男同士の恋愛相談。友人の中に、その手の話をやたらと持ち出すタイプがいなければ、滅多に出てこないテーマでもあります。しかし、友人から恋愛相談をされること、自分が誰かに恋愛相談をしたくなる場面が出てくる可能性は、なきにしもあらずです。とはいえ、男同士の恋愛相談というものは、女子からするとずいぶんと的外れというか、「ええーっ、そんなアドバイスしちゃって大丈夫なの? 」という場合がほとんど。女の子が小耳に挟んで「え?」とビックリするような、もしくはちょっとクスッとしてしまうような男同士の恋愛相談はというと……。

  • 恋愛相談をすると、「で、脈ありそうなの? 」と逆に聞き返される。脈があるかどうか客観的に判断してもらいたくて相談しているのに。

  • 気になる子がいて、脈があるかもしれないエピソードをいくつか挙げていっても、果たしてそれは本当に脈ありエピソードなのかどうか、よくわからない。

  • 脈がありそうなエピソード自体が、「えええ? それで脈があるの? 」的なものだったりする。

  • 彼女がほしい……というような相談をすると「クラスに(会社ならその部署に)女子は何人いるの? え、1人? 2人? それはキツいな」などという話の流れになる。恋愛対象は、目の前にしかいないのだろうかと思う。

  • 結局、アドバイスが「言っちゃえよ! 」「行っちゃえよ」と押すしかない的なものに終始してしまう。

  • 相談しても「かわいいの? 」と容姿のことしか聞き返されない。

  • 失恋したと相談されると「あんな女」「オマエなら、もっといい子がみつかるよ」などと言い、相手の女の子を責める。男友だち自身の欠点や問題点にはまったくふれない感じ(気づいていないフシもある)。

  • 恋愛がうまくいかないとき、最終的には、「どうせ、イケメンで金持ちがいいんだろう」と、女の子を俗物的な悪者にすることで、気を紛らわせるフシがある。

このような傾向が見受けられます。こういった恋愛相談を聞いてしまうと、女子としては、「エレベーターで一緒になったときに、こんにちはって挨拶しただけで脈ありになったら、既婚のおじさん上司でも10才年下のバイトの学生でも、誰にでも、脈ありになっちゃうよ」と言いたくなりますし、「『顔はかわいいの? 』とか、異性を容姿でしか判断しないのは男性のほうがやってしまいがちなことなんじゃないかな。『10点満点でいうと何点? 』とか採点方式を取るのも男子ならではのこと。ホント、相手の子に失礼だと思う」とも言いたくなります。

また、恋愛がうまくいかなかった原因は、ほとんどもしくはすべて女子の側にあることにしてしまい、自分たちの問題点を振り返って恋愛弱点克服をしないのも男性の特徴です。例えば、女性の場合は合コンでお目当ての男性が他の女の子の連絡先を聞いていたとわかったとき、やみくもに相手の男性を責めたりはしません。

「わかってたんだよねー。あんまり押すと、引いちゃいそうなタイプだって。でも、先輩に『早く隣に座りなよ』とか言われたら、グイグイ行くしかなくなるじゃない。だから、ついガーッて行っちゃったんだけど。やっぱり引かれちゃった。次からは、男子に警戒されないように、もう少し控えめにいくわ~」

「誘われるの待ってるだけじゃダメだとはわかってたんだけど、ついつい受け身になっちゃって。こっちの好意がぜんぜん彼には伝わらなかったんだよね。少しは駆け引きできないとダメなんだね」

「もしかしたら、彼のことは好きっていうよりも、振り向かせたい、自分の思うような行動を取ってほしいって、私自身が勝手に思い込みを押し付けていただけなのかもしれない。もっと、相手のために何かしてあげようって考えないといけなかったのかも」

こんな風に、自分自身を振り返って反省するのが女子のよいところです。仕事や勉強は弱点を分析して集中的に克服できるよう努力もするのに、恋愛となると一通りのやり方しか試さない。向こう側の問題ばかりを見て、こちら側の問題には目をつぶるのはあまりいいことではないかもしれません。

そう言われても、「自分も恋愛に不器用、男友だちも恋愛経験が豊富というヤツはあまりいない」という方も多いことでしょう。そもそも、好きな相手を知ってくれている同年代の共通の友人にばかり相談しているから、こんな困ったことになってしまうのです。それでは、女の子はどんな風に、そして誰に恋愛相談をしているのかというと、同年代の友人はもちろん、お母さん、お母さんくらいの年代の知人、結婚して子どももいる職場の先輩女性、親しい男友だち、先輩男子、時には占い師などなど。同性異性問わず、幅広い年代の人に相談する柔軟性があるのです。

そうすることによって、まったく違った視点から物事を見たり、目からウロコな意見を聞いたりすることができてしまいます。コミュニケーションが苦手な男性は多いかもしれませんが、日頃から自分と似ている人だけでなく、様々な年代、違うタイプの人とも話をするようにしていると、恋愛相談に限らず、おもしろい意見や自分では考えもつかなかったアドバイスがもらえることだってあるのです。

恋愛相談を切り出すのは、照れるでしょうし、恥ずかしいし、勇気がいるかもしれませんが、ちょっと困っているところや弱い部分を見せることで、かえって人から愛されることは多いものです。ぜひ、恋愛のことは、様々なタイプの人にしてみてほしいなと思います。

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酒井冬雪です。夏に向けて、節電対策にいそしんでいます。暑いのがものすごく苦手なだけに必死ですが、周囲にもあれこれ節電している人がたくさんいるのが非常に励みになります。では、またね。