今年はスーパーの総菜がよく売れているらしい。もともと揚げ物は自宅で作ると手間がかかるからと総菜愛用の家庭も多いだろうが、今年は「揚げ物をしていると暑くなるから」という理由から、冷房需要を減らすために総菜を積極活用する人が増えているようだ。節電もできてラクちんで、なかなか賢い選択かもしれない。

そこで、さらに一歩進めて、節電のために積極的な外出をオススメしたい。例えば、外食すれば調理のための電力はもちろん、食事中のエアコンやテレビ、片付け中の給湯器などを使うための電力なども節約できる。さらに1日中外出していればかなり電力消費が抑えられるはずだ。

震災以降、何となく自粛ムードがあり、外出が億劫になっている人もいるのではないだろうか? そこで「節電になるから」という理由をつけて出かけてみよう。ジムや習い事に通い始めるのもよい。今まで「やってみたいな」と思いつつも放置してしまっていた、興味のあるコトに手を伸ばしてみるチャンスだ。

家族で旅行に出かければ節電効果もばっちりだ。もちろん、お出かけ前は待機電力で消費されてしまわないように方々のコンセントを抜いておこう。いっそ、冷蔵庫の整理をかねて計画的に中身を減らし、電源を抜いてしまうのもアリ。霜取りもできるよい機会だ。

家で風呂を沸かす代わりにスーパー銭湯や健康ランドに行くのも楽しい。大きな浴槽で体を伸ばしてリフレッシュしつつ、家庭の消費電力はバッチリ抑えられるのだから魅力的だ。飲食店や宿、交通機関は利用者が少なくても稼働しているのだから、ガラガラではもったいない。うまく活用したほうが世の中全体で見た時にムダがないのではないだろうか。経済効果も期待できるし……と、少々の贅沢に対する自分への言い訳には事欠かない。

同じ理屈で、可能ならば「ノマドワーカー」としてデビューしてしまうのもアリだ。ノマドワーカーとは、「ノマド=遊牧民」のように働く人、つまりオフィスなどに縛られずに働く人のことをいう。

最近は、ファーストフードやカフェで電源が使える店も増えており、そうした店舗の情報を交換するコミュニティもある。ノートPC1台を持って出かければ、ちょっとした仕事をする場所が簡単に確保できる時代なのだ。特にスマートフォンやタブレットを持っているならば、外付けのキーボードとポケットルータをセットで持ち運べば、電源も公衆無線LANサービスもいらない。腰掛ける場所さえあれば仕事ができてしまう。

全国のPCの電源が使えるカフェを紹介しているWebサイト「バッテリーオアシス」

SOHOや個人事業主と違ってノマドワークが難しい人も、仕事のやり方を上司や同僚と相談してみてはどうだろうか。朝礼に参加するためだけに出勤したり、メール処理などのためだけに外出先からオフィスに戻ったりしているようならば、外出先で作業できるようにしてしまえば時間や交通費のムダだってなくなる。

もちろん、外出や旅行にあたっては行き先の営業状態は要確認だ。今年は震災の影響や節電対策で営業時間などに変化のある所が多い。なじみの場所でも、事前にネットや電話で確認してから出かけることをオススメしたい。