CK6に関しては、まだ、エージングが済んでいないので、参考程度に考えてください)。

まずは、Earth Wind & FireのRemix2000に収録されている「Let's Groove (Merchant Of Menace Remix)」を聞き比べてみました。出だしから、バスドラのスピードが違うことがわかります。別物です。ATH-CK6がATH-CK5に比べて、低域のシャープさ、また音の定位も上げられていることが実感できます。ただ、低域~中域のボリューム感に関してはATH-CK5の方があるようです(このあたりはエージングで変わってくるのかもしれません)。中高域の再現性は、明らかにATH-CK6の方が上回っています(バックコーラスが全然違う)。

続いて、KraftwerkのElectric Cafeに収録されている「Techno Pop」を聞き比べてみます。拡がり感と定位、ATH-CK5に比べて、ATH-CK6のほうが、楽曲の細かな部分まで、再現されていることがわかります。Techno Popの初めのところで背景のノイズが盛り上がってくる感じの部分が、ATH-CK5では単に音の大小という感じなのに対して、ATH-CK6ではノイズが移動してくる感じがうまく表現されています(とてもわかりにくい表現ですが)。さらに、中半以降も音の移動に関してATH-CK6は正しく追従しているように感じられます(Kraftwerkの曲で何が正しくというのは難しいのですが)。また、金属音や電子音(というか全部電子音なのですが)などの高域も自然に表現されている感じです(何を持って自然というのかは別にして)。

さて、比較して聞いたのは、まだ2曲だけですが、ATH-CK5とATH-CK6とでは、かなり性格の違うヘッドフォンだという印象です。ボリューム感のATH-CK5に対して、スピード感と解像度のATH-CK6といった感じです。ATH-CK6は、低域の量をとにかく求めるという人には、もの足りなさも感じられるかもしれませんが、この手のインナーイヤータイプのヘッドフォンにも、解像度やスピード感、ソースへの忠実性などを求めるリスナーには、手ごろなモデルだといえると思います。とくに、ATH-CK5のユーザーで、ちょっともの足りなさを感じているという人には、かなりオススメです(筆者の場合、もうATH-CK5には戻れないと感じた)。

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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