女性は、男性のどこを見ているのか? ひと昔、ふた昔前だと三高(20代では知らない人もいるかもしれないので、一応補足しておくと、高学歴、高身長、高収入の3つの「高」を指します)というような、わかりやすい要素がクローズアップされてきましたが、最近は、そういうことをいう女性が激減していると思われます。

しかし、だからといって女の子の見るポイントが甘くやさしくなったかというと、決してそういうわけでもなく、

○話がうまい○面白い○一緒にいて楽しく、お互いにじゃまにならない、というように、判断基準があいまいでわかりづらいところが見られるようになってきました。

「なんとなく、カンで面白いな、一緒にいて楽しいなってわかるし」
「フィーリングっていうの、そういうのが合えば」

といわれても、どうすればその「カン」や「フィーリング」が合うのだろうか? よくわからないという男性は多いかもしれません。


某建設会社の技術部門で働くSくん(28才)のもとに、最近異動でやってきた上司は体育会系の元気な人で、ある日突然、

「今度、部の親睦会を兼ねて、バーベキューでもしようか。S、幹事を頼むな」

と言い出しました。内心では、

(えー、いいよ。ほとんど男しかいない部署のバーベキュー大会なんて、そんなことしなくても)

と思ったSくんでしたが、上司にそういえるはずもなく、バーベキュー大会の幹事として仕事の後、しぶしぶ準備に奔走していました。上司はとても気のきく人で、

「オペレーション部門の女性も7~8人、誘っておいたから、よろしく」

といいます。それまで、やる気のなかったSくんをはじめ、技術部の男性陣はがぜんモチベーションがあがったのでした。

いよいよ、バーベキュー大会の当日、Sくんはレンタルの道具など大量の荷物を会場に運び込むのに四苦八苦していました。

すると、ふだん仕事ではやる気があるんだかないんだかわからない、気のきかない後輩のOくん(24才)がやってきて、

「Sさん、こういうところは台車があるはずだから、借りてきます」とか、
「女の子には日陰があるといいと思って、家からタープを持ってきました」とか言って、テキパキと荷物を運び、ひとりでサッサと大きなタープを張ってしまいました。

その間、Sくんは、バーベキューグリルの炭に火をつがつかず、大量の新聞紙を使い、顔をすすだらけにしていました。女性たちは、野菜を切ったり、お米を研いだり、飲み物の準備をしたり、積極的に手伝ってくれていましたが、肝心の火がおこせないので、暑い中、待ちの状態になっています。

そこに、Oくんが近づいてきて、

「あっ、手伝いますね」

と、あっという間に着火剤を使って炭に火をつけてしまったのです。女の子達は、

「すごーい」
「それじゃ、お肉を焼き始めますね」

とOくんに笑顔を向けています。Sくん的には、幹事として女性達にいいところをみせようと張り切っていたのに、どうも思うようにいきません。

その後も、Oくんを見ていると、軍手をはめた手で、

「米をたくときは、飯ごうの内ぶたは外しておくんだよ」などと言ったり、料理の合い間に上司や女性たちに冷たい飲み物を配ったりして、さかんに女の子から、

「へぇ~」「ありがとう」「やさしいのね」などと感心されています。Sくんが、苦々しい思いで、

「Oって、こういうのにはずいぶん詳しいね」というと、

「あっ、子どものころ、ボーイスカウトに入ってたんで…」

とOくんは照れた顔をしました。女性達は、「こういうふうに、何でもできる男の人っていいよね」
「そうそう、結婚しても楽そう」
「こっちが友だちと出かけたりしても、帰ってごはん作らなきゃとか心配しなくていいし」
「やっぱり、自分で何でもできる人っていいよね~」
などと、ひそひそ話し合っています。

そんな話を聞いてしまい、おかしい、今日は自分が「へぇ~」「すご~い」「ありがとうございます~」と女の子たちからいわれる予定だったのに……。まあ、バーベキューとかほとんどはじめてだし、仕方ないよな。どうでもいいけど、Oは会社ではボーッとしてるくせに、なんだよ。バーベキューの要領で仕事しろよな、とドヨーンとした気持ちで考えるSくんだったのでした。


一緒にいて楽しくてじゃまにならない。そんな女の子からの求めに対し、カンやフィーリング以外の部分で、男性がテクニック的にできることといえば、家事力や生きていくための力……を身につけることかもしれません。 女性は、自分たちの親世代の結婚を見て、「こういうのは困るな」と感じたりしています。結婚して、仕事を辞めたくない。ゴルフや接待、飲み会で帰宅が遅く、休日も家にいない夫の帰りを、食べてくれるかどうかもわからないごはんを作って待っていたりするのは、ちょっと抵抗がある。女性側が一方的に「あたえる」だけの関係では満足できない、と考えているのです。

ですから、ふたりの時間を大切にしてくれる人。女性ばかりが料理をしたり、何かの準備をしたりするのではなく、一緒になんでもできる人。そういった意味で「じゃまにならない」「一緒にいて楽しい」という言い方をしているのです。

というわけなので、仕事や趣味以外のこと、特に実家暮らしをしている方は、料理でも、洗濯でも、くんせい作りでも、日曜大工でも何でもいいので挑戦して、生きていく力をあげてみてほしいなと思います。


酒井冬雪です。暑いです。カナヅチですが、プールに行きたく(どこまでもインドア派なので、屋内限定で)なりました。と、友人に話すと「最近の競泳用の水着は、昔のものと違うんだから気をつけたほうがいい」と注意されました。気になってスポーツショップに行くと……なるほど切れ込んでいる水着はあまりないのね。勉強になりました。では、学生のみなさんは、楽しい夏休みを!