男の子ですもの。ひとつのことに一生懸命になって、周りがまったく見えなくなってしまったこと、あると思います。

仕事や趣味、男同士の友人の間でなら、周りが見えなくなって……という状況はゆるされるかもしれませんが、こと恋愛において、女の子に対してとなると話は少し変わってきます。今日は、恋愛の場面で周りが見えなくなってうまくいかなくなってしまったとき……について考えてみることにします。

というものの、恋愛の場面で周りが見えなくなってしまうのは、いいことなのかよくないことなのか? と聞かれると非常に困ってしまいます。なぜなら、周りが見えなくなるくらい相手のことが好き! というのは一概によくない……と言えない部分があるからです。

そもそも、周りが見えなくなってしまうほど、相手を「好き」と思う。彼女のことしか考えられない状況に陥ってしまうのが、恋愛の醍醐味といってもいい。好きな気持ちがあふれて、冷静でいられなくなって、がむしゃらに突っ走ってしまうくらいの気持ちで、女の子を好きになる。そんな気持ちを持つことが恋愛のすばらしさと言ってもいいかもしれません。

ところが、心のどこかが冷静で周りをとりまく状況もけっこう見えてしまっているとなると、それはそれで困った問題になってしまいます。ですので、学生時代に一度や二度や三度は周りが見えなくなるほど、夢中で彼女を好きになる……という体験をしておいてもいいような気もします。

そういった経験をふまえて、あのときの失敗は何がいけなかったのか考えてみる。過去の恋愛を振り返って反省してみるというのが、恋愛においても大事なことです。というわけで、恋愛の場面で、周囲がみえなくなるほど突っ走って失敗しちゃったかもというケースを振り返ってみますと、

●よく話したこともふたりきりになったこともない、そんなに親しくもない女の子のことを、(目があうとにっこり笑ってくれる)(すれ違うときにアイサツしてくれる)という理由で、向こうはオレを好きかもしれないと思ってしまって、「いつも会うね」的に話しかけて、告白してしまった。

●友人や女の子の友だちから、「Aちゃんは、あなたのことが好きみたいよ」と言われて、自分としては当初、Aちゃんに好意を持っていなかったのに、いつの間にかその気になってしまっていた。周りの意見やウワサ話に後押しされて、気づいたら自分が流されていた。

●好きだった彼女が彼氏と別れたと聞き、やもたてもたまらず、失恋したばかりの彼女に言い寄り、押して押して押しまくった。

●外見がかわいくて、男子から人気の高い女子だったので、ライバルが多いことにも燃えてしまって、オレがいちばんに告白しないと他の男にとられちゃうと思い告白してしまった。ところが、翌日にはオレが告白した話は周囲に広まっていた……。

●こうされると女の子はよろこぶと思い、好きな女子に対して、壁ドンとか頭ぽんぽんとか、イロイロやってみた。他にも、友だちが多いことや多趣味なことでポイントが上がると思い、SNSなどを利用してアピールしてみた。

といった点から気づくのは、

◯雑誌などから得た情報で、女の子はこういうのが好きと思いこんでしまって、自分の好きな女の子が個人的にそれをどう思うかと、相手をよく見ることを忘れてしまっていた。

◯見た目だけで女の子を判断して、好きになってしまっていた。

◯本人同士の問題ではなく、周囲のすすめや友だちの後押し、ウワサを信じてなんとなく「いいかも」と思い、雰囲気に流されてしまった。

◯彼女は誰にでもやさしく親切なだけということに気づかずに、自分にだけ笑顔を見せてくれる。自分にわざわざアイサツをしてくれる=それって好きっていうこと? と思ってしまった。

◯彼女を好きという気持ちをおさえきれず、相手の立場や置かれている状況を考えずに、ひたすら押しまくって、結果的には自分の気持ちを押し付けてしまっていた。

後から思い返してみると「うわあ、オレ、恥ずかしいー」「彼女に悪いことをしてしまった」「思い込みが激しかったなぁ」と遠い目になってしまう。そんなホロ苦い思い出のひとつやふたつ、誰もが持っているものです。それは男の子だけの経験ではなく、女の子だって、同じように恋愛で失敗したり挫折したりしているのです。

しかし、恋愛だってやっぱり、失敗からのほうが学ぶことは多いもの。

オレって、ああいうタイプの女の子とはあまり相性がよくないんだなぁ。今度、女子を好きになるときは、面白がって人のウワサを流すような人はやめよう。もっと相手の女の子をよく知って、親しくなってから告白したほうがいいかも。女の子の友だちに後押しされたり、すすめられたりしてなんとなく恋愛をするのはやめよう。次は自分が「好き」と思える女の子をみつけたい。失恋したてで、次のことなんてまだ考えられないときに押しまくらずに、好きな女の子の話を聞いてあげられる余裕のある男になりたい。 周りが見えなくなってしまって、うまくいかなかったとしても、そこから次はこうしたいと学ぶものがあったら、それは後々とてもいい経験だったと言えると思います。

恋愛の場面ではどうしても、好きな気持ちがあふれておさえられず、突っ走ってしまうものですが、そこでぐっとふみとどまって女の子の気持ちを考えてみる。そういう男子がふえてくれると、女の子は幸せになれるはずです。ぜひ、がんばってみてほしいものです。

酒井冬雪です。まだまだ寒い日が続きますので、風邪に気をつけたいところです。よい週末を!