Q:TBIとXDRの関係についてですが、既存のXDRとXDR2が既にあり、TBIはその上に位置づけられると考えていいのでしょうか? それとも、全く別のSolutionとなるのでしょうか?

D:それは厳密には正しくない。TBIはまだTechnology Announcementであり、Productではないからだ。

Q:ああ、それはそうです。では言い換えます。TBIをベースとした将来の製品は、XDR/XDR2の上に位置づけられる形になるのか、それとも全く異なる製品ラインとして提供されるのでしょうか?

D:現時点では、どちらの可能性もある。現時点ではまだそうした事は決定していない。そもそも現時点では製品アナウンスはしていないからね。

Q:なるほど、ところでDDR4についてはどう思われますか? DDR4はSingle-EndedとDifferentialの2種類の形態が提供されることになりそうですが。昨年DDR3-1600は難しいというお話を頂きましたが、最終的にJEDECはDDR3-1600まで標準化しました。そして現在メモリベンダーやIntel / AMD / MicrosoftといったベンダーはDDR4の標準化を進めようとしています。

D:DDR3-1600で難しいのは、何枚のモジュールを装着するかという話だ。PC100の頃は、1chに4枚のモジュールを普通に装着できた。DDR2と大多数のDDR3は2枚のモジュールが一般的だ。だがDDR3-1600で標準化されたのは、たったの1枚だ。これはConsumerにとって、アップグレードの余地が無いことを意味している。なので、これはPCメーカーにとってMarketingが難しくなるだろうと私は見ている。これはDDR4にも言えることだ。

Q:敢えてお聞きしますが、DDR4を退けてXDR2がPC用のメインメモリの座に着く可能性はあると思いますか?

D:可能性は一杯あるからね(笑) 将来の事は言えないが、現時点の製品に関して言えば、我々は既に製品を提供しているわけで、なので可能性そのものはあるだろう(笑)。勿論問題も一杯あることは理解しているがね。

Q:もう一つ。RAMBUSはStandard DDR3のI/FのIPも提供しています。で、先ほどのRies氏のプレゼンテーション(Photo20)の中にDDR3+というものが出てきましたが、これは何でしょう? 単に1600Mbpsを越える速度のDDR3をサポートするという話なのか、それともDDR4を見据えたものなのでしょうか?

(Photo20)

D:単純な答えは、より高速な動作をサポートするというものだ。DDR3の中には、2Gbps以上で転送できるものもある。こうしたものでもちゃんと動く事をサポートできるというものだ。DDR2においても、やはり定格より高速で動作するI/Fを我々は提供しており、日本の企業の中にも導入したところがある。これのDDR3版ということだ。我々はXDRのFlexPhaseのTechnologyを持っており、これを組み込むことでDDRをより簡単にシステムに導入できるようになっている。

Q:XDRに話を戻しますが、例えばHPCのエリアでも、Cell BEを積んだIBMのBlade ServerにはXDRが使われています。が、これを使っているユーザーは多くなく、大多数は例えば同じIBMでもBlueGene/Lの様にStandard DDR2が使われています。こうしたところをXDRで置き換えるという話はないのでしょうか?

D:Multi-Core CPUは常にMemory Bandwidthが不足している。なので、可能性から言えばXDR2以降のメモリは非常にこのマーケットに有望である。数多くのプロセッサに対し、非常に少ない(プロセッサの)ピンで、必要な帯域を提供しなければならないからだ。勿論オンチップメモリとかキャッシュも大いに役立つわけだが、ただ外部メモリの必要性がなくなるわけでなく、XDRやXDR2、TBIを使った製品は非常に有望であろう。