Q: なるほど(笑)

Rogan: で、現在の日本のASICメーカー、皆さん大変じゃないですか。勿論皆さん頑張っているんですけれど、(ASICメーカーの)お客さんもやっぱり、自分のビジネスのプレッシャーがあるわけです。難しいのは、例えばASICを設計する時に、最初にまあ何万ゲートが必要でしょうか? ということで、わからないけど8万ゲートにしようとか、決める必要がある訳ですよね。それでASICメーカーが8万ゲートで見積もる訳です。で、「よし、これで行きましょう」と。ところが、Design Inして、ぎりぎり8万ゲートに入れようとするんですけれど、「やっぱり8万難しいんだよねえ。でも我々もバジェットがあるから、大口価格(扱いにして、同じ金額)で8万5千(ゲート)にしてくれませんか」と。あるんですよ。当然ASICメーカーは「うーーーん、しょうがないですねえ」とこれを呑んで。ところがどんどん量産に近づいていって、「ここまでやってきたんですが、申し訳ないけど、やっぱり9万じゃないといけないですよ」と(笑)

一同: (笑)

Rogan: そういうわけで、どんどんASICメーカーのマージンが喰われる訳じゃないですか。ただやはりお客様に対する責任感がありますから、「まあここまで来ましたし、では判りました、コストはこれで限定しましょう」という事があるんですよ。で、FPGAの場合は、もう少しスケーブラルな所があるんですよね。一応パターンが決まったところで、勿論確実な線を狙うのであれば、お客様の所に大きな(ゲート数の)パーツを持っていって使っていただけばいいんですが、やはり単価も調整しなければいけないかと思うんですよね。ですので、「では、この機種はどうしてもやっぱり置き換える必要がありますので、もう少し大きいパーツを使います。ただ、このシステムはもう少し小さい回路でいいので、この機能を削って、(小さな)これを入れます」といった事が出来ます。ASICを使う場合、どちらも同じASICになるわけで、そういう意味でInnovationの部分はやはり難しいんじゃないかなと思います。

Q: 逆にそのあたりを差別化の武器として喰い込んで行こう、と。

Rogan: そうそうそう。僕はご存知のように15~6年位居るんですが、以前の日本はシステムレベルで凄いInnovationが色々出てきていたんですが、残念ながら現在は、ASICの開発費を償却するために、もの凄い大量の製品を作って販売しないといけない。ですから、システムの数そのものはずっと少なくなってると思うんですね。以前は、日本のメーカーがどうやって成功したかというと、たーーーくさんの種類の製品を作っていた。例えば100種類作っても、その中で成功したのは10位ですよ。でも100種類をそもそも作らないと、その10は見つけられないじゃないですか。でも今はASICの開発費が高いから、100は作れないんです。最初は10しか作れなくなったら、ヒットするのは1つにしかならないじゃないですか。そういう状況になっている訳で。

Q: (ヒット)1つでカバーするのは難しい、と。

Rogan: そうそうそう。ですからFPGAだったら、もう少しそれぞれの市場に合うような機能が出せるんじゃないかと思うんですよね。

Q: その、その新機能の話ですけど、ちょうどミドルクラスに結局色々使ってるじゃないですか。ところが、例えば、インタフェースで言えば、今まではPCIとかPCI ExpressのGen 1があれば良かった。ただそろそろGen 2だよ、とか。またこの先に見えているもの。例えばSerial ATAのGen 2とかGen 3、あるいはUSB 3.0とかはもう見えていますよね。あるいはDisplay Portとか、要するにSerDesがもっとハイスピードになってくる傾向にあります。で、これに対して何かソリューションはないんでしょうか?

Rogan: Oh! very good question! 答えがあるんですが、まだちょっとあの、なんて言うか(笑)。でも噂、どうですか何か聞いてませんか?

Q: いやまぁ色々聞いてはいるんですけれど。Gen 2が入るんじゃないかとか、Display Poerが入るんじゃないかとか。

Rogan: High-Speedの色々なものをやりませんか? とか

白: プランはありますね。

(続く)