【コラム】

理系のための恋愛論

239 恋愛のプライオリティ

    酒井冬雪  [2007/03/02]

    彼女がほしい……しかし、なかなかできないなあ……と思っている人はけっこうたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

    女性の場合でも「今年こそはがんばって彼氏つくります」と、異動や転勤、新入学・新入社・転職の機会に決意を固めたりする人もいるものです。

    男性はそのように、あからさまに決意を固める(しかも友だちに宣言してみたり)ことは少ないような気がします。どちらかというと、心のどこかでひっそりと「…(彼女ができればなあ)」と思うような感じです。

    しかし、心の「奥底」で「ひそか」に「なんとなく、たまに」彼女がほしいなあと思っていても、それは決して自分の中の優先順位の1位ではないはずで、どうしても「彼女をつくろう」という望みは後手に後手にとまわってしまう。

    ですから、やはり、一部の女の子のように「今年こそは彼氏つくる」ぐらいの気持ちになってみてもいいのではないか? と思わずにいられない私です。

    某食品メーカーで働くKくん(31才)は、彼女いない歴4年。最近、妹が結婚したせいで、母親からはじめて、

    「あなたはどうなの? 結婚の予定はあるの? それとも結婚する気はまったくないとか、そういう考えなのかしら?」

    と、個人的な質問をされてしまったのでした。

    自分としては「結婚」はさておき、そろそろ彼女がほしいなあと考えなかったわけではありません。ただ、仕事が忙しすぎて、女性と知り合う時間や機会がないだけなのです。ところが、驚いたことに母親が、

    「実はね…お見合いの話があるんだけど、どうなのかしら?」

    と、写真の入った封筒を差し出してきたのです。Kくんはオドロキました。

    「…(今でも、お見合いというものをしている人たちがいたのか?)」
    そして、
    「…(もしかして自分は、親から…モテない…と思われている男なのだろうか?)」

    軽いめまいを覚えたKくんでしたが、口調はいつもどおり冷静に、
    「いや、お見合いはいいよ。彼女っていうか、そういう感じの人がまったくいないわけでもないし」
    と母親にウソをつき、お見合いの話は断ってしまったのでした。しかし、
    「なんだ、彼女がいたのね。いつ、紹介してくれるの?」
    とコーフンし、張り切ってしまった母を、
    「いや、もう少し待ってほしい」
    となだめるのはけっこうタイヘンだったのでした。

    それ以来、母親からことあるごとにケータイメールが届くようになりました。

    > いつになったら紹介してくれるの?
    > お父さんにも話したら、とてもよろこんでいて会いたがっていたわよ。
    > みんなで食事会でもする?

    困ったKくんは、こうなったら、何が何でも彼女をつくらないと、と少しあせりはじめ、以前から親しくしていて「いい人だなあ」と好感を抱いていた取引先のCさん(28才)に、その事情を話してみたのです。それから「もしよかったら、今度の土曜日、いっしょにドライブでも行きませんか?」と、自分でもビックリするようなことをいっていたKくんでした。

    Cさんは、目を大きく見開いて驚いていましたが、
    「うん、そういうのいいですね」
    とOKの返事をしてくれたのです。

    けれど、
    「あの、もしかして、私に彼女のフリをしてご両親との食事会に出させるために誘ってくれたんじゃないですよね?」
    とKくんの顔をジッと見ながら彼女が鋭いことを聞いてきたのです。Kくんは大慌てで、
    「いや、あの、それとこれとはぜんぜん別の話で…」
    とシドロモドロになると、Cちゃんは、
    「冗談です。試しに聞いてみただけですよ」
    と大笑いしたのでした。

    その後、何度かふたりで会うようになり、ふたりは無事に「付き合っているよね」という状態になってきたのでした。

    今のところ、まだ親には彼女を紹介していないそうですが、
    「考えてみると、親にウソをついていなかったら、彼女を誘うことはできなかったかもしれない。そんなにも、母親のメール攻撃はすさまじくプレッシャーになった」
    と、Kくんはある意味、母親に感謝しているそうです。

    このように、後ろからものすごいプレッシャーを感じると重い腰も一気に上がるということがあるものです。

    男性の場合、若いときでも女の子のように「恋愛するぞ」「恋愛してみたい」と、自分に働きかける人が少ないので(私もあまりそういう働きかけを自分にしないタイプでしたが)、周囲が後押ししたり、周りからプレッシャーを感じないと「彼女をつくる」が優先順位の1位に上がることはとても少ないはずです。

    優先順位の1位や2位でないことは、どうしても後回しにして忘れてしまいがちなので、彼女をつくりたいのなら、積極的に「恋愛」の優先順位を自分で上にしていくほうがいいと思います。

    とはいうものの、自分でそれをするのはなかなかタイヘンなことなので、Kくんのように親から圧力を受けるというのも、なかなかよい方法(わざとそうしたわけではないでしょうけれど)です。

    プレッシャーを感じる方法は他にもあると思います。実家暮らしをしている人は、家を出てひとり暮らしをして、インフルエンザなどにかかってみると、

    「おお、オレはこのまま高熱が下がらないかもしれない。ひとりでいるのは不安だー」

    と心の底から孤独を感じ、恋愛の優先順位がグンと上がって、
    「…(今年こそは、夏までに彼女をつくろう)」と決心できるかもしれません。

    また、周囲の友人みんなに恋人ができてしまい、土日がポッカリとヒマになってしまったりするのもいいことです。
    「…(あー、時間ができたし、カラダもなまっているから、何かスポーツでもはじめようか)」と、自分とは違う世界(やったことのない競技とか)に行ってみる。すると、そこに新たな、これまでまったく知り合うことのなかったタイプの女性との出会える可能性もあるはずです。

    というわけで、ただなんとなく、ときどき「彼女がほしいなあ」と思ってはいるけれど、特に何もしていないという人は、周囲からプレッシャーを感じる状況に身を置いてみるといいでしょう。

    自分から「彼女ほしい」とガツガツ動くのは苦手というシャイな性格の人も、プレッシャーを受ける状況に身を置くくらいなら、そんなにむずかしくなくできると思います。ぜひ、プレッシャーをあたえてくれそうな人、場所へ近づいていってみてほしいものです。


    こんにちは、酒井冬雪です。いよいよJリーグも開幕です。Jリーグ名鑑を見ながら楽しませてもらってます。李忠成くんは、とても好きな選手だったので、U-22に選出されたことがとてもうれしい。できれば、柏からではなくて、東京にいて、東京から選ばれてほしかったけど。では、またね。

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