あっという間に今年も終わり。1年を振り返ってみると、なんだかあまりよくないニュースが多かった気もします。しかし、こういうときこそ、男性のみなさんには、本来持っているやさしさや寛容さ、度量の広さを発揮してほしいなぁと思わずにいられない私です。

読者のみなさんは、ほとんど男性の方が多いはずです。ですので、自分では男性である自分たちのことがよく見えていなかったり、当たり前と思っていて気づかないことも少しはあるはずです。私は思います。男の人ってホントにやさしいよね、と……。

たとえば、男性の友人同士、男性のグループ、男性の仕事仲間を見ていると、中に少々イタイ発言をしてしまうメンバーがいても、周囲の雰囲気を察するのが遅くて「あちゃちゃ」というようなことをしてしまう仲間がいても、

「アイツだから、しょうーがないな」

と、寛大にゆるしてあげてしまう。もちろん、ときには、

「あいつ何なんだよ。ホント、困る」

という男性もいますが、そういう人を「まあまあ」「そういうこと言うなよ」といさめる役目の男子もちゃんといたりする。それで、言われたほうも「そうだな」と納得(引き下がる……とも言う)してしまったりもする。

女性同士は、なかなかこのようにコトが運ばないものです。

別に、女性はイジワルというわけではありません。感情の婉曲表現やかけひき、根回しやリサーチ力、遠まわしなモノイイの解釈のズレなどなど、微妙な問題ですれ違いがおきることがあるため、女同士の付き合いはとってもフクザツになってしまう、ただそれだけのことなのです。

とはいえ、そういった遠まわしなところがない、もしくは少ないぶん、男性同士の人間関係のほうが、わかりやすかったり、単純なので修復もストレートにいける、といったよさがあるのだと思います。

というわけで、男同士はあんなに愛にあふれて、やさしく寛大なのだから、来年からはほんの少しでもいい。女の子をやさしい目で見てあげてほしい。ほんのちょっとでいいから、女の子にやさしくしてあげてほしい、と私は願わずにおれません。

「女の子にやさしくしろと言われても、どうすればいいのかわからない」
「それ以前に、やさしくしてあげたい女性が身近にいない」

という人もいるかと思います。

いえいえ、そんなにむずかしいことは言いません。たくさんのことを求めているわけではありません。本当にカンタン、すぐできることでいいのです。

たとえば、駅やヤ○ダ電機やどこかのお店でエレベーターに乗るとします。混雑していたら、自分は「待ち」状態で、女性を先に乗せてあげて最後に乗り込むようすする。

流れ的に、最初に乗り込むことになってしまったら、エレベーターの「開」のボタンを押して、そこに居合わせた人たちが安全に乗り込むのを待っていてあげる。

仕事や学校の飲み会の席では、話に夢中になるだけでなく、近くの席に座っている女の子のところに取り皿を回してあげたり、彼女が遠慮して料理を取っていないことに気づいて、そっと取り分けたりしてあげる。

電車の中で、おばあちゃんや妊婦さんを見かけたら、席をゆずってあげる。シャイで、人に声をかけるのがつらいというタイプの人ならば、黙って席を立ち、その場から離れるだけでも、周囲の人にはじゅうぶんに善意が伝わるかと思います。

会社で、ミーティングや打ち合わせが思いのほか長引いてしまったとき、同僚の女性の目に疲れが見えたら、

「トイレに行きたいんで、少し休憩しませんか?」

と、先に切り出して、リフレッシュタイムをつくってあげる。缶コーヒーか何かを、後輩の女の子にも、自分のぶんと一緒に買ってあげる。

こういう場面では、こう言ってみようかな、どうしようかな。こういうときは、こうしたほうがいいかな、どうだろう? と、思ったときは、

(でも、他の誰かがやってくれるかもしれないから、恥ずかしいし照れくさいし、自分は黙っていよう)

というのではなく、自分からひと言、自分からひとつアクションを起こしてみてほしいのです。

日常のささいなこと、誰も気が付いてくれないちょっとした場面で、少し勇気を出してやさしさを発揮してみる。そうしてくれる男性が増えてくれると、きっと周囲にいる女性はちょっぴり幸せになれたり、うれしい気持ちになれたりするのではないかと思います。 ほんの小さなことでいいので、来年からはぜひ、女性にもやさしい男性になってみてください。あなたが持っているやさしさの一部分を、少し女性に見せてあげる、それだけでじゅうぶんなので……。


酒井冬雪です。ハマってます。どうぶつの森……しかし、トナカイのジングルくんを変装でごまかして、いくつもクリスマスプレゼントをもらう、というのは、ちょっと良心がいたみました。「そこまでゲームにのめりこめることがフシギ……」という説もありますが。では、みなさん、よいお年をお迎えください。

2008年も「理系のための恋愛論」をご愛読いただきありがとうございました。次回更新は、2009年1月16日(金)の予定です。