さて、それでは実際の製作手順である。まずは必要なパーツをご紹介する。

  • Arduino Uno

357回でもご紹介したArduino Uno。最近の円高を反映してか、実売価格は3,000円を切り始めている。ちなみに356回で紹介したArduino Duemilanoveでもかまわないし、最近登場したArduino Uno SMD(AVRのチップがDIPタイプから表面実装タイプに切り替わったもの)でもかまわない。入手しやすいものを選べば良い。

  • LED

前回紹介した通り、

赤色OSDR3133A
黄色OSYL3133A
緑色OSNG3133A

をそれぞれ利用した。他のタイプのLEDでも構わないが、その場合はそのLEDの特性に合わせて抵抗の値を調整する必要がある。またこれらのLEDは外寸が3mmφで、これにあわせて加工の説明をするので、寸法が変わる場合はそれにあわせて切り替える必要がある。

  • 抵抗(Photo01)

これも前回紹介した通り、150Ω・1/4Wのカーボン抵抗を10本利用する。

Photo01: 100本入りで、確か100円。買ったのが千石電商か秋月電子通商だったか、既に忘れた。必要な本数は10本だが、そう高いものではないし、失敗した時の代替分や、この先の工作の分なども考えると、バラ買いするより袋で買ったほうが早いと筆者は思う。

  • ユニバーサル基板(Photo02)

今回はICB-293を半分に切ったものを1枚使った。

Photo02: ユニバーサル基板はほぼサンハヤトの製品一択。色々な製品があるが、一番無難というか汎用性が高いICB-293を選んだ。千石電商で\200。ちなみにICB-96はこれの大型タイプ。LEDの制御程度ならガラスエポキシとかである必要はなく、一番安い紙フェノール基板で十分である。

  • 配線材料(Photo03)

Arduinoとユニバーサル基板、LEDの間を繋ぐのに利用する。スズメッキ線の方は、LEDの配線に利用する。

Photo03: 値段は写真に出ている通り。どちらも千石電商で購入。他に、筆者が手持ちのリボンケーブル(昔のIDEの様に、複数の配線が並んでいるタイプのケーブル。今回は10並列のものを使った)も利用したが、こちらは値段不明。まぁどうしても必要なわけではない。

  • 絶縁チューブ(Photo04)

LEDの立体配線で接触を防止するためのもの。

Photo04: 一見単なるビニールチューブなのだが、熱に強い(ちょっと半田ゴテで触った位では変形したり収縮したりしない)という特徴がある。スズメッキ線をむき出しにすると接触しやすいので、これを被せて保護するという次第。赤・黒どちらも1mで\100円(千石電商)。

  • ピン(Photo05)

Arduinoに配線を繋ぐのにこのピンを利用する。ちなみに中央のシールド部を挟んで長さが同じものを使うと配線がやりやすい。

Photo05: 1本(というか、一列というか)あたり\100(千石電商)。

といったあたりが主要な部品である。他にケースに固定するためのものとして両面テープ、バックパネル用のUSBヘッダ、マスキング用のテープ(最悪ガムテープとかでも可)などが必要であるが、これらは随時紹介する。

一方工具であるが、まず電子工作用として、

  • 半田ごて(Photo06)

とりあえずこれがないと始まらない。色々なものがあるが、とりあえず20W~30W程度のもので十分である。Amazonだと概ね1,000円程度で販売されており、ショップでもそんなところだろう。秋葉原の工具店や東急ハンズなどでもいいが、DIYショップに行けば普通においているはずだ。他に半田ゴテ台、それと半田そのものも忘れずに入手してほしい(さすがに無鉛ハンダは素人の方には難しいので、普通のヤニ入りハンダを選ぶのが無難だと思う)。

Photo06: 筆者所有の半田ゴテ。最近のメインは一番左のもので、定格は30Wだがスイッチを押すと120Wになるというもの。すぐに半田ゴテを暖めたい場合に便利。その右は精密回路用の、やはり30W、一番右はそろそろ買って30年になろうという、でも現役の30W。ちなみに半田ゴテ台は買って40年近くになる。

  • ニッパ(Photo07)

半田ゴテの次に使うのがニッパ。とにかく配線を切るのにこれがないと不自由甚だしい。さすがに100円ショップに売っている類のものは最初から切れ味が悪い(特に配線の被覆を剥く時にこれを実感する)ので、DIYショップなどでせめて1,000円~2,000円のものを選ぼう。

Photo07: ニッパは使っているとどんどん刃が鈍ってくるので、そうすると電子工作「以外」用となる。一番左のものはもっぱら太いケーブルなどをぶった切り用、その右はプラスチックなどを切る用、その右2つは汎用で、特に黒い方は猫の爪きりに活躍している。一番右2つが現在の電子工作用。これもお高いものは1万円とかするのだが、そんな高級品は不要だ。

  • ラジオペンチ(Photo08)

配線を曲げたり(逆に曲がった配線を戻したり)するのに役立つ。被覆を剥く際にも活躍する。実はこれに関しては100円ショップで売ってるものでもそこそこ使えたりするのだが、高いものではないのでDIYショップなどでそれなりのものを選んだほうが良い。

Photo08: 一番左のものが100円ショップで売ってるだが、加工精度が甘いのか使っていると軋んだりするので、注油をしてやる必要がある。刃先がきっちり合わないのもまぁご愛嬌。右の2つはDIYショップで安売りしていたもので、どちらも600円弱だったと思う。このレベルのもので十分。ちなみにラジオペンチ、大きいものは全長が250mmとか300mmなんてものもあるが、個人的には125mmの程度のものが、手にすっぽり収まって使いやすいと思う。

  • ピンセット(Photo09)

これは必須ではないが、あると便利なのでご紹介。ちなみに奥のものは普通に売っているピンセットで、こちらはあまり役に立たない。役に立つのは手前の方で、板厚が奥のものの倍ほどあるのがお分かりだろうか? 今回の場合だと、LED回りでリード線にスズメッキ線を巻きつける、なんて加工の際にラジオペンチだと太すぎてうまく配線できなかったりするのだが、そうした場面に役に立つ。おそらく器用な人はこんなものがなくても大丈夫なのだろうが、筆者の様に不器用な人にはお勧めしたい一品だ。(ただちょっと高価だし、どこにでも売ってる訳ではないのが問題なのだが)

Photo09: これはホーザン(株)のP-891という強力型ピンセット。板が厚いのでたわみにくく、筆者の場合ラジオペンチよりもむしろこちらを多用するほど。細かい部分の配線に最適である。ただ同社の通販価格は\1,365(送料別)、Amazonでもほぼ同じで、ちょっとお高いのが難点。

  • テスタ(Photo10)

目視だけでは配線の確認は絶対無理なので、テスターは必須である。以前はデジタルテスターといえば結構な金額だったのが、最近は1,000円未満で売っていたりするから恐ろしい。基本的な機能(直流/交流の電圧と直流の電流(mA単位)、抵抗値の測定)を持つ製品があればとりあえず十分だ。

Photo10: 左は高校の時分に購入した、当時はえらい高かった代物だが、最近は使ってない(というか、較正に出さないと安心して使えないのだが、較正に出す金額でまともなデジタルテスタが買える)。右が現在メインに使っている共立電気計器のクランプ付マルチメーターのキューメイト2000。ただここまでの機能は普通必要ないだろう。

主要な工具は以上。他に必要なものとして、作業場所と電源(AC100V)の他に、手元を明るく照らしてくれる照明は絶対にあったほうが無難だし、あと細かい配線になるので、(筆者の様に老眼が始まっている方は)老眼鏡が必須である。

(続く)