【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

23 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)

村田修  [2006/07/07]

音漏れの測定を行ったヘッドホンについて、音漏れ以外の性能はどうなのか、前回に続き、残りの3本についての評価を行ってみたいと思います。

ゼンハイザー - PX100

エントリークラスのオープンエアーヘッドフォンとしてなかなか人気のあるPX100。筆者は、このPX100をDR-592C2(ELEGA)への反動から購入しました。かなり前に購入したのですが、価格は6,000円台だったと記憶しています。DR-592C2は、(方向性は強烈なものの)音自体には問題はないのですが、さすがにその側圧と重さから長時間装着することは困難です。それに対してPX100は、長時間使用していてもさほど負担はかかりません。

小型軽量のオープンエアーヘッドフォン、PX100

音の傾向としては、中高域~中低域はわりとよい感じなのですが、低域が若干弱め。高域は価格以上という感じです。オープンエアータイプらしい音の拡がり感とヌケ。分解能力や音の定位は、モニター用ではないのでこんなものでしょう。全体的に明るめのキャラクターで、音楽を聴いていて疲れないという感じのセッティングです。とくに、能天気なポップス系の音楽をかけると、なかなかよい相性だと筆者は思います。

PX100は、コンパクトに畳めることもその特徴のひとつです。となると、屋外に持ち出したくなるものですが、測定したように、PX100はかなり音漏れがあるので、公共交通機関などに持ち込むのは避けたほうが無難です。ゼンハイザーからは、そういった場所で使うのに向いた密閉型のPX200というモデルもリリースされています。こちらもコンパクトな密閉型としてはなかなか人気のモデルなのですが、筆者の聴いた限りでは、方式の違いもありPX100程の明るさはないといった感じで、音の傾向はやはり違います。

ここまでコンパクトに畳めるPX100。メガネケースがちょうどのサイズ。専用のケースが付属していたのだが、プラスチック製の簡素なものだったので、筆者は使用していない

オーディオテクニカ - ATH-CK5

カナル型の入門モデルとして評価が高いオーディオテクニカのATH-CK5。柔らかめのイヤーパッドが付属しているため、カナル型が初めてという人でも、違和感を感じることはないでしょう。

低価格なカナル型としては、満足できる音質のATH-CK5

高域は、PX100と比べると伸びがありませんが、全然出ないというわけではありません(PX100がエントリークラスとしては極めて高音の伸びがよいため)。中域はクリア。低域は抑えぎみといった感じです。わりと、聴く音楽のジャンルを選ばないという感じではありますが、ボーカルものなどでは、その良さがとくに発揮されるように感じられます。分解能力も価格から考えると高め。また、音の定位に関してはPX100よりも優れています。カナル型なので遮音性はありますが、先日の測定結果では、普通の密閉型と同じ程度でした。

また、持ち運び用の袋が付属しているのですが、これがATH-CK5とフラッシュメモリタイプのポータブルオーディオプレーヤーとを収納するのにちょうどよいサイズです。

付属の袋に、フラッシュメモリタイプのポータブルオーディオプレーヤーなら一緒に保管できる

筆者は(音漏れのテストのために)、ATH-CK5を2,700円ぐらいで購入したのですが、この価格ならかなりコストパフォーマンスは高いと思います。本体から出されているケーブルが短く、付属の延長ケーブルが必須となるという点はマイナスですが、ポータブルオーディオプレーヤーの付属ヘッドフォンからの乗り換えに、音質的にも価格的にもマッチしたモデルだといえるでしょう。

ソニー - MDR-NC6

低価格なノイズキャンセリングヘッドフォン、SONYのMDR-NC6。このヘッドフォンも、今回の音漏れテストのために購入した1本です。6,000円台で購入しました。

ほぼ同価格帯のPX100と比較すると、音質よりも機能にコストを振り分けた感のあるMDR-NC6

ノイズキャンセリングのスイッチを入れると、ホワイトノイズのような音が流れ、しばらくすると、それと周囲の音が気にならなくなります。ノイズキャンセリング機能の効果の程は、部屋の中で使用すると、筆者の爆音PCの音を若干低減してくれるといった程度です。完全にすべての外部音を消してくれるというわけではありません。

音質的には、今回の3本のなかでは一番低音よりです(ただし、その低音にほかの音がマスクされがちという問題もあるのですが)。中域はATH-CK5に比べるとこもりがち。高域の伸びも欠けています。定位、分解力も弱めです。ただしこのMDR-NC6は、ノイズキャンセリング機能を搭載してこの価格ということからも、音質がうんぬんというモデルではないのでしょう。

ノイズキャンセリングヘッドフォンではありますが、ノイズキャンセリング機能をオフにすれば、もちろん普通のオープンエアーヘッドフォンとしても使うことができます。その際の音質は、傾向としてはオンのときとさほど差はないのですが、若干低音が弱くなり、中音域がクリアになります。

MDR-NC6は、アウトドア用のヘッドフォンということで、イヤーパッド部分が回転し、収納のためのキャリングポーチも付属しています。しかし、PX100のようにコンパクトに収納できるわけではありません。

コンパクトではないが、持ち運び用のポーチに収納できる

以上、音漏れを測定したヘッドフォンに対する評価はだいたいこんなところで、あくまで筆者の感覚ですが、音質的にそれなりに満足できるのはELEGAのDR-592C2、ゼンハイザーのPX100、オーディオテクニカのATH-CH5、パイオニアのアームレスヘッドフォン(いまだに型番が分からない)でした。

しかし、今回は部屋の中で音楽を聴いての評価です。アウトドア向けのヘッドフォンは、実際の使用環境で聴いたほうが、より正しい評価になるでしょう。ということで、近いうちに、これらのヘッドフォンのうち、アウトドア向けのものを実際に外に持ち出して聴いてみたいと思います。

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