【コラム】

PCスクランブル

53 便利アイテムUSBメモリを使いこなそう(3)

    PC Creation  [2003/09/22]

    データ記録用ドライブとして手軽に使用できるUSBメモリは、比較的小さいサイズのデータを記録して、データの交換や持ち運びに利用するのが一般的な用途です。しかしUSBメモリには他にも便利な活用方法があります。今回はその方法を紹介します。

    ○USBメモリでPCを起動

    USBメモリはUSBストレージクラスのデバイスであり、USB-HDDと等価な機器であることは前々回にも説明しましたが、HDDと等価であればUSBメモリからPCを起動できるかもしれません。もしUSBメモリからPCを起動できればいろいろと便利に使用できそうです。たとえば、自作PCなどではBIOSのアップデートにFDDを利用することがありますが、FDDは低速なので扱いづらい面があります。また今ではあまり使用されなくなりつつありますが、DOSの起動ディスクなどがあるとPCのメンテナンスや簡単なチェックに役立つことがあります。

    こうしたBIOS更新用ディスクやDOSの起動ディスクをUSBメモリで実現できれば、FDDよりも更に扱いやすくなりそうです。そこでUSBメモリの起動方法を調査した所、USBメモリを起動ディスクにするには以下のような条件が必要でした。

    1.USBメモリが「ブートアップ」に対応していること

    USBメモリからPCを起動するためには、必須条件として、USBメモリがブートアップ機能を備えている必要があります。しかし残念ながらすべてのUSBメモリがこの機能を備えているわけではないようです。筆者が調べてみたところ、ブートアップを公式にサポートしているUSBメモリ製品は少なく、大半の製品では対応は不明でした。そのため現状では、USBメモリがブートアップ機能を備えているかどうかは、動作させて確認してみるまでわからないという状況のようです。またブートアップに対応している場合は、カタログにPCの起動が可能と記載されている場合もありますので、USBメモリの選択時にはよくカタログをチェックしておくとよいでしょう。

    2.マザーボードBIOSがUSB-HDDからの起動をサポート

    現状の多くのマザーボードでは、USB-FDDやUSB-CDROMからの起動をサポートしていますが、最近のマザーボードではこれらに加えて、USB-HDDからの起動をサポートするものもあります。

    USB-HDDの起動設定

    USBメモリからPCを起動するためには、マザーボードのBIOSにこの設定項目がある必要があります。この設定がある場合、PCの起動順番の設定部分でUSB-HDDを設定しておくことでUSBメモリからの起動が可能になります。

    上記の2つの条件を満たす場合、USBメモリからPCを起動することが可能になります。なお筆者がいくつかのUSBメモリ/マザーボードの組み合わせを確認したところ、以下の組み合わせにおいてUSBメモリからPCを起動できました。

    USBメモリ マザーボード
    Transcend JetFlash 64MB Intel D845GBV BIOS Ver P17 (845Gチップセット)
    ABIT IC7-G BIOS Ver 1.6 (875Pチップセット)

    ○USBメモリを起動ディスクにする方法

    USBメモリを起動ディスクにするには、FDなどとは異なった多少複雑な手順が必要になります。そこで筆者が試した手順を参考として示します。

    起動ディスクを作成するには何らかのOSが必要になりますが、筆者はWindows 98で作成できる起動FDのMS-DOSを用いました。Windows 2000/XPを使用している場合は、「FreeDOS」などでも代用できます。MS-DOSやFreeDOSなど、FDから起動できるOSが用意できたら、次の手順でUSBメモリを設定します。なおUSBメモリはフォーマット済で、PCのルートハブ(マザーボード上のUSBコネクタ)に接続しておきます。

    1.PCに接続するドライブ設定

    USBメモリを起動ディスクにするためには、PCに接続するドライブを、A:FDD/C:USBメモリとなるように設定します。このようにするには、IDE/RAIDなどに接続されるHDDを一旦BIOSで無効になるようにするかケーブルを外す必要があります。

    2.DOSの起動FDでPCを起動

    上記の設定後に、起動FDでPCを起動します。起動したら「dir c:」とコマンドを実行し、USBメモリが正しく認識されているか確認してみます。

    3.パーティションをアクティブ化

    次にUSBメモリのパーティションを設定します。fdiskでCドライブをアクティブパーティションに設定してください。

    4.システムファイルの転送

    USBメモリへシステムファイルを転送します。システムファイルは「sys c:」というコマンドを実行することで転送できます。

    以上の操作でUSBメモリから起動できる状態になりますので、「1.」で無効にしたHDDを元に戻してから、確認のためFDを抜いてPCを再起動してみてください。再起動してUSBメモリから起動すれば設定は正常です。起動の確認ができたら起動FDの内容をUSBメモリにコピーします。これでUSBメモリが起動FDの代わりとして使用できます。

    なおUSBメモリの起動はFDDに比べて高速であり、ためしに計測してみたところ、D845GBV+JetFlashの組み合わせで、FDは電源オンからDOSが起動するまで59秒かかっていたのが、USBメモリは17.5秒と大幅に短縮しました。

    ○その他の活用方法

    これまで紹介してきたように、USBメモリは記録用ドライブや起動ディスクとして利用することができますが、それ以外にも独自の機能を搭載する製品もあります。USBメモリ製品によっては、付属ソフトウェアによってUSBメモリが接続されていないとPCが動作しないよう鍵のように使用できたり、メールソフトをインストールしてどのPCでもメールを送受信できるようにしたりと、さまざまな工夫がされています。

    USBメモリは一見するとあまり機能のないシンプルな機器に見えますが、ソフトウェアのサポートや使い方によって便利に使用することができます。まだ使用したことのない方は一度USBメモリの利用を試してみてはいかがでしょう。

    PC Creation( pccreation@pc.mycom.co.jp )

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    http://pcweb.mycom.co.jp/column/scramble.html

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