【コラム】

「老後破産」を回避せよ! - アラサーから始めるマネー対策

28 病気やケガで老後破産しないために

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連載『「老後破産」を回避せよ! - アラサーから始めるマネー対策』では、FPの馬養雅子氏が、貧困により老後の生活が破綻する「老後破産」をどのように回避すればよいのか、アラサーのうちからできる対策法をご紹介します。
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「国の年金は死ぬまで受け取れるとしても、重い病気にかかって医療費がかさんだら老後破産するかもしれない」と不安に思う人もいるかもしれませんね。今回は、病気になったときのお金について見てみましょう。

病気や怪我は公的保険でほぼまかなえる!

ご存じのとおり、病気やケガで病院に行って治療を受けると、窓口で支払うのはかかった医療費の3割です(年齢によっては1割や2割の場合もあります)。これは、公的な健康保険に加入しているからです。

会社員なら健康保険組合、自営業者なら国民健康保険など、日本ではすべての人が何らかの公的な健康保険に加入することになっていて、健康保険証があれば日本中どこの病院や診療所へ行っても治療を受けることができます。そのときかかった医療費のうち本人が負担するのは最大3割で、残りは健康保険から支払われます。

病気やケガで老後破産しないために(画像はイメージ)

「自己負担が3割だとしても、もし医療費が100万円かかったら30万円払わなきゃならないからキツいよね」という声も聞こえてきそうです。でも、そういうことにはなりません。なぜなら、公的健康保険には、1カ月の医療費の自己負担額に上限が設けられているからです。

上限額はその人の収入によって違い、年収370万~770万円程度だと約9万円です。仮に1カ月に医療費が100万円かかっても、自己負担額の上限は約8万7,000円。窓口で30万円払っていたら、差額の約21万3,000円は"高額療養費"として返してもらえます。さらに、上限額に達する月が1年間に3カ月以上あったら、4カ月目以降は上限額が4万4,400円に下がります。

健康保険組合によっては、上限額がもっと低いケースもあります。自分の加入している健康保険組合ではどうなっているのか、ぜひ一度確認しておきましょう。

病気や怪我で働けなくなったときも「傷病手当金」がある

このように、病気やケガに関しては、自分の判断で健康保険の対象とならない高額な治療を受けるといったケースを除けば、医療費の負担がものすごく大きくなるということはないと考えられます。

「でも、病気やケガで働けなくなったら収入が途絶えて老後破産するかもしれない」という心配はありますよね。これについては、"傷病(しょうびょう)手当金"という制度があります。会社員など健康保険組合に加入している人が入院や自宅療養で仕事を休み、それによってお給料が支払われなかった場合、最長で1年6カ月間、お給料の3分の2に当たる額が支払われるという仕組みです。

このほか、難病にかかったときは医療費が無料になりますし、高度障害状態になったら障害年金が受け取れるなど、医療に関する公的な仕組みはかなり手厚いといえます。

もちろん、それで100%安心というわけではありませんが、こうした制度があることを知っておくことは大切です。知らないでいると、受け取れるはずのお金が受け取れず、それによって老後破産してしまうかもしれません。また、病気やケガが心配で必要以上に民間の保険に入ってしまい、保険料の負担が重くてお金が貯められないということもありえます。

制度の細かい内容は覚えなくても大丈夫。病気やケガで入院費がかさんだときや仕事を休んでお給料が入ってこないときに、こうした制度があることが思い出せればよいのです。そうすれば、自分で調べたり役所の窓口に問い合わせたりできますよね。公的な制度を知っていること、調べること、制度を活用すること――それが老後破産を回避することにつながります。

執筆者プロフィール : 馬養雅子(まがい まさこ)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。金融商品や資産運用などに関する記事を新聞・雑誌等に多数執筆しているほか、マネーに関する講演や個人向けコンサルティングを行っている。「図解 初めての人の株入門」(西東社)、「キチンとわかる外国為替と外貨取引」(TAC出版)、『明日が心配になったら読むお金の話』(中経出版)など著書多数。オフィシャルホームページ「あなたのお金のアドバイザー」。

※写真と本文は関係ありません

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連載目次
第38回 シングル男子とシングル女子、老後破産リスクが高いのはどっち?
第37回 老後破産を回避するお金の「読み書き能力」
第36回 老後資金づくりに向かない運用
第35回 想定外の出来事で老後破産しないために
第34回 介護で老後破産してはいけない
第33回 自分年金作りはコストを抑えて効率アップ
第32回 投資信託の積立で老後破産を回避する
第31回 コツコツ投資で老後破産を回避する
第30回 預金一辺倒は老後破産につながる?!
第29回 親と同じだと老後破産する
第28回 病気やケガで老後破産しないために
第27回 国の年金、実はとってもおトク?
第26回 「老後破産」っていうけれど、国の年金はどうなっているの?
第25回 老後破産回避に役立つ保険、役立たない保険
第24回 老後破産しないマイホームの買い方
第23回 "夢のマイホーム"で老後破産!? 購入前に覚えておきたい「3つのNG」
第22回 間違った教育費のかけ方で陥る"パラサイト破産"とは
第21回 教育費で老後破産しないために
第20回 シングル・晩婚者が注意すべきお金の話
第19回 老後破産しないための「結婚とお金」
第18回 お金のこと「わからない」「面倒くさい」が老後破産につながる
第17回 「老後が心配だから個人年金」はNG!
第16回 老後破産しないためにいちばん大切なこと
第15回 ダイエットできない人は老後破産する?!
第14回 収入が多いほど「老後破産」しやすい?!
第13回 老後破産予備軍はおサイフでわかる?!
第12回 借金は老後破産への最短ルート
第11回 クレジットカードは賢く使おう
第10回 やみくも貯金よりメリハリ支出
第9回 「みんなと同じ」が自己破産につながる?
第8回 行き過ぎた"ゆとり費"は貯蓄の敵
第7回 お金が貯まらない人がやっている3つのムダ
第6回 結婚後の生活費は「家計用口座」で一括管理
第5回 「お金にルーズ」は老後破産への第一歩
第4回 「ためられない」が老後破産につながる
第3回 老後破産しないためには、人生の"貯めどき"を逃さない!
第2回 "先取り貯蓄"が人生の味方になる
第1回 老後破産は結婚から始まっている!?

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