【コラム】

PCスクランブル

62 2003年PC動向総決算

    PC Creation  [2003/12/15]

    2003年もとうとう12月中旬となり、いよいよ本格的に忙しくなる時期となりました。この時期はどうしてもあわただしくなりますので、年末年始の準備は早めにしておきたいものです。ということで(?)、今回は2003年のPC関連の話題について、動向などをまとめてみたいと思います。

    ○全体的に低調だったCPU動向

    PCの話題でいつも中心になるのがCPUですが、2003年はいつになく低調な動向だったようです。新CPUとしては、800MHz FSB/Hyper-Threadingに対応したPentium 4 2.4C~3.2GHzが登場し、AMDからは新型CPU Opteron/Athlon 64/FXが登場しました。また、デスクトップ用としては異例の2MB L3キャッシュメモリを搭載したPentium 4 XE(Extreme Edition)なども登場しています。これらはもちろん以前のCPUよりも高性能で、ショップなどでの売れ行きもほどほど好調のようです。ですがマーケット的にはいまいち活気がなく、CPUがいつものようにPCマーケットの牽引役とはいえなかったようです。

    それがなぜか考えてみると、理由としてはCPUのクロックがほとんど上がらなかったことがありそうです。今年登場したCPUのクロックの上昇度をみると、主力CPUのPentium 4においては3.06GHzから3.2GHzへと、わずか140MHzしか上がっていません。2003年の当初の予想などでは、今年は90nmプロセスで製造されたCPUが登場し、あわや4GHzに到達するか、もしくはそれに近いCPUが登場するかもしれないと期待されていましたが、終わってみれば昨年のCPUとあまり代わり映えがしなかったのです。

    期待されていた割には静かなブームで終わったAthlon 64。2004年の巻き返しが望まれる

    一方、ハイエンドのCPUとしてPentium 4 3.2GHz XEやAthlon 64 FX-51などが登場していますが、これらのCPUは高性能なCPUであるものの、デスクトップCPUとしては実勢価格が10万円前後とあまりにも高価であり、一般ユーザーにはおいそれと手がでない状態です。期待されていたAthlon 64 3200+にしても実勢価格は5万円ほどで、こちらもリーズナブルとはとてもいえない価格です。これではいくらCPUが高性能であっても、ユーザーの関心をあまり引かないのではないでしょうか。

    こうしたことが要因で、2003年に登場したCPU動向は低調だったものと思われます。しかし来年は90nmプロセスのPentium 4が登場し、Athlon 64もバリエーションが増えて購入しやすいCPUが登場するようなので、それらの新型CPUに期待したいところです。

    ○相変わらずの人気商品、記録型DVDドライブとTVキャプチャカード

    記録型DVDドライブやTVキャプチャカードなどは昨年から話題性がありましたが、今年もその状態が続き、相変わらず強い人気を保っていたようです。昨今ではCPUの高速化よりもTVキャプチャのためにPCを自作するユーザーがいるほどであり、自作市場がだんだん高性能化よりも実用的な方向へとシフトしていることを感じさせるほどです。

    低価格H/W MPEG-2 TVキャプチャカードの火付け役となったELSA「EX-VISION 1000TV」

    DVDドライブはより低価格化が進み、いまや実勢価格が1万円前後のドライブが登場し、高い人気を呼んでいます。TVキャプチャカードは高画質化のための機能を備え、MPEG-2のハードウェアエンコード機能を備えた低価格カードがいくつも登場し、それらが年末の駆け込み需要も相まって販売はどれも好調のようです。ここでそうした製品にどのようなものがあるかチェックしてみると、以下の製品があげられます。

    ・記録型DVDドライブ

    メーカー 製品 仕様
    日立LG GSA-4040B DVD±R 4倍速/DVD-RAM 3倍速ドライブ
    アイ・オー・データ機器 DVR-ABN8 DVD±R 8倍速書込対応
    NEC ND-1300A DVD±R 4倍速ドライブ

    ・H/W-MPEG-2 TVキャプチャカード (実勢価格1万5千~2万円クラスのパーツ)

    メーカー 製品 エンコーダチップ 主な仕様(*)
    アイ・オー・データ機器 GV-MVP/RX CONEXANT CX23416 GR/3DYC/DNR
    NEC SmartVision HG2/R NEC uPD61051 GR/3DYC/DNR/TBC
    玄人志向 CX23416GYC-STVLP CONEXANT CX23416 GR/3DYC
    カノープス MTV1200FX 松下 MN85560 GR/DivX対応
    ELSA EX-VISION 1000TV CONEXANT CX23416 GR/3DYC
    (*注: GR=ゴーストリデューサ、3DYC=3次元Y/C分離機能、DNR=デジタルノイズリダクション、TBC=タイムベースコレクタ)

    上記の製品はほんの一例ですが、市場にはさらに多くの製品が登場しており、選択時には本当に迷うくらいです。それくらいこのカテゴリのパーツは充実してきており、安定した人気を得ているといえるでしょう。

    ○その他パーツなど

    2003年を賑わしたパーツといえば、PC3200/PC2700メモリやDirectX 9対応ビデオカードなどがありました。これらの他には少し勢いがなくなりましたが、静音用パーツや個性的なアルミケースなどが思い浮かぶところでしょうか。2003年は発光パーツに次ぐ楽しいアイテムは登場しなかったようです。

    以上、簡単に振り返ってみたところ、どちらかというと高速CPUが登場しなかったためか少々渋めとなったPC動向です。年間を通してみると確かにいくつか新鮮なパーツの登場があったものの、全体的には大きな動きはなく、ブームを呼ぶほどのものはなかったようです。しかし来年は大物パーツの登場や新しい規格などがいくつも登場する予定です。それらによってPCのスタイルも変わるかもしれないため、既に高い関心を呼んでいるようです。2004年にどのような新パーツが登場するのか、大きく期待したいところです。

    ○お知らせ

    コラム「PCスクランブル」は今回が仕事収めで今年最後の掲載となります。この時期は事故が起こりやすく、風邪も流行するため健康を損ねやすくなりますので、それぞれ気をつけて無病息災で過ごしたいものです。それでは読者のみなさん、よい年末年始をお迎えください。今年一年、当コラムをご覧いただきありがとうございました。

    PC Creation( pccreation@pc.mycom.co.jp )

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