「なんか思っていたのと違う」と言われて、付き合い始めたばかりの彼女や、これから付き合っちゃいそうな雰囲気の彼女からふられてしまったという経験のある男子、けっこういるかもしれません。

それと同じように「あれ……思っていた感じと違うな」というできごとが重なって、彼女のマイナス面が気になりだしてしまった男子もけっこういるはずです。今日は、女子はどんなところで「思っていたのと違うと感じるのか、また男子は女子のどこをそう思うのか? という問題について考えてみることにします。

まずは、付き合って間もない彼氏とすぐに別れてしまった、もしくは付き合う直前までいっていたのにやめてしまったことのある女の子の意見からピックアップしてみましょう。

●おもしろい人かと思っていたのに、あまり話がおもしろくなかった。よくよく考えてみると、彼の友人男子がおもしろい人で、そのとなりでツッコミをいれている彼もおもしろいと思いこんでしまったのかも。友人男子がいなくなって、彼ひとりになると特におもしろい人でもなかったのでちょっと驚いた。

●付き合う前にやたらと「お父さんは何をしているの? 出身大学は?」みたいなことを聞かれたと思っていたら、付き合いはじめると今度は、自分の家の自慢を小出しにしてきた。

親がどんな仕事をしている。どこの大学を出ているくらいなら、まだ「うんうん、すごいね」と聞いていられたけど、彼のおじさんだのおじいちゃんだのいとこの結婚相手だの、親戚一同の自慢まで出てくると、さすがにちょっと……。自分の周囲の人を自慢することでしか、自分をアピールできないのかな? と思ってしまう。

●彼とは会社の同期で仲が良く、友人たちもまじえて遊んでいたし、会社でもランチを食べたり、帰りに飲みにいったりしていたのに、「付き合って」とメールで告白された。告白だったら、昨日一緒に映画を観に行ったときでも、今日、帰り一緒になってごはんを食べたときでも、いつでも告白できたはずだよね…。それなのに、なぜメール?

肝心なときに、顔をあわせて向かい合えない人なのかもと思ってしまい、彼の子とけっこう好きだったけれど、付き合うのはムリと思ってしまった。

●彼は会社の先輩で、職場では「とてもやさしくて、物腰がやわらかくて気が利く人」と女性たちから評判がいい人だった。けれど、付き合ってみると「外面をよくしていると疲れる」らしく、彼女の私にはとても無愛想。機嫌が悪いと平気で何日も口をきかなかったり、自分では何もせず、一人暮らしの自分の部屋を私に片づけさせたりする。

思っていたのと違うというか、人前とプライベートのあまりのギャップがすごすぎて、ついていけないと思ってしまった。

次に「思っていたのと違った」彼女のあれこれについて、男性側の意見をあげてみます。

●女の子と付き合ったら、あんなこともこんなこともしてもらえるのかなぁと思っていたが、世の中そんなに甘くはなかった。

彼女が友だちと約束があるからとオレとのデートを断ったり、休日出勤だからと仕事に出掛けたりするのをみて、彼氏のオレが最優先というわけではないとさとった。なんとなく勝手に、彼女はオレを優先して他のことは後まわしにしてくれるものと思い込んでいたと気づかされた。

●やさしくて、おとなしくておっとりしている女の子だと思っていたら、意外に気が強くきつい人だった。オレがもっと一緒にいたいと言っても、「明日、仕事で朝早いから」と毅然とした態度でかえってしまったり、生活習慣をあらためるよう注意されたりして、いつの間にふたりの関係の主導権は彼女が握っていた。オレとしては、男らしく彼女をひっぱっていくつもりだったのだが……。

●彼女はひとり暮らしをしているから、てっきり家事が得意なのだと思い込んでいたら、まるで生活感のない部屋に住んでいた。よくよく聞いてみると、食事は外食かコンビニかホカ弁、後片付けやそうじが苦手なので、なるべくモノは買わない、置かないようにしているという。

ひとり暮らしの彼女の部屋で、彼女の手料理をふるまってもらってなんて、淡い期待はもろくも崩れさった。

●付き合いはじめて、少しずつニュースに関しての意見や、この先の将来のことを話すようになったら、彼女のほうがオレよりもぜんぜん大人だった。

親が病気になって介護が必要になったら……なんて、オレは考えたくもなかったたし、考えたこともなかったのに、彼女はしっかりとそういった現実的な問題についてもプランをもっていて、しどろもどろになってしまった。

●彼女は、男には愛想がいいけれど、同性である女子からはあまり好かれていない人だと、付き合ってはじめて気が付いた。どうして同性である女の子たちから好かれていないのか、気を付けてみてみると、そうじのおばちゃんに冷たい。女子の同僚が買ってきた旅行のお土産のお菓子をもらっても、「ありがとう」ではなく「こんなの食べたら太っちゃう」などと言っている。

インフルエンザが治って彼女と同期の女の子が出社してきたら、ふだんはつけないマスクを一日中社内でつけている。最初は気づかなかったけれど、よくよく考えると底意地が悪そうで怖くなってしまった。

このように、女子も男子も付き合ってみてはじめてみえてくる。好きになって、相手だけをじっくりみつめていくうちに思っていたのと違う意外な一面がみえてくるというのはよくあるというか、当然のことといえましょう。

そこで大切なのは、思っていたのと違う面がみえたとしても、自分はそんなところもひっくるめて好きと思えるくらい相手を好きなのかどうか? その意外だった一面が、自分にとっては致命的にゆずれないことだったのかどうか? ということです。

家事ができると思っていたのにそうではなかった。やさしいと思っていたのに、それは外面だった。おもしろい人と思っていたのに、たいしてろくもなかった。自分が最優先ではなく、仕事や友人を優先するところがあった。

いろいろな「思っていたのと違う」がありますが、思っていたのと違っても、それを「かわいい」「そんなところも好き」と感じられるなら、それはそれでOKです。しかし、それがどうしても自分にとってはゆずれない、納得できないことだったというのでしたら、ガマンにガマンを重ねるのはよくありません。

思っていたのと違うから、やめたーとすぐに結論に飛びつく前に自分の気持ちを話して相手の意見を聞いてみることが大切です。恋愛は、どちらか一方がひたすら耐えるのではなく、お互いにゆずりあい、折り合いをつけてつづけていくもの。

一方的に「思っていたのと違う」と関係を断ち切ってしまう前に、ぜひふたりであれこれゆっくり話し合ってみてほしいところです。それでもし、折り合いがつけられなかったとしても、きっと次の恋愛がやってきたときにきっとその話し合いが役に立つはずです。思っていたのと違ったら、たくさん話しあってみるところからはじめてほしいものです。

酒井冬雪です。彼が彼女が、思っていたのと違う。そんなふうに感じたときは、恋愛って、先が予想できなくておもしろいものだなと気持ちを切り替えてみるのもいいかもしれません。予想外のことばかりって、ドキドキするけどけっこう楽しいと思います。では、お仕事の人もお休み取れる人も、よい週末を!