「矢沢永吉には、シンパシーを感じる」(佐藤ポン語録より)

iStockphotoに持ち込んだ私の作品。このまま写真集として出版できそうなクオリティーだと自負している

iStockphotoに天才 佐藤ポンの写真を売り込んだが、あえなく玉砕。多分、マジな話、人生初の敗北。しかし、最後にiStockphotoの担当A氏がボソッとつぶやいた言葉を、私は聞き逃していなかった。

横浜のマリンタワー展望台から撮影した風景の写真を見たA氏は、「これなんて、いいじゃないですか!」と確かにお世辞抜きで言っていた。だが、この写真は連載第2回で書いたように、iStockphotoの審査に落選している。それどころかPIXTAにも落選したという、呪われたNGショットである。

なにかがおかしい……。「基準ブレてませんか? 私は許しますけど、多分SATOは許しませんよ」と往年の矢沢永吉的論調でA氏に詰め寄る私。A氏によると、レタッチがまだ不十分だが、少し手を加えれば審査には通るかもしれないとのこと。

「俺自身が未来へ向かうタイムマシーン」(佐藤ポン語録より)

iStockphotoの審査が厳しいと言われている理由のひとつに、「写真に写っている文字は、ほぼすべて消さなければいけない」というルールがあるそうだ。この風景写真を100%に拡大すると、建物に企業名やブランドロゴが入っている場所がいくつも確認できる。当然、これらはiStockphotoではNG。「Photoshop」などで、これらを消してしまえば、審査に通る可能性が高くなるとのこと。この写真、構図は特に凝っていないが、このように高所から撮影した写真は青空のスペースがほとんどないので、ノイズも目立ちにくい。この写真の文字を徹底的に消しておけば、連載2回目でiStockphotoの審査を華麗にパスし、今ごろはストックフォト長者になっていたかもしれない。

これが審査に落ちたマリンタワー展望台からの写真。小さくてわからないだろうと無視していたが、確かにロゴは見える

これが拡大して見えたロゴ。これだけ多いと、審査に通るわけがない

「レタッチでも俺の情熱だけは消せない」(佐藤ポン語録より)

A氏に「iStockphotoの審査に通すためには、文字をどこまで消すべきか?」尋ねた。するとA氏は「読めそうな文字はすべて消すべきです」と即答。例えばPCの写真を登録する場合は、PC本体やモニターに刻印されているメーカーのロゴだけでなく、拡大すると視認できてしまうかもしれない「モニターケーブルに印刷されている文字」まで消すほうが良いそうだ。私が生涯の撮影テーマとしている秋葉原の街は、どこを向いてもロゴだらけ。このような街はiStockphotoには向いていないのかもしれない……。レタッチをするとしたら、そうとう手を加えなければ審査に出せないからだ。

私はこのネオンの美しさに魅せられて、この街に事務所を構えた

次回、A氏のアドバイスをもとに、新たな撮影技術を学び、さらに私が華麗な進化を遂げる!