【コラム】

理系のための恋愛論

300 女子との会話は"男の度量"を忘れずに

    酒井冬雪  [2008/11/08]

    会社の飲み会でも、合コンでも、どんなときもそうなのですが、女の子(かわいかったり、気になったりする相手)と話す機会があったとき、自分としては、

    「今回、うまく彼女と話ができたな」

    と感じるときがあると思います。自分的には、うまく自己アピールができたと思ったのに、彼女との距離間は相変わらず何の変わりもなく……それどころか、同じ飲み会に出ていた後輩の△△が、いつの間にか彼女と仲良しになっていることを知ってビックリ! というようなことも、ときどきあると思います。

    このように、自分としては、女の子と上手に話ができたつもりでいたのに、なぜかその後も親しみが増したりすることもなく、新しい展開に結びつかなかったとき……そこにはやはり何らかの理由がありそうです。


    某製薬メーカーで働くTくん(27才)は、先日、会社の同期会に参加しました。彼の所属する部署は男性の割合が多いので、同期入社した女性たちとも、めったに顔を合わせることはありません。

    Tくんが入社当時から「かわいい」と気になっていた同期のAちゃんの顔は、同期の集まりでもないと見られません。Aちゃんのことが、いつも気になりながらも、いまだに個人的な会話などをしたこともなかったのですが、今回の飲み会では、運良く彼女とトナリの席に座ることができたのです。

    すっかりうれしい気分になったTくんは、チャンスとばかりに積極的にAちゃんに話しかけました。

    「Aちゃんって、今はどの部署にいるんだっけ?」
    「あ、私は今、総務にいるの」
    「ふうん……総務なんだ。ちゃんと早く帰れたりするの?」
    「うん、わりと就業時間で帰れるかな。最近は、どのセクションにも総務部から残業時間を短縮するようにって通達がきてるでしょ? 総務のメンバーはそう通達している側だから、率先して早く帰らないとって雰囲気だし」
    「へえ。いいね、総務とかって。オレなんかは研究所だから、土日もデータを見てないといけないし。なんだかんだ丸々一日休みを取るってむずかしいんだよね」
    「そうなんだ……Tくんはすごいね。タイヘンなんだね」
    「まあ、でも、好きで選んだ仕事だから。Aちゃんは休みの日とか何してるの?」
    「え……、うん」
    「何、話をにごしてない?」
    「だって、言ったら笑うもん」
    「いや、笑うわないよ」
    「ええ、じゃ言うけど。○○○○っていうバンド、知ってる? そのライブ見に行ったり」
    「……へ、へえ(すごいミーハー、うっ、顔がひきつるのをこらえきれない)」
    「ほら、絶対なんだコイツって思ってるでしょ」
    「……いや、そんなことないよ」
    「Tくんは、休みが取れたら何をするの?」
    「あ、オレはオケを聴きに行くかな」
    「………」

    Aちゃんとこんな会話をしたTくん。自分の趣味もアピールできたし、仕事のタイヘンさも彼女に伝わって「Tくんって、すごい」と言ってもらえたし、ウキウキした気持ちで飲み会から帰りました。

    それからしばらくして、Tくんは用事があって総務部へ出向きました。デスクにいるAちゃんをみつけたので、笑顔で手を振ると……彼女はなんとなくぎこちない笑みを浮かべて目礼を返してくるだけ。すぐにパソコンのモニターに目を戻してしまったのでした。

    Aちゃんの態度が素っ気ないようで、何となく気になったTくんは、自分の職場に戻ってから、同期で先日の集まりにも出席していたUちゃんに、そのことを打ち明けてみました。すると……、

    「……実は私、この間、Tの向い側に座ってたから、ふたりの話がちょっと聞こえちゃったんだけど。あんた、Aちゃんに向かってひどいこと言ってなかった? 総務はヒマでいいよな、とか。ミーハーバンドのおっかけしてるお前と違って、オレの趣味はオーケストラを聴くことだぜ、みたいな」
    「え? オレ、ミーハーバンドのおっかけとか、総務はヒマだとか、そんなこと言ってないよ」
    「まあ、そうは言ってなかったけど、ほとんどそういうニュアンスのことを言っていたしゃない」
    「そんなこと言ってないって」
    「言わなくても、顔にそう書いてありました。聞いてて、どれだけ上から目線なのって思ったもん」
    「………」

    自分としては、うまく自己アピールできて、彼女の話も聞いてあげてたと思っていたのに、Uちゃんのいいぐさにショックを受けるTくんなのでした。


    気になる女の子にはいいところを見せたい。自分はすごいんだ、という部分をわかってもらいたい。そういう気持ちは、男性も女性も同じかもしれません。しかし、自分がすごいだけではなく「オレはキミよりすごいんだ」というところもアピールしたくなってしまうのは、男性の心理かもしれません。

    強い自分、すばらしい自分をわかってほしい、そのために、自分でも気づかないうちに、相手を下に見ることで、自分のほうが賢いぞ的なアピールをしてしまっていることがあるようです。

    心配しなくても大丈夫。女性は、男性のことをよく見ています。あなたが、自分の強さやすごさをアピールしなくても、女の子はちゃんとそういうところを見ているものなのです。ですから、あなたはあるがままの彼女を見てあげましょう。

    ミーハーでも、ちょっと抜けてるところがあっても、気が強くても、そういうウイークポイントというか弱みのようなものが、彼女の魅力のひとつになっているものなのです。 そんなところを「え?」と思うのではなく「かわいい」と思ってあげるのが、男の度量のみせどころなのです。

    自分でも気づかぬうちに、気になる女の子に対して上から目線になっていたり、彼女の些細な欠点をバカにするような態度を取っていないか……。ほんのちょっと気をつけてみるだけで、本来のスナオでやさしいあなたの姿を、きっと彼女に見てもらえるはずだと思います。


    酒井冬雪です。とはいうものの、上から目線で気を張ってる男の子を「かわいい」と思ってくれる姉御肌な女性もいますので。強気な性格だったり、生意気だったりする人は、そのままんほ自分でぜんぜんいいと思います。そういえば、私も……子どものときから「生意気」と言われつづけてきたような。では、またね。

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