「俺は薄汚れた世界を殺菌する消毒液」(佐藤ポン語録より)

2週連続で「ストックフォトが売れる」という快挙を成し遂げ、「二度あることは三度ある」という言葉を信じてPIXTAからのメールを待ち続けている私です。しかし、3枚目はまだ売れていません。やはり、ストックフォト長者への道は容易ではないようです。というわけで、今回はiStockphotoの世界的な撮影会「iStockalypse」の潜入レポートを再開したいと思います。

今回の撮影現場は病院。待合室や診察室などがスタジオと化す。消毒薬の臭いが私をさらに清める

「君の恋の病は、俺の治療でさらに悪化」(佐藤ポン語録より)

iStockalypseへの2回目の潜入取材の舞台は東京 青砥にある某病院。内視鏡検査が大好きな私は病院が撮影の舞台というだけで、興奮を隠し切れない。

会場となった病院は、リハビリ施設も併設されている大病院だ。建物内ではすでに約10名のフォトグラファーがスタンバイしている。集まっているメンバーを見ると、前回の浅草の現場にはいなかったフォトグラファーたちだった。ロビーに入ってまず驚いたのは、部屋の中央にある円柱状の巨大水槽。この中をキレイな熱帯魚が泳いでいる。まるで水族館の「南国の魚コーナー」のようだ。私はこの水槽を中心に写真の構図を考えた。しかし、世界で活躍するフォトグラファーたちは巨大な水槽には目もくれず、来院者用のソファーや受け付けカウンターなどをチェックしている。なぜだ?

おそらく、ここに集まったフォトグラファーたちは「病院」をテーマにした写真を撮るのが目的なので、水槽を撮る必要がないのだろう。私なら、「キレイだから」というだけの理由でモデルを水槽の前に立たせて撮影していたかもしれない。実際に、そんなシンプル過ぎる構図が私の頭には浮かんでいた。だが、ストックフォトを購入する顧客にとって、病院の水槽などはどうでもよい存在だ。むしろ、水槽が写っていると病院の写真などは敬遠されてしまう。

このように、立派な水槽は完全にフレームアウトしている

「『女医』と『JOY』は同義語。どちらも俺を喜ばせる」(佐藤ポン語録より)

ストロボやレフ板などのセッティングが終わり、いよいよ撮影開始。今回のモデルは、男性の医者と女性の看護婦、そして年配の男性が演じる患者の3名。撮影は前回の浅草同様にチーム制で行なわれたが、今回はフォトグラファー全員が一斉にシャッターを切っている。浅草では写真を撮る人間はひとりで、他のフォトグラファーはレフ板を持ったりストロボを調整するなどのアシスタント役に徹していたが、今日のレフ板は三脚にガッチリと固定されている。誰かアシスタント役になったほうがいいのではないだろうか? そんなことを部屋の隅で考えいたが、すぐに「これはこれでいい」ということに気づいた。

今回は一斉に撮影しているので、アングルはフォトグラファーごとに異なる。これなら似たような構図の写真がiStockphotoに出品される心配もない。そのため、事前に誰がどのような構図を撮影するのかを打ち合わせる必要もなくなり、限られた撮影時間を有効に使える。今回の撮影を見て、チームによって撮影スタイルも様々だということがわかった。

撮影の合間、モデルにポーズの指示をするのは撮影しているフォトグラファー全員。一定の枚数を撮影したら誰かが指示を出し、また撮影したら誰かが指示を出す。これを約30分ほど繰り返し、ロビーでの撮影は終わった。撮影はとてもスムーズに進行しているように感じられた。このような撮影は、9日間寝食を共にしたトップレベルのフォトグラファー同士だからこそ可能な撮影方法なのかもしれない。

誰も見向きもしない水槽を筆者だけは撮影。奥の美人ナースが熱い視線で私を見つめているようだ

3名が同時に撮影開始。モデルのポーズは同じでも、仕上がる写真の構図は全く異なる

次回も撮影会への潜入取材を続行。真面目に取材を続ける私の姿を見た美人ナースが、私に恋をするという驚愕の新展開はあるのか?