【コラム】

暮らしのサウンドビジュアル

9 精度を要求しない測定環境(1)

 

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ホームオーディオ機器の場合、その性能は自分の耳で聴いて判断するしかないというのが実情です。世の中にはオーディオ用の測定器というものがあります。しかし、プロ用の製品しか存在しませんし、それらは恐ろしく高価です。

オーディオ機器によってはスペクトラムアナライザーが組み込まれている製品もあるのですが、それは、その機器で現在扱っている音声信号の波形を表示するというものなので、その部屋で鳴っているオーディオ機器自体の特性を測定することはできません。

もちろん、リスニングポジションにマイクを置いて、単体で動作させたスペクトラムアナライザーにその信号を放り込んでやれば、ある程度のデータは取れます。ところが、測定器というものは、測定環境自体のデータが正しくなければ、正しい値を得ることはできません。この場合、マイクの特性、部屋の特性、スペクトラムアナライザーの特性が分かっていなければ、正しい値は出ません。さらに、測定器自体が正しく構成されていなければ、信用できるデータを得ることはできません。とはいえ、完全とまではいかない測定環境でも、1つのオーディオ機器の特性を計っておいて、その後で、別の機器の特性を計れば、その2つの機器の差を知ることができます。

PCには音声信号を発生させる機能が備わっています。また、外部から入力されたアナログの音声信号をデジタル化することも可能です。つまり、PCは測定器としても使用できるということになります(精度に目をつぶれば)。

筆者が最初に使用したオーディオ用の測定システムは(システムというほどではありませんが)、8bit時代にどこかの雑誌に掲載されていた、データレコーダ端子に音声データを放り込んでやり、それを解析するという、スペクトラムアナライザーのプログラムでした。しかし、さすがに現在では動作環境自体が残っていないので(残っていても、そんなものを紹介されても困ると思うので)、Windows環境で動作する「WaveTool」というソフトウェアを紹介したいと思います。WaveToolは、Paul Kellett氏の作成したフリーソフトウェアです。「Sonic Spot」などでダウンロードすることが可能です。

シグナルジェネレーター

オーディオメーター

オシロスコープ

スペクトラムアナライザー

ところで、このソフトウェアはPCの世界でいうと古代に属します(タイムスタンプによると最後の更新が1997年11月)。WaveToolをすでにご存じの方は、何故いまさらこんな昔のソフトをと、思うかもしれませんが、まぁ、勘弁してください。相対値を得るのであれば、ある程度役に立ちます。

さて、お約束ですが、こうしたツールの使用は、ドキュメントを読んだうえで自己責任においておねがいします。一応、書いておきますと、WaveToolの動作環境はWindows 3.1以降ということになっています。もちろんWindows XPでも動作します。ただし、WaveToolの動作にはVBのランタイムライブラリが必要です。これ自体はよくあることなのですが、WaveToolが必要とするVBのランタイムライブラリは、Visual Basic 3のものなのです。これはMicrosoftのダウンロードサイトから落とすことができますが、「vbrun300.dll」というファイルネームで検索した方がよいでしょう。このdllをwavetool.zipを解凍したフォルダに置けば動作します。

WaveToolには、「analyzer」「mater」「scope」「sig-gen」という4本のツールが含まれています。「analyzer」はスペクトラムアナライザー、「mater」はVUメーター、「scope」はオシロスコープ、「sig-gen」はシグナルジェネレーターです。

つまり、このツールがあれば、シグナルジェネレーターで何種類かの信号を出力し、その信号をオーディオ機器で再生、それをスペクトラムアナライザーやオシロで測定する、といったことが可能になります。

オーディオ機器にPCからの信号を直接入れられない場合は、テスト用の信号をまとめてCDに焼いてしまうのもよいでしょう。次回は、テスト用のファイルを使って、簡単な測定を行ってみたいと思います。

シグナルジェネレーターで発信させる周波数を選択

サイン波からホワイトノイズに切り替える

サウンドレコーダーで録音

でき上がったテスト用の音声信号ファイル。「100Hzのサイン波」「440Hzのサイン波」「1kHzのサイン波」「10kHzのサイン波」「16kHzのサイン波」「ホワイトノイズ」の6本。これをCDに焼けば完成

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インデックス

連載目次
第116回 クラッチバッグのようなデザインのBluetoothスピーカー「Beoplay A2」
第115回 デスクトップのリスニング環境に適した「SoundBlaster X7」
第114回 ComplyイヤーチップのPシリーズは使い方を選ぶがスグレモノ
第113回 Complyイヤーチップのプレミアムモデルとスタンダードモデルとの差を探る
第112回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(3)
第111回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(2)
第110回 最新ノイズキャンセリングヘッドホンの性能を検証(1)
第109回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(7)
第108回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(8)
第107回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(6)
第106回 標準付属品のイヤホンから買い替える高"コスパ"イヤホン(5)
第105回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(4)
第104回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(3)
第103回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(2)
第102回 標準付属品のイヤホンから買い換える高"コスパ"イヤホン(1)
第101回 多機能アクティブスピーカー「SoundBlaster Axx」を使ってみた
第100回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(4)
第99回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(3)
第98回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(2)
第97回 手軽なところからスタートするハイレゾ音源再生環境(1)
第96回 Bluetoothスピーカーの置き方(4)
第95回 Bluetoothスピーカーの置き方(3)
第94回 ちょっと便利なBluetoothスピーカー「Creative Airwave HD」
第93回 Bluetoothスピーカーの置き方(2)
第92回 Bluetoothスピーカーの置き方(1)
第91回 いまさらながらのインターネットラジオ(3)
第90回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(7)
第89回 いまさらながらのインターネットラジオ(2)
第88回 いまさらながらのインターネットラジオ(1)
第87回 ミニマムなデジタル録画環境として「nasne」はあり? なし?
第86回 インドア用のヘッドホンを買い換えた
第85回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(6)
第84回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(5)
第83回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(4)
第82回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(3)
第81回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(2)
第80回 スマートフォンに適したBluetoothスピーカー(1)
第79回 キャビネット容積が限られたスピーカーでも高音質を実現するCONEQ技術
第78回 ボーズの1.1chホームシアターシステム「Lifestyle 135」の音を聴いてみた
第77回 チューナー内蔵レコーダーの登場で便利になった「スカパー!HD」
第76回 ヤマハらしいサウンドのヘッドホン「HPH-200」
第75回 実用的なAndroidタブレットプレーヤ「ZiiO」
第74回 ソニー、RM-PLZ530D - 学習機能付きリモコンのマクロ機能を使いこなす
第73回 ウォークマンがiPodを再び抜いた件に関して
第72回 2011年のレシーバー
第71回 3D放送の一般化にはまだ時間がかかるらしい
第70回 年末以降のテレビ需要
第69回 何インチからが大画面か
第68回 圧縮音楽ファイルのエンコード方法とビットレートによる音質の違いを調べる
第67回 ZEN X-Fi Styleを使ってみた
第66回 JBLの最新モデルを聞き比べ(後編)
第65回 JBLの最新モデルを聞き比べる(前編)
第64回 クリエイティブのBluetoothスピーカー「ZiiSound D5」を試してみた
第63回 一から始めるAV機器ネットワーク(3) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第62回 ちょっと大きめのパーソナルTVが欲しい - シャープのLED AQUOS「LC-32SC1」を試用する
第61回 一から始めるAV機器ネットワーク(2) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第60回 一から始めるAV機器ネットワーク(1) - もっとメジャーになってほしいDLNA
第59回 セカンドテレビを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー(2)
第58回 セカンドTVを最新仕様にアップグレードするネットワークメディアプレーヤー
第57回 デジタルノイズキャンセングヘッドホン「MDR-NC300D」
第56回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - ノイズキャンセリング効果とサウンド
第55回 ウォークマン最高モデル Xシリーズを試す - 操作性と付属機能
第54回 遅ればせながらBDレコーダーを導入(1)
第53回 高音質タイプの骨伝道ヘッドホンを試してみる - ティアック Filltune「HP-F200」
第52回 HDMI 1.3時代のAVアンプ機能比較(1) - エントリークラス編
第51回 エバーグリーンの低価格メディアリペアキットを試す
第50回 W-ZERO3[es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(2)
第49回 マクセルの高音質システムヘッドフォン「Vraison」を試す
第48回 流行の丈夫なDVD-Rはどこまで頑丈か
第47回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(2)
第46回 小型デジタルハイビジョン液晶テレビ、東芝REGZA 20C2000を使う(1)
第45回 ドルビーバーチャルスピーカー採用2.1chサラウンドシステムをセッティング
第44回 W-ZERO3 [es]とクリエイティブ「Xmod」で「どこでも高音質」を実現したい(1)
第43回 ICレコーダーを購入
第42回 骨伝導ヘッドフォンを買ってみた
第41回 USBからの電源でも動作する高音質アダプター
第40回 低価格化が進むフルHD37V型液晶テレビ
第39回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(2) - 新モデルの音質
第38回 ソニー「ネットジューク」最新モデルをチェックする(1) セッティングとUI
第37回 オーディオテクニカの新型インナーイヤーヘッドフォンを聞く
第36回 圧縮音楽の補正技術は本当にうまく働くのか
第35回 ロジクールのマルチリモコン「Harmony」の途中経過
第34回 団塊の世代をターゲットにした製品って
第33回 ロジクールのマルチリモコンを試す(1)
第32回 スピーカーで聴くバーチャルサラウンド
第31回 HD DVDとBlu-ray Disc、ソフトのタイトルは?
第30回 コンパクトなスピーカーの音量は足りる?
第29回 HDDのトラブルに泣かされる
第28回 徹底的に低価格な謎のMP3プレイヤーの試聴にチャレンジする
第27回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す(2)
第26回 ヘッドフォンサラウンドを手軽に試す
第25回 余ったメディアの再利用
第24回 1年前と最新のポータブルオーディオプレイヤー
第23回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(2)
第22回 測定したヘッドフォンの音漏れ以外の性能はどうなのか(1)
第21回 ポータブルオーディオプレーヤーの音をスピーカーで鳴らす
第20回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(4)
第19回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(3)
第18回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(2)
第17回 ヘッドフォンの音漏れは、言われているほどにうるさいのか(1)
第16回 ビデオ用8倍速のDVD-R DLメディア登場
第15回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(2) - Travelシリーズ編
第14回 ポータブルスピーカーはどのくらい聴けるのか(1) - Travelシリーズ編
第13回 BauXar Marty101試聴会に行ってきました
第12回 オーディオセレクター+パワードスピーカーでのリスニング環境構築
第11回 マルチメディア用2.1chスピーカーをオーディオ製品として聴く
第10回 精度を要求しない測定環境(2) - 身の回りの機器を測定する
第9回 精度を要求しない測定環境(1)
第8回 DLNAガイダンス準拠機器ではないネットワークメディアプレーヤーを試す
第7回 音楽データをどこに置くかがポイント
第6回 バッファローLinkTheaterでPC内の音楽ファイルを再生する
第5回 PC内のMP3ファイルをNAS-M7HDに取り込む
第4回 今度こそNAS-M7HDでPC内の音楽をストリーミング再生する
第3回 突然、長瀬産業のHMP-100のレビューを行う
第2回 オーディオのネットワークを考えてみる(2)
第1回 オーディオのネットワークを考えてみる(1)

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