恋は、人を狂わせてしまうものです。ふだんのオレだったら、絶対にこんなことしないのに! こんな自分ありえない…そんなことをさせてしまうのも、恋する気持ちのせいかもしれません。

というわけで今日は、恋する男子がやってしまいがちな困った行いと、どうすればそれを回避できるかという問題について考えてみることにします。

◯ひとりでシミュレーションしてしまう。
気になる彼女、好きな女子と話をするにあたり、こう言われたらこう返そう。ああ言われたら、こう返事をしよう……と、ふたりの会話を前もってシミュレーションしてしまう。時には、自分で予想できる会話のシナリオまで書いたり、女の子の友だちに相談して会話の予行演習をしてしまったりすることもあります。

たとえば、好きな女の子をテーマパークなどに誘ってみようと、脳内であれこれシミュレーションして、勇気を出してメッセを送ります。

すると、相手の女の子からの返事は、「むりー」。え? 男子であるあなたはぼうぜんとすることでしょう。断られるにしても、まさか「むり」なんていうことばで断られるとは、シミュレーションしていなかったからです(え? むりって、何がむりなのだろうか?オレと行くことがムリ? 日程的にむり?) 煩悶していると、彼女から立て続けに、「絶叫系とか怖いのは苦手―」「おばけとかもだめー」とメッセが届きました。

好きな女子との会話が、シミュレーション通りにいくことなどほとんど皆無です。そこで、しどろもどろになって固まってしまうのか、臨機応変に対処していくかが大事なポイントと言えます。

◯先走ってしまう。
ふだんから、好きな相手のことをよく見て、理解してあげようとしているので、何となく彼女の言いたいこと、したいことがわかってしまっている(もしくは、わかった気になっている)。あげく、彼女の話を聞かずに途中でさえぎって「大丈夫、言わなくてもわかっているから」などと言ってしまう。

ここのところ、好きな女子と毎日、LINEで夜遅くまでおしゃべりしてしまっているオレ。このままじゃ、寝不足で彼女が体調を崩しちゃうと思いながらも、ずっと話していたくて切り上げどきを見つけられずにいた。

すると、翌日、彼女が風邪で会社を休んでしまった。申し訳なさと罪悪感でいっぱいになったオレは、「よし、今日から連絡は控えよう」と決心。風邪で寝ている彼女に、「ごめん、オレのせいで体調崩したんだよね。気づかず、ごめん。しばらく連絡は控えます」なんて、一方的なメッセを送りつけて、1週間ほど彼女をほったらかしにしてしまう。

また、アタマのよい男子にありがちなのが、相手の会話の半歩先一歩先ではなく、5歩くらい先をよんでしまって、結論を先に言ってしまう。どちらも、よかれと思ってしているのだけれど、男性であるあなたが結論を決めつけてしまう前に、ふたりで話しあって、納得して気持ちを通じ合わせたい女の子の立場から考えると、欲求不満がたまります。また、この人の心には、私の入り込むスペースなんてないのかもと悲しい気持ちにさせてしまう可能性もあるのです。

◯自己完結してしまう。
好きな女の子がその場ですぐに決断できない、考える時間がほしいという状況に置かれていて、無言だったり返事を先延ばしにしたりすると、「だいたい、わかったよ」「そういうことなんだね」と自己完結で答えを聞かずに決めつけてしまう男子も多いものです。

ささいなことかもしれませんが、たとえば、「今度、同期の□□たちと飲みに行くんだけど、◯◯ちゃんも行かない?」と。男性であるあなたが、気になる女子をがんばって誘ってみたとします。

しかしながら、女子には女子の事情というものがいろいろあって、その「同期」とはいったい、誰を指しているのか? メンバーが誰なのかを知りたいという場合もあるわけです。男性の預かり知らぬところで、同期の女子同士でもめごとがあり、AちゃんとBちゃんを同じ場所においてはいけない…過去の因縁があるやもしれないわけなのです。

とはいえ、女子としては、そういった女子同士のゴタゴタを彼氏でもない男子に話すつもりはさらさらないのです。ですから、あなたが声をかけた◯◯ちゃんは、んーとちゅうちょして即答をさけます。「都合が悪いのかな?」とあなたがたずねると、「んー、えっと…それって、誰がくるの?」と、彼女はおそるおそる聞いてきました。

誰が来るかを聞かれるとはまったく思っていなかったあなたは、ものすごく驚いてしまって、(え? これってもしかして…断りづらいから何て言って断ろうか、考える時間をつくりだそうとしてる?)と早合点してしまい、「あ、むりならいいよ。気にしないで」と話を終わらせてしまうのでした。

その他、自分の中で予定や計画を立ててしまっているのに、それを相手の女の子には話も説明もないまま、思い通りにいかないと不機嫌になるという自己完結も、男性にはよくあることです。

このように、早とちりをしたり、先走ってしまったり、決めつけたり、恋ゆえの過ちはいろいろあるものですが、いずれの場合も相手の女の子とのコミュニケーション不足といいますか、女子の話をじっくり聞いてあげていないことが困った問題になっている気がしてなりません。

シミュレーションすることで、気持ちを落ちつけたい。先走って、わーっと行動しないと勇気が出ない。自己完結しないとキズついてしまうかもしれない。そんなふうに、自分を守ってしまう気持ちはわからなくもありません。ですが、せっかく恋をしたのなら、女の子と衝突したり、行き違いがあったりしても、わかりあおうと話を聞いてあげてもっともっと仲良くするのもいいことだと思うのです。

自分を守って、何もないまま終わるより、ちょっとお互いにキズついたり、つらい気持ちになったりしても、それを上回るヨロコビや楽しさがあればいいのだと思います。恋をしたなら、ぜひぜひ先走って自己完結する前に、相手の女の子の気持ちをとことん聞いて、わかりたい、わかってあげたいとがんばってみてもらいたいところです。

酒井冬雪です。先走ったり、勘違いしたりする男子、見ているととてもかわいいというかほほえましいものです。でも、だからといって、プププと笑ってしまうとふてくされちゃう男子も多いので、男心は難しいなぁと思います。ではでは、またねー。