「Aくんて、やさしくていい人なのに、なんでぜんぜん彼女つくらないのかな」

「ふつうにカッコいいし、物腰もやわらかくて女の子ウケよさそうなのに、どうして彼女がいないんだろ」

「好きな女の子はいるみたいだけど、ずっと片想いみたいだよね。Bくんだったら絶対いけそうなのに」

と、男友達を見ていてフシギに感じる。そんな思いを経験したことのある女の子は、けっこういるはずです。

友達として、彼を見ていると「いいやつ」なのに、なぜか恋愛ではうまくいっていないようす。恋愛でうまくいくにはもちろん、相性だけでなく、運やタイミング、恋愛反射神経といったものも必要です。が、それ以外に、もしかしたら何か理由があって、恋愛がうまくいかないのかもしれない。

今日は、けっこうふつうにいけてる男子でも恋愛でなかなかうまくいかない場合の理由について、女子の視点からみてみることにします。

●ツンデレ疑惑。 某光学機器メーガーで働くJちゃん(28歳)は、職場の同僚で仲のいいCくんから、「親に、ホントに彼女いないの? とか聞かれて赤面しちゃった」と打ち明けられました。Jちゃんから見たCくんは、背が高くてメガネをかけたキリッとした男子、ちょっと気がきかないところもあるけれど、やさしいしマジメだし、ぜんぜん彼女がいてもおかしくないよねという感じです。

ところが、Jちゃんはある日、別の部署の後輩女子が仕事の用事があって、Cくんのところへやってきたところを目撃してしまいました。その後輩女子は、社内でもかわいくて性格もよいと評判の子なのですが、Jくんときたら、今まで誰も見たことがないほどつっけんどんで無愛想な対応を彼女にしているのです。Jちゃんはハタからみて、ハラハラしてしまいましたが、愛想のいい後輩女子は笑顔をたやさず「はい、はい」とCくんに明るく返事をしていました。

後輩女子が立ち去ってしまうと、CくんはこっそりとJちゃんのそばへやってきて、「はあああ、ビックリしたー。いきなりくるから緊張しちゃったよ。あの子、かわいいよね。オレ、ひそかにファンっていうか、けっこう気になってるんだよね」と言うのです。Jちゃんは心の中で思いました。

(ひゃああ、かわいいって思っている相手に、ああいうツンツンな態度取っちゃうんだ。もしかして、Cくんってツンデレ…。男子のツンデレは需要が少ないと思うけど)

●上から目線疑惑。 友達の紹介で、SEのMくんとデートすることになったRちゃん(信用金庫勤務、29歳)。 「Mくんって、見た目もけっこうカッコよくて口調もおだやかで、デートしても楽しくて、いいなぁって思ってたんですけど。親しくなったら、なんだかだんだん『えっ?』ていう感じで」

どういうところで「え?」と思ったのかというと…、「やたらと長文メールがくるんですけど、Rちゃんだからおれがいちばんに教えてあげるけどとか。ちゃんと土日のスケジュール教えてくれないから、ヒマになっちゃったじゃんとか。あえてキモいメールを送って、Rちゃんがどういう反応するか確かめたけど、いいね合格とか。なんだか自分が私に評定つけてるぞ、みたいな上からな感じがして」というのです。

「会ってるときはやさしいのに、メールになるとこういう感じで、どっちが本当なのかわからないし、いずれは上からえばりだすのかなと思うと怖くなって断りました」

●本来の自分と違う軽い男子を演じている疑惑。 プログラマーのKさん(30歳)は、学生時代からの友人男子Oくんの恋愛が心配でならないそうです。というのも、「Oくんて、本人はけっこうマジメで心が広くて、大きくてお人よしな人なんですけど、友達がなんというかチャラい男子ばかりで、ヘンに彼らに影響されてる気がして」と、Kさんは言います。

たとえば、やたらと合コンにいきまくっては、すぐに誰かを好きになり、貢いでふられる。本人のキャラに似合わない、「またふられちゃったけど、次は□□ちゃんにしようかな」といった発言をする。人妻や彼氏もちの女子にころりとだまされて、またまた貢いでしまう。Oくんは、というようなことを繰り返しているのです。

「周りの男友達がみんな、女の子にモテるのが好きなチャラい感じの人たちばかりだからって、そっちにあわせることはないですよね。向いてないことをするより、自分のよさをアピールすればいいのに。あと、あまりにも同じタイプの女にひっかかりすぎ。失敗したら学ばないとって思っちゃいます」というのが女子からみた感想です。

ツンデレも上から目線も、自分と違うキャラを演じているのも、男性だけでなく女性がやってしまっても「…ちょっと」と思われてしまうかもしれません。ですが、女の子の友人と好きな女の子の前で態度ががらっとかわってしまうのは、わりと男性に多い行動のように思えます。

女の子は、人によって態度を変えているだとか、やたらと上から目線だとか、この人もしかして見かけよりシャイ? だとか、相手の性格を察することにとても敏感です。

女の子の前で気を遣うだけならいいのですが、飾りすぎたり力が入りすぎたりしてしまうと、女の子にはすぐ、それがウソか本当か見抜かれてしまいます。気負ってしまっている自分に気付くよう注意しつつ、ふだんどおりの「おれ」で勝負してみるのがいちばんではなかろうか、と思う今日このごろです。

酒井冬雪です。男の子が私に気負ってくれるところが「かわいい」と思ってくれる女子も中にはいると思います。また、男子のツンデレがかわいい! というマニアックな女子もいるはずです。ぜひ、ふだんどおりの自分で恋愛に向かっていってほしいところです。