12月3・4日に開催されたMake:Tokyo Meeting 07では多くの方に筆者のブースに訪問していただきました。ご来訪の皆様、ありがとうございました。

Photo01: 筆者ブースの様子。一番奥に液晶モニターを置いて、手前に謎のダンボールPC(開発コード名)、その手前にCPUレベルメーター、その手前が目玉のワットメーターと温度センサー、一番手前がmbedを使ったネットワークカメラ。ちなみに液晶の奥は漫画家のとだ勝之氏のブース。途中からちょっとアダルティ(笑)になってました。

ということで、今回はちょっと特別編でMTM07出展物紹介など(Photo01)。今回はこんな(MTM07.pdf)チラシを配布していたのですが、展示物は、

・LED式のCPUレベルメーター:Second Opinionの364回383回

・温度センサー:Second Opinionの384回397回

・ワットメーター:Second Opinionの398回

mbedを使ったネットワークカメラ

・ダンボールPC(近日記事公開)

の5種類である。

ダンボールPCの話はしばらくお預けにさせていただくとして、このうちCPUレベルメーターは昨年のMTM06にあわせて製作・展示したものであるが今回も賑やかしのために持ってきたところ、意外にウケたのがちょっと面白かった(何人かの方は、「これ昨年もありましたよね」とよく覚えておられましたが)。で、レベルメーターと温度センサー、mbedのネットワークカメラは各々の記事で説明したものと全く変わりが無く、単に動作デモである。今回直前に色々仕込んだのはワットメーターである。

前回の記事では、Arduino Unoに1台のワットチェッカーを接続し、ここでサンプリングした結果をPCに送る事でリアルタイムに数値を取り込むところまで紹介したが、MTM07会場ではこれをArduino Megaに入れ替え、4台のワットチェッカーの測定結果を一気に取り込んでPCで表示する、というデモを行った。というわけで、このスペシャル版をちょっとご紹介する。

さて、4台ものワットチェッカーを取り付けるとなると、流石にリード線を引っ張り出してブレッドボードに繋げるだけではちょっと心もとない。ワットチェッカーがそれなりに嵩張るし、出展のための移動があるから、多少は機械的強度が欲しい。というわけで、ちゃんとコネクタを取り付けてリードで繋ぐ形式とした。そのリード(Photo02)だが、これは以前温度センサーを作った時と同じく、3pinのコネクタに3芯のフラットケーブルを取り付けて済ませた。

Photo02: 温度センサーは片側がコネクタ、片側がMCP9700という構成だったが、今回は両側ともコネクタなのが違い。色は赤が電圧、白が電流、黒がGNDとした。

一方ワットメーター側だが、まずオペアンプからの配線をコネクタ(オス側)に絡めて半田付けし(Photo03)、ワットメーターのケース上側の切り欠きにホットボンドで留めた(Photo04)。ケースを閉めるとこんな感じだ(Photo05)。

Photo03: これはGNDの配線。こんな具合に1本づつ配線を絡めて半田付けした。

Photo04: ついでにオペアンプ周辺の配線もホットボンドで固めて動かない様にした。これで、本体が振動してもそれにあわせてコネクタが引っ張られたり、逆にオペアンプ側の配線が外れたりといった危険性が多少緩和される。

Photo05: 写真で言えばコネクタ下側だけをホットボンド留めする。強度は? というと所詮ホットボンドで留めた程度だが、普通に使う分には十分ではないかと思う。

一方Arduino MEGAの方だが、回路図はこんな具合(図1)。

図1

要するに、

AD0 pinに1番目のワットメーターの電圧(Pin14)
AD1 pinに1番目のワットメーターの電流(Pin1)
AD2 pinに2番目のワットメーターの電圧(Pin14)
AD3 pinに2番目のワットメーターの電流(Pin1)
AD4 pinに3番目のワットメーターの電圧(Pin14)
AD5 pinに3番目のワットメーターの電流(Pin1)
AD6 pinに4番目のワットメーターの電圧(Pin14)
AD7 pinに4番目のワットメーターの電流(Pin1)
GND pinに全部のGND(Pin14)

を繋ぐ仕組みだ。で、Shieldっぽく仕上げるためにユニバーサル基板+ヘッダピンで構成したのだが、ここでうっかりしたのが手持ちのユニバーサル基板が片面のものだけだったこと(Photo06)。何が問題だったか? というと、この写真でもわかるが、ヘッダピンとコネクタのどちらも基板の裏側で半田付けする。問題はピン側はArduino MEGAに被さる方向に装着することで、なので同一基板にコネクタも取り付けると、コネクタが基板とArduinoに被さる方向になってしまうことだ。結局、ヘッダピンとコネクタを別基板にし、間をリード線で繋ぐという無闇に面倒な構成になってしまった。この状態で動作確認を行い、問題ないことを確認してから配線をスズメッキ線でまとめ(Photo07)、最終的にホットボンドで固定した上で、手ごろなケースに収めて完成である(Photo08)。ということで長くなりすぎたので以下来週。

Photo06: 両面基板だと、この状態でピン側基板の裏側にコネクタを装着して半田付けが可能。我ながらうっかりしていたというか、間が抜けていた。

Photo07: コネクタ基板側はひっくり返した状態。GND側はここでまとめて一つの配線にした。

Photo08: ケースは100円ショップで売っていた、2つで100円のタッパーウェア。ちょっと厚みがありすぎたので、底にウレタンを敷き、ケーブルタイでArduino MEGAを固定している。蓋もコネクタを引っ張り出すために切り抜いてあるが、展示中は蓋を開けっ放しであった。

(続く)