Q:今後、一つは映像処理系、もう一つはDAPDNA 3があって、更にそこから広がってゆくというロードマップをこの前拝見したんですが。ここで画像処理と言うと、今度は所謂GPUと思いっきりぶつかってくるのかな、と。向こうはある意味Fixed Functionなんですが、非常にRichなFixed Functionで、物凄い並列度を持っており、それが物凄いスピードで動いているわけです。このあたりとはどういう形で棲み分けになって行くんでしょうか?

A:最終的には、画像の、特化してやる事が決まってる部分に対してこの技術を強制的に持っていくというのは、コスト的にあまりメリットは無いと思ってます。ただお客様によっては、そこそこのグラフィックじゃない処理も合わせながら処理したいという、そういう要求は少なからずありますし、あとグラフィック処理だけでは間に合わないので、グラフィックチップにプラスアルファ何かを、ディスクリートチップを別に起こしたいって話もあるわけですね。その時はちょっと位置付けが変わってくると思います。

FFTもそうなんですが、FFT単体だけで、前後に何も付けない場合は、例えばFP11という選択肢もありますよね、ところが、プリ処理とかポスト処理とか、色々な処理のトータルでソフトウェアを変えたいんだと。グラフィックもそう言った中で表示するだけの一つの位置付けだと。グラフィック一個に処理性能を持たせてもいいし、それが嫌で等価な事をやって行くのならば、別の事に切り替えて使いたいとかいう事があるかもしれない。将来パフォーマンスが上がってゆく中で、お客様から見たら、そういったものを混ぜて使うという選択もあるわけです。

アーキテクチャ上、固定デバイスを沢山複数繋ぐか、自由度のあるデバイスを固定デバイスとの組み合わせにするとか、あるいは固定しないデバイス一個で全部やるのかとか、お客様のトレードオフになって行くわけです。それはまあ、コストとの関係ですね。で、グラフィックのチップと、当面競争することそのものはやりたいとは思っていないんですが、お客様によっては結構グラフィックの要求があるんですね。ある処理だけやりたいとか、お客様が特殊な要求を入れたいとかいう事もあるので、そこは結果的にグラフィックのマーケットに直接入るという事では無いんですけれども、部分的にグラフィックの処理を行うような形で。ご存知のように、画像と言うのは、その隣接間のデータアクセスが効率よく出来るという特殊なものなので、並列度を示すのには、見てわかり易いという意味で、アピールの方法としては結構大きいので、そう言う事をやって行く可能性は有ると思います。

要するにグラフィックのマーケットを取るという事ではなくて、グラフィックを扱うお客様で別の事をやりたいのがメインであって、一部グラフィックでやりたいと。将来のDAPDNA 3というものに関して、我々が今考えているのは、違ったアプリケーションのデータのデータマイニングですとか、あるいは特殊な化学計算をさせるとか、物理法則、物理式をいろいろ計算するときに、物理的な起こってる現象に近いモデルを作って、直接そのシミレーションさせるとかですね。そういう用途では、たぶん結果的に最後は映像を出したいと。わざわざグラフィックのチップを作って何かと言うよりは、計算が終わったら最後はグラフィックの処理もやってよねと。そういう意味でグラフィックというのはあの一つの課題になるかなとは思ってます。グラフィックのチップそのものと競合するって事では無いようにしたいと思ってます。お客さんの選択として、どうせここまでやってデータ出力をするのだから、あの出力は待っても良いよと。1秒使っても2秒使ってもいいから、切り替えてやってよ、というのはあるかもと思います。

Q:今は逆にグラフィックが割とこっちに擦り寄って来てるのかな、と。昔は何も出来ないFixed Functionだったものが、最近シェーダーという名前になり、しかもUnified Shaderとして何でも出来る様になって、しかもFloatでFP32とかを普通に扱えるようになって来ていると。それが24並列とか32並列であるとかいう恐ろしいエンジンです。最近は3Dの物理計算をどうやってグラフィックの方にオフロードするか、とかグラフィックだけでは売れないからコプロセッサとして使おうとか言う事をATIとかやっているわけで、それは思いっきりぶつかってるなあと思うのですが。

A:そうですね。結果的にはたぶん。又そこがお客様のニーズって意味で両方とも両側から見ると、お客様のニーズはお互いに見えてますってことかもしれません。