恋愛の場面で、理想や願望を一方的に押し付けられるのは困る……。それは、誰しもが感じることではないかと思います。と言いつつも、好きな女の子や気になる女の子にはついつい、「どんなタイプの男が好きなの?」「付き合うならどんなヤツがいい?」みたいなことを聞いてしまう自分がいるものです。

そして、彼女から、「うーん、男らしくてリーダーシップがあって、ぐいぐい引っ張ってくれる人かな」とか、「やさしくて思いやりがあって、レディーファーストっていうか、女の子にさりげない気遣いができる人」とか、途方もなくむずかしいことを言われてしまう。

そのため、心の中でつい(そんなヤツいないって……)とか(自分が仕切り屋でぐいぐい人を引っ張っていくタイプなのに、同じような男と付き合ってうまくいくわけがないのでは……)とかツッコミをいれてしまう。そんな気持ちを味わったことのある男子はきっと多いはずです。

今日は、女の子は基本的に男子にどういった理想や願望を抱いているのか? そして、男子はそれにこたえるべきなのか? という問題について考えてみることにします。

女の子が彼氏になる男性にのぞむ、理想の姿とはどんなものなのでしょう。

●困ったときに逃げ出さず、いざというときに頼れる責任感のある人。地震のときなどにあわてず落ち着いて行動できる人。

●結婚するときは専業主婦になりたいので、経済力があって、女の子を養ってくれる人がいい。

●こちらから誘ったり、声をかけたりしなくても、男らしくはっきり言ってくれる。「付き合って」「好き」という気持ちをことばにして告白してくれる人。

●デートや飲み会のときにおごってくれたり、多めにお金を出したりしてくれる人。

●おしゃれすぎない男子がいい。あまりにもおしゃれすぎたり、窓ガラスにうつる自分の髪型を気にしたりしている男の子は、いったいファッションにいくらお金を使っているのか心配になる。

●とにかく、おもしろい人がいい。一緒にいて楽しい。話がおもしろい。私を楽しませてくれる人と一緒にいたいと思う。

●さみしいとき。不安なときはそばにいてとことん付き合ってくれる人がいい。女の子は弱い生き物だから、放っておかれたり、相手をしてもらえなかったりするとさみしくなってしまう。そんなときは、黙ってそばに寄り添っていてほしい。

というように、女の子が男子に求める理想は人それぞれ、いろいろあると思います。

こんなことを言われても、男性のみなさんからしてみると、

(いざというときに自分がどんな行動を取るかなんて、自分自身にもわからないのに、そこで男らしさをはかられるのは困る。しかも、いざというときなんて、できればなるべくこないほうがいいだろうに)

(今のご時世では終身雇用を期待できないし、専業主婦になりたいという女子を養える自信は正直ない。できれば、一緒に働いて負担をわかちあってほしいものだが)

(勇気を出してこちらから飲み会に誘ってみれば「ええ、他に誰がくるの?」「ちょっと今予定がわからないから待って」と事前情報を集めようとしたり、態度を保留にしたりするくせに、それでも誘ってほしいとは……。誘って断られるのってきついのだが)

(彼女とオレは会社の同期で、お互いの収入もだいたいわかっているはず。しかし、向こうは実家暮らし、オレはひとり暮らしにもかかわらず、男ならおごってよと言われても……。おごってあげたいのはやまやまだが、そうすると、オレはこれから一週間ランチ抜きになるかもしれないのだが)

(ちょっとでもむさ苦しい恰好をしていたり、服のセンスが悪かったりする男はモテないのに、服に気を使いすぎるのもいけないと言われても、どのくらいが着地点なのか非常にわかりづらい)

(おもしろい人がいいと言うけれど、オレの友人でおもしろいやつに限って彼女ができないのはなぜだ。おもしろい男はたいてい口が悪くて、女子にも辛辣で的を射た意見を言うし、気難しい一面があるから、おもしろい男と付き合うとしたら、相手の女子も求められるものが大きい気がするのだが)

(さみしいときはそばにいて、黙って話を聞いてほしいというけれど、そのさみしいときがやたらとひんぱんなのは気のせいだろうか。毎日のように、さみしい、放っておかれていると言われる気がするが……)

と、反論のひとつでもしたくなる気持ちもわからないではありません。

もちろん、女の子には男子のことがよくわかっていなくて、男性に対してムリな願望や現代社会では通用しない理想、見当はずれなのぞみを抱いてしまう部分もあるかもしれません。もし、自分が好きになった女の子から、それはちょっと違うだろう……という理想を押し付けらてしまったら、息苦しくて一緒にいるのがむずかしくなってしまうこともケースも出てくるかもしれません。

そこで大切になるのが、お互いに相手の話をとことん聞いてあげよう。自分の気持ちを感情的にならずに相手にわかってもらえるよう努力しようとする姿勢です。女の子は、理想はこうだのできればああだのと、むずかしいことをあれこれ口ではいってみても、大好きな男子から、「それは……」と話をしてもらえれば、理解をしめす場合がほとんどです。

けれども、肝心の当の本人である男子が、自分の気持ちを相手の女の子に話さない。相手と理解を深めようとする努力をしない。言い返されるのが面倒なので、話し合いをさけようとすることが多いのも事実です。これでは、根底に大好きな気持ちがあっても、お互いに不満が募って、長くよい関係を築いていくのが難しくなっていってしまいます。

男性のみなさんは、女の子からむずかしい理想や願望を押し付けられたくないのであれば、まずは彼女ときちんと向かい合って話をしてみる。そして、できそうなことはするけれど、それはできないということに関しては、理由をふくめて女の子にちゃんと「できない理由」を話してあげる作業が必要だと思います。

できそうもないことをできるふりをしたり、彼女の話を面倒くさそうに聞き流したりするのではなく、話し合いをすることで、お互いに信頼感がましていくものですし、女の子も自分があなたの(彼氏の)ことで困っている問題について話しやすくなるというものです。好きな人に抱いてしまう理想や願望は一方的なものではなく、お互いに持ち合うもので、一方だけが相手ののぞみをかなえようと懸命にならなくてもよいと思います。

男性であるあなたが、女子に理想や願望をもって、それを彼女に求めるのであれば、同じようにあなたも彼女の理想や願望をかなえてあげられるよう努力したいと思う。それが、自分にできることであるのなら、なるべくかなえてあげたいと思って行動する。お互いにフィフティフィフティでそれが、できるのなら、恋人に理想やのぞみや期待を持つのも悪いことはでないと思います。女の子の話を真摯に聞いてあげられる、大切な女性ののぞみにこたえたいと思う、そんな男子がふえてくれることを祈っています。

酒井冬雪です。あんまり過度に期待されるのも困るけれど、恋人からまったくなんの期待もされていないっていうのも、悲しい気がします。理想も期待も、お互いに、いい塩梅をみつけられるのがいちばんだと思います。では、またねー。