「才能なき者の俺への嫉妬は完全に想定内」(佐藤ポン語録より)

iStockphotoのA氏による、私の写真へのダメ出しが続いている。A氏は私の才能に気を遣い申し訳なさそうに、「ダメ出し」をするという外資系企業とは思えない日本的な配慮を見せてくれているが、私の担当編集者は、なぜか満面の笑顔! どういう訳か知らないが、私の写真の欠点が指摘されるのが、嬉しいようだ

A氏は、私の別の写真の一部分を拡大させ、言葉責めを続ける。「これ、ズームレンズで撮ってますよね。パープルフリンジが出てますね」と言う。ああ、撮影機材については当たっているが、後半の単語は知らなかったので、私はすかさず、「あぁ、パプフリですね」と答えておいた。こうして、様々な欠点を指摘され、iStockphoto殴りこみは、終了した。

「俺は太陽、抱かれた女はシミ/ソバカス増加必至」(佐藤ポン語録より)

雑草のようにめげない私は秋葉原のオフィスに帰宅後、早速パープルフリンジを調べてみる。パープルフリンジとは、デジタルカメラで明るい被写体を撮影したとき、輪郭に表われる紫色の線のことらしい。この紫の線が、私の写真では建物の輪郭にうっすらと写っていたのだ。本来であれば建物は輪郭がしっかり写っていなければならないのだが、パープルフリンジが出てしまうと周囲がにじんだ感じになってしまう。では、パープルフリンジを抑えるにはどうしたらよいのだろうか。

A氏によると、これはズームレンズで撮影したときに出やすいので、なるべく単焦点レンズを使うのがよいそうだ。また、フレーム内に太陽などの強い光源がある場合も出やすいという。しかし、これらを注意しても撮影環境によっては、パープルフリンジ強く出てしまう場合もある。そのようなときは「Photoshop」を使ってのレタッチが不可欠。だが、前述したゴミ取りと違ってパープルフリンジの除去は高度なレタッチ技術と手間がかかるため、ストックフォトグラファーの中にはプラグインなどを使ってレタッチをする人も多いらしい。

一見キレイに見える写真だが、拡大して見ると……

光が強く当たる場所に「パープルフリンジ」が表われている

やられてばかりの私ではない。次回、審査に通り易い写真に関する情報をiStockphotoより入手して暴露、いや、紹介する。