Rogan: 僕が間違えていたら言って欲しいですけ。USの場合、どちらかと言うと、お客様は最初から「こういうようなシステムを作りたい」と細かく言うんです。ユーロも多分そうだと思うんです。「こういう物作りたいです」と。そこで、「では我々はこういうデバイスがあって、こういうIPもあります」という話をします。で、ちょっと汎用品のイメージがあると僕は思うんですけど、お客さんは「ではこういうIPが欲しいんですけれど、ないですねぇ」となると、そこで我々はサードパーティのIPを探してきて、お客さんのところに持って行くんですよね。で、日本の場合は違うんです。日本の場合は自分のライバルに持っていくんですよ。

Q: お客さんが?

Rogan: お客さんが。

Q: はー。

Rogan: お客さん、自分のライバルを見てるんで。で、我々がIPを提案すると「あ、なるほど、こういう事できるのか」と。で、自分のライバルを見ていて、我々同じIPが(笑)。

一同: (笑)

Q: なるほど。

Rogan: ですから、それが一つのビジネスに……、どう、外れてる? 僕はそういう感じだと思うんですけど。

白: 特に通信機器だと、大手のメーカーさんの研究所とかで色々、先出しのIPとかIPに似た形の物が資産がある訳なんですよ。それをFPGAに乗せられないかって話なんですよ。

Q: そういうご提案の方がむしろ多いんですね。これは長期的にはどうなんでしょう? やはりその方向性変わらないんですか? それとも、やがてはそうではなくうちのIPの方が優れているんだよ、という提案をされてゆきたいんですか?

Rogan: 僕は、えーと……、あの今はまだ(Xilinx全体でも)2千億円の会社。2千億円の中で日本の割合はまだ1割位です。で、社長が言うのは、2千億円の会社を1兆円まで持って行きたい、と。1兆円。そうすると同じ1割だったら、日本が1千億円ですよ。ただ、社長が言うには、1兆円の時には日本の比率は1割じゃなくて25%にしようと。そうすると、我々は2百億を2千5百億まで持って行かなきゃならないんですよ。12.5倍です。ただ僕は、USで作られた製品をそのまんま持って行っても、2千5百億は行かないと思います。2百億が5百億になるという話ならば、たぶんUSの製品そのまま(でいい)と思うんですが、5百億から1千億、1千億から2千5百億に持って行くためには何をやらないといけないか? というと、まず1st Stepは日本のセミIPを我々が開発するとか、サードパーティーとタイアップするとか、やはりもう少しカスタマー(の持つ)IPに対して、我々が影響力を持たなければいけないと思うんですよ。それが5百億から1千億のStep。1千億から2千5百億まで持って行く為には、やっぱり日本の中で日本のお客さんが、つまり日本のアプリケーションを買っているような製品のハードウェアは、我々が日本でも決めなきゃいけないなと僕は思うんですよね。ただそれはやはり長期的な話なのですが。

Q: それをするためには、エンジニアをもっといっぱい採らないと駄目ですね。

Rogan: エンジニアはその通りなんです。ただそれは全部長期的な話ですけれども、今は2千億の1割ですから、まあ2百億ですね。

Q: 2百億です。

Rogan: で、2百億を3百億に持って行く事を考えても、それをただ頑張ろうとしても、そのまま2百億ですよ。やはり2百億から5百億ではパラダイムシフトを考えると、2百億が3百億になるわけです。5百億をターゲットにすると3百億行くんですよ。千億をターゲットにすると、5百億行くと。そういう感じだと思いますけど。

Q: じゃあ、5千億位ターゲットにして、2千5百億。

一同: (笑)

Rogan: それはASICのマーケットを拡大しないと駄目(笑)。エーシックのマーケットが拡大すれば(笑)。

一同: (笑)

(続く)