男子が女の子に甘えるというのは、なかなかむずかしいことだと思います。

性格的、信条的に「オレは男だから、女子に甘えたくない」と考えている男性もけっこういるかもしれません。また、甘えるっていうのは自分の弱みをさらけだすこと。女の子に弱いところを見せるのは男としてよろしくない……と思ってしまう男子もいることでしょう。

しかし、実は女の子だって、「好きな男子には甘えてほしい」ものですし、「あんまり完璧すぎる人よりも、甘えてくれたり弱いところをさらけだしてくれたりする人のほうが一緒にいてホッとする」と思っていたりもするわけです。

今日は、男子は女子に甘えてしまってもいいのか? という問題と、よい甘え方・よろしくない甘え方について考えてみることにします。

まず、結論から先に言ってしまうと、男子も女性に甘えてしまっていい。甘えられるところは甘えてしまっていいのだよ! と私は思っています。

たとえば、あなたに彼女がいるとしましょう。大好きな彼女のようすが、なんだか最近おかしい。どうやら、何か悩みを抱えているようだけれど、オレには何も打ち明けてくれず心ここにあらずというようす。

「何かあったの?」と聞いても、「何にもない。大丈夫だよ」と話をはぐらかされるだけだったら、あなたとしては、(なぜ、オレに話してくれない? オレをもっと信用して、何でも話して甘えて頼ってくれていいのだよ!) と言いたい気持ちになるはずです。

女の子も同じです。大好きな彼氏が、悩みを抱えているようすなのに、自分に何も話してくれない。明らかにふだんの彼とようすが違っていて、何か思い悩んでいるようなのに、私に弱いところを見せて甘えてくれない……となると、とってもさみしくて切ない気持ちになってしまうものなのです。 (私に心配をかけたくないと黙っているのかもしれないけど、何も話してくれないほうがよっぽど心配だよ。もっと私を信じて、甘えてほしいよ) と女の子も思うものなのです。

大好きな相手だったら、仲良しで一緒にがんばってきた友人だったら、女の子だからとか男なのにとか関係なく、一緒に悩んだり励ましあったりしたいもの。オレは男なんだから……と、女の子にヘンに気を遣って、何も話さずにいるよりも、相手を信頼して悩みを打ち明けたり甘えてみたりするほうが、かえってその後のふたりの関係が深まるかもしれません。

しかも、最近の女子は、本当に有能で大人で、問題処理能力の高い人が多いですから、女の子だからと遠慮せず、彼女が頼りがいのある甘えられる相手で、悩みの中身が甘えてもいいようなものなのでしたら、思い切って甘えてみてもいいと思います。

というわけで、ここからがまた大事なポイントですが、女の子に「甘える」と言っても限度やら程度やらというものがあります。

まずは、あまりよろしくない甘え方について考えてみることにします。

●女の子にやたらとお金を借りる。「あ、財布忘れてきちゃった。ちょっと立て替えておいて」と言って、カフェのお茶代やスーパーでの買い物、飲み会のワリカン分などを、ちょこちょこと女の子に借りる。そして、催促でもされない限り返さない。経済的に甘えてしまう。

●自分のミスや過ちを彼女のせいにしたり、自分の失敗に対するイライラを彼女に甘えて八つ当たりしたりする。男には男の事情があるという感じで、勝手に彼女に甘えてしまうパターン。

●彼女がいつも、ひとり暮らしの自分の部屋をそうじしてくれたり、ごはんを作ってくれたりするのだけれど、そうしてもらうことに慣れてしまい、自分では何もしなくなる。また、前は「ありがとう」とお礼を言い、自分も一緒に手伝っていたけれど、最近は彼女が家事をしている間、寝ていたりゲームをしていたりする。そして、お礼も言わない。彼女をお母さんのような存在にして甘えている。

●彼女だからわかってくれるだろうと思い、何も話さなくなったり、説明しなくなったりする。仕事が忙しくて余裕がないけれど、彼女ならわかってくれるとデートのドタキャンの理由を説明しない。男友だちから急な呼び出しがあって、彼女に連絡するのを忘れていたけれど、オレは悪いことをしているわけではないのだからと事情を説明しないといった甘え方をしてしまっている。

●仕事や勉強とは関係のない、細かな雑用や日常生活の事務的作業などを彼女に頼むようになり、自分では何もしなくなってしまう。

お金を預けて電気料金を払ってきてもらうなどの日常的雑務を、彼女を信頼してお金を預けてやってもらっているのだからかまわないだろうと思っていたけれど、彼女と別れたら何がどこにあるかわからなくなる。ゴミの捨て方や近所のおいしいお惣菜屋さんのことなど、生活する上で必要なことがわからなくなってしまう甘え方。

それでは、よい甘え方というのはどういったものかと言うと、

◯自分が苦手としていること。得意ではないことに関しては、スナオに、「お願い。これ、手伝って」と彼女に甘えてしまう。その上で、「やっぱ、すごいなー」と彼女をほめたり、「ありがとう」ときちんとお礼を言ったり、「△△ちゃんが困っているときは、オレが手伝うから」ということばを忘れない。

◯「今、こういう仕事をしているのだけれど、仕事がうまくいくか気が気でないし、残業続きでデートもできないし、くじけそうだ」と彼女に自分の置かれている状況をきちんと説明しつつ、弱音を言って甘えてみる。彼女が、「そうかー、たいへんなんだね。ムリしないで、でも頑張って。仕事落ち着いたら、おいしいものでも食べに行こう」と励ましてくれたら、「ありがとう、やる気でてきた。今度頑張る」と返事をする。

◯疲れてしまったとき、忙しさの合い間にポンと空いた時間などに、ちょっと彼女に電話をして、「特に用はないんだけど、声を聴きたくなった」と率直な気持ちを言ってみる。そして、彼女の声を聞いて安心する、疲れがふきとぶ、またやる気が出るということを相手に伝える。甘えているようで、彼女のことをよろこばせることもできる一石二鳥な甘え方をする。

◯自分の部屋で、彼女とふたりDVDをみているときなどに、彼女にひざまくらしてもらったりする。彼女が料理をしてくれているそばにいって、「何か手伝うよ」と声をかけながらくっついてみる。女の子から、(ふだんはクールというか、さらっとしている人なのに、私にだけ甘えてくれている) と思ってもらえるような甘え方をする。

◯ストレートに「大好き」「かわいい」と彼女に伝えてから、「オレは?」と聞いて「好き」と言ってもらってうれしがるというかわいい甘え方をしてみる、といったものがあります。

甘えることで、ふたりの距離が縮んだり、信頼感がましたりする。そんな甘え方がいい甘え方で、甘えてしまうことで、どちらか一方がつまらない気持ちになるのがよくない甘え方なのかもしれません。

男性も女性も、相手の状況や気持ちを考えて、スナオに甘えることができるといいと思います。そこをおさえた上で、ぜひスナオに甘えてみてほしいところです。

酒井冬雪です。女子にも男子にも甘えベタな人っているような気がします。そういう人はまず、甘え上手な人をジーッと観察して勉強してみるところから始めるといいかもしれません。では、またねー。