好きな女の子はいるけれど、相手が自分をどう思っているかわからない。彼女はいるけれど、ときどき相手の気持ちがわからなくて困惑することがある。

相手の気持ちがわからない。わかりたいのにわからない……というのは、恋愛の永遠のナゾといっても過言ではないと思います。

ただでさえ、人間関係はむずかしくて、すれ違いや誤解はさけられなかったりするのに、相手が女性、しかも「好き」という気持ちがからまっていたりすると、ますますフクザツになったりするものです。

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某通信機器メーカーで働くAくん(32才)は、最近、彼女ができました。相手の女の子は、学生時代の友人に紹介してもらったNちゃん(27才、商社勤務)です。

どちらかというと、生真面目で、勉強も仕事もコツコツやるタイプ、性格的にも慎重なAくんに対して、Nちゃんは自由な心の持ち主でした。

たとえば、Aくんは、デートの約束をするとき、どこへ行って何をして……とあらかじめ決めておきたい性格です。映画を観るなら映画館の音響スペックや上映時間の確認、ドライブするなら目的地までのルートと周辺についての情報、食事をするならお店の予約などなど、事前調査や確認を……ざっくりとしておかないと気がすまないのです。

ところが、NちゃんはそんなAくんの下準備や努力を一瞬で無にできる才能の持ち主でした。

あるとき、ドライブをして漁港でおいしいお寿司を食べようと約束をしました。Aくんは、もちろん、運転ルートと寿司店に関する情報、大まかなタイムスケジュールを用意していました。

ところが、当日になるとNちゃんは、まず「今日はあたし、運転したい」

と言い出しました。Nちゃんは車の運転が上手なので、彼女に運転を任せることはまったく問題ありません。

しかし、彼女がハンドルを握ると、

「あっ、この道知らなかった」と言って、知らない道に迷いこんでしまったり、

「あれ、中央高速混んでるね……。いいや、東名に乗っちゃおう」と気まぐれに予定を変えたり、

「あっ、あそこのS.Aに寄ってみたい」と言って、S.Aでうれしそうに1時間以上もウロウロしてみたり。

タイムスケジュールが大幅に変更になるのはもちろん、そもそものドライブの行き先にたどり着けず、目的地がまったく変わってしまうこともしばしばなのです。

Aくんとしては、そんな目にあう度に、いつかデートの待ち合わせに遅れてきた彼女を待っている間、ボーッとながめていた旅行代理店のパンフレット「ミステリーツアー、行き先は目的地に到着するまで秘密です」という企画に申し込んでしまったような気持ちになるのでした。

しかも、彼自身は、どこにたどり着くのかわからないような「ミステリーツアー」になぞ絶対参加しないタイプなのに……。

そういうわけで、その日の漁港へ行ってお寿司を食べる予定だったドライブも、気が付いたらサファリパークで、近づいてきたライオンに、

「キャー、キャー」

と大騒ぎするNちゃんに代わって、あわてて運転をし、ほこりっぽいパークの食堂で、親子連れに囲まれながら、そんなにおいしくもないカレーを食べ、帰りに温泉に入る……。

「パンツはコンビニで買えばいいじゃん」

に変わっていました。

ひとりでそんなに長い時間お風呂に入っていられないAくんに対し、お風呂好きサウナ好きのNちゃんは、

「2時間くらいいいかな?」

と、これでもかなり妥協してるのよというニュアンスで入浴時間を提示。

予定の2時間を25分近くすぎたころに、

「お待たせ~」

と女湯から出てきたのでした。

温和でマジメなAくんもとうとう堪忍袋の緒が切れて、

「どうして時間を守らないの? だいたい、そもそも最初の予定じゃこんなところに寄ってなかったはずでしょ?」

と彼女のことを怒ってしまいました。すると、Nちゃんはキョトンとした顔で、

「え、それはそうだけど……でも、これはこれで楽しくなかった?」

と悪びれたふうでもなく言うのでした。

スケジュールが変わったり、予定が変更になって何がどうなるかわからなくなると、心臓がドキドキして気が気でなくなるAくんとしては、このサプライズに慣れる日がくるのか疑問ですし、勝手気ままで自由奔放な彼女がわからない、Nちゃんを理解できる日は来るのだろうか? と不安に思うのでした。

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相手の気持ちがわからないと悩むことは誰にでもあるはずです。同性同士でもわからないことがあるのですから、異性である女性のことがわからないのはいたしかたない、わかった気になってしまうほうがやっかいともいえると思います。

また、逆の立場に立って考えてみれば、女の子のほうだって、男性の気持ちがわからなくて困ったり悩んだりするのはよくあることなのです。前述のNちゃんだって、もしかすると、

(Aくんってどうして、仕事じゃない、プライヴェートな時間までも、何でも時間通り、予定通りに行動しないと気がすまないんだろう。ただ単にマジメすぎるだけなら仕方ないと思うけど? 何を考えているのかわからないわ)と思っているかもしれません。

こんなふうに相手の気持ちがわからなくても、自分の気持ちを包み隠さず話してみて(できれば、怒ったり、感情的になったりせず)、それから相手がどう思っているかも聞いてみるしかありません。

自分にとって「フツウ」だったり「常識」だったりすることも、他の人にとっては「へえ、変わってるね」ということだってあるのです。人は誰でも、自分の考える「フツウ」や「常識」というモノサシではかって、相手の言動を「わからない」と思ってしまうフシがあります。

ですから、とにかく相手の考え方を聞いてみて、その上であまり考えすぎても結論がでないことで悩みすぎず、「あ、こういう人もいるんだ」と割り切ってみて、二人で納得できる折り合いをつけていってほしいなぁと思います。

女性だって、同じくらい男性の気持ちがわからない……と思っているのですから。

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酒井冬雪です。夜更かし……というか、いつもついつい夜型の生活を送ってしまうので、GWは早く寝たいと思います。でも、早起きしなくちゃ、とは言いません……。よいGWを!