【コラム】

理系のための恋愛論

240 ボクが Romantic 止める

    酒井冬雪  [2007/03/16]

    男性はロマンティストだといいますが、私も「それはいえてるなぁ」といつも思っています。女の子だって、ロマンティストではない……ということはありませんが、現実を楽しんだ上でロマンティックになりたい傾向が強い気がするのです。

    ですから、どうしても「現実に、彼と話をしてみたい。ふたりきりになってみたい。ふたりでイロイロと体験してみたい」と思い、それを実現させるため、あれこれ誘いをかけたり、駆け引きをしてみたりする(この行いがすでにリアリストっぽい)。

    そして、彼とのデートから帰ってきてから
    「…(彼ったら、あのとき…私にあんなこといってたわね。キャッ。ホントにかわいいんだから~ん)」
    と、うっとりロマンティックな気持ちにひたる……ということが多いと思います。

    けれど、男の子は違います。自分は何もしなくても、心の中やアタマの中だけで、じゅうぶんロマンティックになれるように見えるのです。

    たとえば、某通信機器メーカーに勤務する知人のEくん(29才)から、
    「会社に好きな子がいて、その子とはしゃべったことないんだけど、エレベーターやろう下ですれ違うと、必ずニコッと笑ってアイサツしてくれるんだよね。あれっていうのはさ、ボクに興味を持ってくれているというか…向こうもけっこう同じ気持ちでいるのかもしれない。そう思わない?」

    などといわれると、私はただただ
    「…(男の人ってってロマンティストなのね)」
    と実感させられるばかりです。

    一応、
    「その相手の子って、年下なの?」
    「年下だね。入社2年目くらいかな?」
    という点を確認してみます。

    そして、心の中で、
    「…(でもフツウさ、入社して間もない女の子って、誰にでもアイサツするんじゃないかな。社内ですれ違う人のほとんどが先輩、もしくは上司、もしかするとクライアントかもしれないんだから。誰にでも笑顔でアイサツするのは基本中の基本だと思うんだよね。っていうか、たぶん、彼女以外の女性社員のほとんどが、社内ですれ違う人みんなにキチンとアイサツしてるはずだけど…)」
    と、疑り深い私は考えてみたりします。

    しかし、私は間違っているかもしれません。もしかしたら、彼女は本当にEくんに好意を抱いているのかもしれない。Eくんと彼女がアイサツするときに、すでに目と目で通じ合うものが芽生えているかもしれないけれど、私にはそれを見ることができないから。

    なので、どうしても、Eくんにあれこれと質問をしてしまいます。

    「ええと、それで、彼女とは本当に話をしたことはないの?」
    「ううん、ないね。部署も違うし、仕事の内容的にも接点ないから…。それなのに、ニコッてアイサツしてくるんだよ? ありえないよね」
    「それじゃ、アイサツされたときに何か話しかけたりしないわけ?」
    「できないよ。話したこともないし。向こうはボクが(彼女の)名前を知ってることすら知らないと思うよ」
    「じゃあ彼女はさ、Eくんの名前を知ってるの? アイサツするときって『おはようございます、Eさん』とか、そういう感じ?」
    「…いや、ふつうに『おはようございます』とかだと思うけど。名前を呼ばれたことはないかな」
    「ふうん…」
    「だから、さっきからいってるとおり、仕事的にもまったく接点ないし、働いてるフロアも違うんだから」
    「うん、そうだね」
    「でも、仕事でまったく接点もないのに、エレベーターで二人きりになったときに向こうから声をかけてくるっていうのは、なかなか勇気がいることだよね。多少なりとも、こちらに対して好意がないとできないと思う」

    …とまあ、このようなぐあい。たまに会ったときにアイサツをかわすだけという間柄のまま、1年近い時を過ごしているEくんなのでした。

    もしも、Eくんが女の子だったら、きっと友人たちから、
    「せっかくエレベーターで二人きりなんてチャンスなんだから、アイサツ以外にも話しかけちゃいなよ」
    「ええ? どんな話? 恥ずかしくて話せないって」
    「だから『そのネクタイ、カッコいいですね』とかさ。そのネクタイじゃなくて、今日もネクタイカッコいいですね、のほうがいいかもしれない」
    「ええー、いえないよそんなことー」
    「いいじゃん別に。いきなり好きとかいうわけじゃないんだから。それぐらいなら男の子だって、いわれて悪い気はしないって」
    「そうかな…」
    「そうだよ、そういうふうに徐々にでもアピールしていかないと、気持ち伝わらないよ」
    「…うん、わかった。がんばる」

    というように、何らかのカタチで、ふたりの関係もふたりの会話も先へ先へと進んでいくことが多いような気がします(結果のよしあしはおいておいて)。

    何がいいたいかというと、自分の中だけでロマンスを楽しむのもいいけれど、ときどきは女の子を見習って、何かしらの行動を取ってみてほしいということ。

    アイサツするだけの関係だったら、「今日はいい天気だね。あーあ、外で遊びたい」「お昼はどこで食べてる? 中華でうまい店ってあるかな? 女の子って情報通だもんね」と、会話ができる関係になるよう、自分で自分の背中を押してみてほしいわけです。

    男性が少し現実的にがんばってくれると、実際に男性との会話や男性とのデートを楽しみたい女の子たちが、どんどん幸せになれるはずなのです。

    そういわれてみると、気になる女の子に関しては心の中でのロマンスを楽しんでいるなーという人は、少しだけでも実際家になって、彼女との会話などを楽しんでみてくださることを希望しております。


    こんにちは、酒井です。そういっておきながら私も、けっこう「心の中」で恋愛を楽しみたいタイプです。なんでだろう? 相手には自分を理解してもらいたいんだけど、理解されたらされたでハラが立つし、理解されないといつかアタマにきそうだし……というあたりがネックになる気がいたします。おまけに面倒くさがりときているのが、また恋愛する上でつらい点です。いやね~。では、またね。

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