【コラム】

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15 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編

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前回書いたように、クリエイティブメディアのポータブルスピーカー「TravelDock 900」と「TravelSound 400」をこの1週間ほど鳴らし続けてみました。いわゆるエージングです。

「エージングとは何?」という方もひょっとしたらいるかもしれませんので、軽く説明しておきましょう。

スピーカーの振動板は、紙などの素材で作られています。合成樹脂系の素材などを使用した振動板では最初からOKなものもありますが、基本的に、スムーズに動作するようになるまでには、ある程度動かしてやる必要があります。この、ある程度動かしてやり、可動部分をなじませることが、エージングと呼ばれています。メーカーがそのスピーカーに設定した音が出てくるのは、エージングが済んでからということになります。

エージングの方法は簡単で、なるべく低音から高音まで含まれているソースを、ボリュームをあまり上げないでかけ続けるというものです。どのくらいの期間エージングを行えばよいのかというのは、使用しているスピーカーによって変わってきます。200時間を目処にという人もいますが、50時間でOKなスピーカーもありますし、500時間以上かかるというものもあります。車のならし運転のようなものだと思ってください。

スピーカーだけでなく、ヘッドフォンやプレーヤーなど、可動部分のある機器は、基本的にエージングが必要(効果には差がありますが)だと思っておいてください。

こんな感じでエンドレスで鳴らし続けた1週間

エージング完了後の試聴結果

約1週間のエージング後、TravelDock 900とTravelSound 400を再び試聴してみました。エージング中には聴いていなかったのか、という方もいるかと思いますが、実際のところ、まともには聴いていません。さほど大きな音を出していたわけではないし、また、筆者の部屋には常時轟音を発するPCなどが存在しているので、鳴っていてもあまり気にならなかったりします。いずれにしても、ちゃんと聴くのは1週間ぶりです。

ネオチタンドライバーを使ったスピーカーシステムのエージングが、この1週間で完了しているのかどうか筆者には確信が持てていないのですが、それでも試聴してみると、前回とはかなり違った印象です。

先週はTravelDock 900の中低域がいまひとつで、元気のよい高域とのバランスが悪かったのですが、今週聴いたところ、かなりバランスが取れてきています。要するに、先週の段階ではまだ中低域が出きっておらず、中低域を出そうとボリュームを上げていたため、結果的に高音がうるさめに感じられたのでしょう。とにかく先週のような不自然さは感じられませんでした。また、若干ですが、音の拡がりも感じられるようになってきています。これがTravelDock 900の本来のサウンド(もしくは本来のサウンドに近づいた状態)なのでしょう。一方のTravelSound 400ですが、こちらの方は先週との違いはほとんど感じられません。前回の試聴結果では、それぞれの製品からはかなり違った印象を受けましたが、1週間を経て、結果的に両者のサウンドはかなり近いものとなりました。ただし、サウンド以外の部分では、差がないというわけではありません。

両者には、見てのとおり構造上の違いがあります。TrabelDock900は、スピーカー部分の角度の可変範囲が0°~105°程度です。一方のTravelSound400は0°~180°です。両者とも指向性はかなり強く、筆者の確認した範囲では、左右は45°程度、上下では30°程度ずれると、音のバランスが崩れます。左右に関しては、設置する向きを変えればよいだけなのですが、上下に関してはTravelDock900のほうが自由度が低くなります。そのため、たとえば床に直接置くというようなケースには向かないなど、設置方法は考える必要があります。

スピーカーが開く角度に差がある

設置場所の素材により影響を受けるケースもあるので、その際は適当に対策を

また、TravelDock 900は、TravelSound400に比べて、設置面の影響をより多く受ける傾向があるようなのです。たとえば、両者を手で持って聴いてみるとほとんど同じ音なのですが、固い机の上などに設置すると、その影響を900のほうが強く受け、高音が強く感じられます。机の上にコピー用紙を数枚重ねて、その上に設置すると、その傾向は弱まります。

どちらのスピーカーも据え置き型のスピーカーと比較すれば、スケール感は乏しいし解像度や定位なども決して優れているわけではありませんが、あくまでポータブルスピーカーです。もともとそういうことを求めるスピーカーではなく、ポータブルオーディオプレーヤーと一緒に持ち歩けるサイズとスタイルで、このサウンドが出ることに価値を見い出せる人が使うシステムだといえます。そういった意味では、このTravelDock 900とTravelSound 400は、使い方さえユーザーのニーズに合えば、なかなかよいシステムだと筆者は思います。

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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