こんにちは、おはようございます、おつかれさまでしたと、女の子からアイサツされたとき、即座に、「おつかれさま」「おはよう」「こんにちは」とアイサツを返せればいいのですが、それがすんなりうまくはいかないのだ……という男子。けっこう多いものです。

日常的に、だれとでもコミュニケーションを上手にとっている女の子からすると、「なんでー、ただポンとアイサツしてくれればいいだけじゃなーい」と言いたいところです。が、その「ただポンとアイサツを返せば」がすんなりいかないという男子にも言い分があるのだと思います。たとえば、

周囲に自分以外にお互いの共通の知り合いがたくさんいたため、彼女のアイサツが自分に向けられたものなのかどうかわからない。自分に向けられたアイサツではなく、イケメンの先輩男子(同僚でも同級生でも後輩でもいいけれど)にアイサツしているのかもしれないのに、それに自分がこたえてしまったら「え、違うんですけど」と思われてしまうのは非常に恥ずかしい。というわけなので、自分は黙っておいて誰かが返事をするのを待ってみよう。とか、

あ、アイサツされた。周りに人は誰もいない。しかし、彼女と自分は本当に顔見知り程度の間柄で、2人きりなんて状況は今がはじめてといってもいい。と考えているうちに数秒経過。どうしよう、さわやかにアイサツし返すタイミングはとうに過ぎてしまった。あああ、本当はきちんと目をみてアイサツするべきだったのだが、もう手遅れ。仕事に(勉強でもいいけれど)集中しすぎていて、彼女のアイサツに気付くのが遅れたふうを装って、ぶっきらぼうに会釈するのが精一杯だった。

とにかく、どのような状況でも女の人に笑顔でさわやかにアイサツを返すなんて、そんなことは人見知りでシャイで女の子慣れしていない自分には簡単にできることではないと思う。

このように。さまざまな理由はあるかもしれませんが、できればアイサツは返しておきたいものですし、女の子からなんらかのアクションがあったとき、とっさにリアクションが取れたほうが、何もできないよりはまし……なはずです。

とはいえ、気持ちを切り替えて、今度からは女の子にアイサツされたらさわやかに返事をしよう……だなんて決心してみてもすぐに実行できるかわからない部分もあります。というのも、そもそもスナオに女の子にリアクションが取れないのは、心の奥底に、「そのことばは自分に向けられたものではないのかもしれない」といった、繊細というか心配性というか考えすぎといえば考えすぎな自分がいるから。まずは、その考えすぎてしまう自分をどうにかせずに、いきなり女の子にさわやかなアイサツをする男子になるのはなかなか難しいと思います。

では、女の子の立場になって考えてみましょう。職場で学校で、バイト先で、飲み会の場で、周囲に知り合いが複数いる状況で、「こんにちは」と女の子がアイサツをする。このアイサツはどう考えても、その場にいるみんなに向けられたアイサツといって間違いありません。ですから、こういったときは、その場にい合わせた人が全員、おのおの、「こんにちは」とアイサツするとか手を振るとか会釈とか笑顔で返すとか、なんらかのかたちでアイサツしていいのです。

女の子は、その場に居合わせた人の中でアイサツが返ってこなかった相手に瞬時に気付いて「あ、またムシされてしまった」と記憶に刻むというフシギな能力をもっています。ですから、あまりにもアイサツを返さないでいると「嫌われてるのかも」「ムシされるようなことしてしまったかな」「なんなの、あの人感じ悪い」「むきゃー、またスルーされたぁ」と怒ったり悩んでしまう女の子も出てきてしまうわけなのです。

女の子を怒らせてしまうのも、悩ませてしまうのも、どちらもあまりいいこととは思えません。できれば、お互いにスッキリ清清しい気持ちですごせるように、アイサツにはアイサツを返してあげてほしいものです。

また、彼女のアイサツはオレに向けられたわけではないかも。それに返事をするなんて恥ずかしい……という気持ちですが、もし本当にそれが的中していたとしましょう。女の子はあなたではなく、他の男子にアイサツをしたつもりだった……。そんなとき、あなたがすかさず、「お疲れ様~」と返事をしてくれたら、それをよろこばない女の子なんて99%いないはずです。

仮に「ちがうのだよー、△△先輩にアイサツしたのだよ」と女の子が思っていたとしても、「でも、すぐにアイサツにこたえてくれた○○くんてかわいい」とか、「わー、おれに向けたアイサツじゃなかったかも? と気付いて赤くなってる。いい人なんだなー」とか、「すぐに返事してくれて、やさしい。他の人はだんまりなのにー」とか、いい印象をもたれることはあっても、悪く思われることはまったくないと思います。

男性の場合、どうしても間違えるとか恥をかくというのは女の子に見せたくない部分。見せてはいけない部分だから、そこを見せないために「あえて何もしない。こたえない」という選択をしてしまうのかもしれません。

ですが、男性の弱いところ……ドジだったり不器用だったりするところを見て、女の子の側も、「なんでもできる優秀な人だと思ってたけどかわいい」「賢すぎて怖い感じがしてたけど、近寄りやすいとこもあるんだな」とホッとしたりするものなのです。男性が恥ずかしい、これは自分の弱みだと思っている部分が、実は女の子からすると好感度大だったりすることもありますので、ぜひ、自分に向けられていないかもしれないアイサツにもさわやか~に返事をしてあげてほしいと思います。

何事も、特に女の子への対応に関しては、何もしないで後悔するより、やってみて後悔というか反省するほうがいいかも、と考えるようにしてみてはどうでしょう。とりあえず、今日から小さな声でも目立たないようにでもいいので、女の子からのアイサツには「コンニチハ」「オツカレー」と返事をしてあげてもらいたい、そんな気持ちでいっぱいです。

酒井冬雪です。さわやか~にアイサツができて、好印象をもたれる男子って、意外にこりない性格というか、女の子に冷たくされても気にしないタイプの人だったりするものです。女の子問題に関しては、どんなときでも強いハートいうか図太い神経、あまり考えすぎない自分が必要かもしれません。では、またね。