最近、男性も女性も「あの人ってどういう人? 」「うん、すごく面白いよ」というように、面白い人への人気が高まっているような気がします。ひと昔前でしたら、恋愛市場において人柄を紹介、説明する際に、イケメン(もしくは美人)かそうでないか、地位があるかないか、自慢できる経歴があるかないか、経済力(バックボーンでもいい)があるかないか、といった点から質問したり、そこをアピールしたりする人が多かったように思います。

しかし、最近はすぐに「あの人、面白い? 」「すごい面白い人がいるんだけど~」と、面白いかそうでないかという新たな基準が恋愛市場に加わりつつあるわけです。そして、この「面白い」という基準は、女性にはあまりあてはめられなかったりする傾向があります。

なぜなら女性の場合、面白さで色気が犠牲になってしまったり、自分を捨てて笑いを取っているように見えてしまったり、激しく厳しいツッコミで男性が引いてしまったり、面白すぎることが恋愛を遠ざける可能性もあるわけです。ですから、「面白いかどうか」という基準は、友だちであるなら男女両方に魅力としてうつる資質であるものの、恋愛市場においてはもっぱら男性に向けられている傾向があります。

というわけで、女性と一緒の飲み会やイベント等の場で、なんとな~く「面白くない男と思われたくない」「どうすれば面白くなれるんだろうか」「オレって、面白くないもんな」と時折悩まされることがあるという男性は多いはずです。また、悩むだけでなく、どうすれば面白くなれるんだろうかと大望を抱いてしまう男性も少なからずいるやもしれません。そこで今日は「面白い男」について、考えていきたいと思います。

「面白い男になりたい! 」と思っても、なかなか一朝一夕にはいかないものです。これは私の個人的感覚ですが、理系の男性は特に根がマジメで、どうしても面白さと縁遠くなってしまう人が多いような気がします。そもそも面白さというのは、ちょっと皮肉な視線や意地悪な心、相手をからかっても何となく許される外見、周囲が引かないギリギリの線まで自虐できるプライドを捨てた行動等々から成り立っているものです。

マジメな人には、そもそも皮肉で意地悪な心、相手をからかうという発想がないものです。さらに、自分の外見を客観的に分析することや自虐的になることの意味や理由がわからないとも思います。それから、とても厳格な家庭で育てられて、笑いを取ることに必死な人が周囲にあまりおらず、環境的にも面白い土壌で育っていないという場合もあるものです。それなのに、突然「面白くなりたい」と思って女の子にちょっと意地の悪いツッコミを入れてしまったり、オヤジギャグやダジャレを言ってしまったりして、ドツボにハマった男性も少なくないはずです。

それでは、自分でもアピールポイントが「面白い」とはいえないと思う男性、でも面白い男になってみたいと思うこともある男性は、どうすればいいのでしょう。

自分が実はツッコミではなく、ボケだったと見極める。

何もしなくても、歩いているだけでクスッと周囲の笑いを誘ってしまう。そんな恵まれた資質を持っている理系男子は少なくありません。道でよく転んだりする。スポーツが得意ではない。大事な会議で役員が座る席に間違えて座ってしまうなど、大事な場面で失敗してしまうことがある。自分ではバレていないつもりで、趣味のために学校や仕事をコソコソ抜け出したりしてしまう。

こういった部分がある人は、面白いことをしようとしなくても、十分ボケの資質がある人で、周囲から「面白い人……」と思われているはずです。あとは、自分に資質があることを自覚して、それをネタにしてしまうだけです。また、マジメできちんきちんとしていて、少し堅苦しい性格だったりする場合は、そこをネタにしてしまってもいいと思います。

ツッコミになりたいなら、自分をツッコんでしまう。

ドジでも抜けているところがあるわけでもなく、しっかり者で頼もしいタイプの男性は、どうしてもボケとツッコミのボケにはなりにくいものです。だからといって、じゃあ自分はツッコミだ……というのも少し違います。なぜなら、女の子の側からすると、スキがなく完璧な男性にツッコまれてしまうと、みもふたもないというか、逃げ場もなくなり笑いの入る余地がなくなってしまうから。

ですから、ツッコミはツッコミでも、「実は、あせっていたんだけどね~」とか「変な汗かいちゃってます」とか、周囲をなごませるように自分をツッコんでみるのがいちばんです。そうすることによって、「自分で自分を笑える余裕がある人なんだ」「マジメなだけじゃなくて、結構面白い人なんだ」と女の子に思われるはずです。

つぶやく面白さを身につける。

面白くなりたいと思っても、実際に面白い男になるのはなかなか難しいものです。けれど、周囲には絶対に話の面白い男友だちがいるはず。そこで、そんな面白い友人の大げさな自慢やあまりにもウソっぽい受け狙いのネタに、「いや、そこ盛りすぎでしょ」「ないない」など、あからさまに反論するのではなく、ボソッとつぶやくスタイルを確立してみるのもおすすめです。

というわけで、いろいろなスタイルを挙げてみましたが、面白いと感じる気持ちは女の子それぞれで違っています。もしかしたら、自分の好きな女の子は、男性にそんなに面白さを求めていないという場合もあるかもしれません。そして、面白くなりたいと思えば思うほど、空回りもしてしまうものです。こうなろう、ああなろうとするより、素の自分のままで面白くなれる方向を見極めていってほしいなと思います。

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酒井冬雪です。個人的には、面白い男子が好き! というわけでもないタイプです。男子特有のウカツさ(本人自覚なし)が女子から見ると面白く見える。それくらいでいいかなと思ったり。では、またね。